絶食6年目のダイオウグソクムシ、飼育担当を悩ます
東京ウォーカー(全国版)
三重県の鳥羽水族館で飼育されているダイオウグソクムシのうちの1匹(飼育個体番号はNo.1。愛称は1号たん)が、1月2日に行なわれた餌やりでも食べず、絶食は遂に6年目に突入した。
この節目の瞬間に合わせ、6年目の餌やりの生中継がニコニコ生放送でインターネット動画配信されるなど注目を浴びたが、気になるのは今後だ。目下、国内飼育個体の中で絶食記録を更新中であり、驚嘆の声が上がる一方、同水族館飼育担当者は気が気でない。「体調が急変している様子はないものの、絶食状態は不本意。徐々に動きが緩慢になっているので早く食べて欲しいです」と語る。絶食が続く原因としては「飼育環境が本来の環境と異なるために生理的な異常を来して摂餌できずにいます。もともと代謝が低いため、体内のエネルギーを少しずつ消費して長期間生存しているなどの可能性があります」と話す。
そもそも、ダイオウグソクムシは国内飼育例が少なく、データが不十分なようで、「数ヶ月から1年以上餌を食べない個体は珍しくなく、1回の摂餌量も数gから数十g程度のようです」ということが、他の水族館からの情報で把握できているぐらいだ。また、甲殻類だけあって脱皮する生態を持ち、この絶食は脱皮ヘ向けての準備期間中なのでは、という仮説を立てる向きもあるが、これまでに飼育個体で脱皮を遂げたものはいないので前例データはないという。
第三者としては、数年何も食べずに生きられるという奇跡的な燃費の良さに生物の神秘を感じて興奮してしまうのだが、日々向き合う飼育担当者にとっては悩ましい限りとなっている。それでも「絶食でダイオウグソクムシが大きく注目されるようになったので、その意味では感謝しています」とも。次の餌やりの日程は未定だが、1、2ヶ月に1回のペースで行なわれる。記録更新よりも生体の生命維持と健康を願う担当者に安堵の春は訪れるのか、答えは“1号たん”のみぞ知る、だ。【Walkerplus】
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