名古屋発のクールジャパン!世界コスプレサミット仕掛け人に迫る
東京ウォーカー(全国版)
「世界コスプレサミット2014」が7月26日から8月3日まで、愛知県名古屋市を中心に開催された。8月2・3日だけでメイン会場のオアシス21(名古屋栄)の来場者数は約22万人に上り、最終日のパレード参加者は約1000人と同イベント史上最多を記録。今や名古屋は「コスプレの聖地」として世界中から注目されている。その仕掛け人である、世界コスプレサミット実行委員会実行委員長の小栗徳丸さんに、新しい文化を生み出したきっかけやブームの作り方などを聞いた。
――小栗さんがコスプレと出会ったきっかけを教えてください。
「テレビ愛知のディレクターだった2003年に、『大須のコスプレ物語』という深夜番組を担当したのがきっかけでした。当時、私にとって、コスプレは日本のオタク文化の中だけで盛り上がっているサークル活動くらいの認識でした。しかし、番組を制作するにあたって調べていくと、すでに海外でも日本のアニメやゲームのキャラクターになりきったコスプレイヤーが増えていることを知りました。それを自分の目で確かめたくて、フランスのパリで開催されていたジャパンエキスポに行ったのです」
――ジャパンエキスポが大きな転換点になったのですか?
「そうですね。ジャパンエキスポは今でこそ23万人を超える来場者数を誇っていますが、当時はまだまだ小さなイベントでした。それでも何百人という現地のコスプレイヤーが参加して、思い思いの格好を楽しんでいる姿に感動し、その熱心さに衝撃を受けました。そして、コスプレイヤーの多くが、“日本のアニメキャラクターはクールで大好き”と話していたのが印象的です。最初は半信半疑でしたが、現地のコスプレイヤーと話をしているうちに、コスプレは誇れる日本独自の文化なのではないかと思い始め、まずは日本人に伝えたくなったのです。現地で知り合ったフランス人、イタリア人、ドイツ人のコスプレイヤー3人を日本に招いて、日本人コスプレイヤーと座談会を開きました。これが第1回目の『世界コスプレサミット』です」
――なぜ、コスプレのイベントを愛知県で開催しようと考えたのですか?
「確かに短期的な集客だけを考えると、東京で開催したほうが有利かもしれません。愛知県での開催にこだわったのは、新しい文化を名古屋から発信したいという気持ちが強かったからです。いわゆる「名古屋飛ばし」と言われるように、海外のビッグアーティストのコンサートは、名古屋だけスルーされることがよくありましたし、“文化不毛の地”などと揶揄されてもきました。ずいぶん悔しい思いをしてきたので、東京でも大阪でもない名古屋初の聖地を作りたかったんです。コスプレだったらまだどこもやっていなかったし実現できるかもしれない、と考えました。映画ファンにとってフランスのカンヌが聖地であるように、名古屋をコスプレの聖地として育て上げようと決心したのです」
――開催から12年が経過しました。周囲からはどのような反応がありますか。
「私自身、この2、3年くらいで手応えを感じています。日本政府が『クールジャパン』を掲げたことで、一般の人たちもマンガやアニメといったポップカルチャーに対する理解を示してくれるようになってきました。また、ナショナルクライアントと言われる大手企業がスポンサーとして参加していただいていることも手応えの一つです。そういった中でも、特に大きな手応えを感じるのが、海外でのプレゼンス(存在感)が高まったこと。今回の『世界コスプレサミット』には、史上最多の22か所の国と地域が参加しましたが、実はこの他にまだ32か国がエントリーを待っている状態なのです。今後の課題として、希望する全ての国を受け入れられるような体制を整備していきます」
――「世界コスプレサミット」を通して伝えたいことは何ですか?
「私は単にコスプレを楽しむ場所を提供しているのではなく、国際交流の形の一つとしてこのイベントを開催しているんだというブレない信念を持っています。若い人たちに、『好きなモノが一緒だったら、言葉、文化、国籍を越えられるんだよ』というメッセージを送りたいんです。コスプレイベントを手掛けているというよりも、国際交流イベントを主催している、というスタンスを貫いています」【東京ウォーカー/記事提供=Walker47】
※スマホのための地域情報メディア「Walker47」の記事を一部再構成したものです
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