身近な人の死は自分の生き方を見つめ直す機会。「どんな人でも仏に成れる」/ヤンキーと住職【作者に聞いた】

そもそも仏とは?「誰もが仏に成ることができる」

漫画でも描かれているが、私たちが最初に仏教の教えに触れる場といえば「お葬式」や「法事」など、悲しみの中が多いのではないだろうか。漫画の中で住職はヤンキーに、「私たちが手を合わせるのは誰かが縁を繋いでくれたからだろう」「諸仏・諸菩薩と考えることもできると思うんだ」と語る。この「諸仏・諸菩薩」について、詳しく聞いてみた。

「仏・菩薩の受け止め、解釈もさまざまです。私は浄土真宗本願寺派という宗門の寺院の衆徒ですので、浄土真宗の教えを聞く中で学んだことを中心にお話したいと思います。

浄土真宗では、『亡くなられた方は仏さま(諸仏)に成って私たちを見守ってくださいます』などと説かれることがあります。『諸仏』とは『無量・無数の仏たち』という意味ですね。

では、そもそも『仏』とは何なのでしょう。『仏』は目覚めた人、つまり、ブッダ(仏陀)のことです。人間はどうして苦しむのか、なぜ傷つけ合うのかに目覚め、同時に、どうすれば傷つけ合うことを超えられるのか、に目覚めた人ですね。最初『仏』はお釈迦様のことを指していたのですが、お釈迦様は真理(=法)に目覚めた人なのだと徐々に明確になり、お釈迦様という一人の人間を超えて『仏』が使われるようになりました。つまり、真理に目覚めた人が『仏』なのです。そうすると『仏』は時代や場所を超えて誕生するため、『諸仏』と呼ぶようになりました。

仏教で『諸仏』が説かれる元には、『どんな人も仏に成ることができる』という、仏教の真理性がある。『事実に目覚める』『苦しみの原因に本当の意味で目覚める』ことができた人が仏で、誰もがなる可能性を持っているのです。諸仏という言葉には、『すべての人々に迷いの事実を教えて正しく歩ませたい』という、大きな願いが込められているのですね」

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