小栗旬が初共演者・星野源に感じた“人間性”とは?「僕とは持っているもの(才能)が全然違う」

2020年10月8日 20:15更新

東京ウォーカー(全国版)

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【写真】カメラに向かって凛々しい表情を見せる小栗旬※撮影=尾形正茂 (SHERPA+)、スタイリスト=臼井崇(THYMON Inc.)、ヘアメイク=FUJIU JIMI、衣装=スーツ/ブリッラ ペル イル グスト、ニット/ジョンスメドレー(ともにビームス 六本木ヒルズ)、シューズ/スタイリスト私物

2016年「週刊文春」ミステリーベスト10で第1位を獲得するなど、高い評価を得た塩田武士のベストセラー小説「罪の声」が映画化。10月30日(金)より全国東宝系にて公開される。「罪の声」は、実際にあった昭和の未解決事件をモチーフに、過去の事件の真相を探る2人の男を描いた物語。主人公の新聞記者・阿久津英士を小栗旬、もう1人の主人公・曽根俊也を星野源が演じる。2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主演も決定している小栗が、役を通して感じたことや作品への思いを語ってくれた。

共演が決まったときはお互いに「やっと一緒に仕事できるね!」と思った

映画「罪の声」(C)2020 映画「罪の声」製作委員会(C)2016 塩田武士/講談社

――35年前に起きた劇場型犯罪の真相を追う新聞記者の阿久津を演じるため、どのような役作りをされましたか?

【小栗旬】原作者の塩田さんがもともと新聞記者をされていたので、お時間をいただいて「新聞記者とはどういうものか」といった話をいろいろとお聞きしました。演じる上で一番意識していたのは、「なるべく目立たないように」阿久津を演じること。この物語はあくまで(過去の事件に深く関わる)「犯行に声を使われた子供たち」を描いたもので、阿久津は謎を紐解いていく人間に過ぎないからです。なので、とにかく普通の人に見えるように気を付けていて、外見的な役作りも一切しませんでした。阿久津はベルトに少しお腹が乗っている感じでいいやと思っていたので、これまでの作品の中で一番太っているかもしれないですね(笑)。

――もう1人の主人公である曽根俊也を演じた星野源さんと共演されてみていかがでしたか?

【小栗旬】本作で共演する前に何度かプライベートでお会いしたことがありましたし、僕は源ちゃんの音楽が好きなので、ライブに行ったこともあります。お仕事ではドラマ「コウノドリ」で少しご一緒した程度で、今回のようにガッツリというのは初めてだったので、共演が決まったときはお互いに「やっと一緒に仕事できるね!」という感じでした。

――小栗さんから見た星野さんはどんな方ですか?

【小栗旬】とっても優しくて、すごく繊細で、かわいらしい人です(笑)。彼の方が僕より年上ですが、物腰が柔らかく、小動物みたいな感じというか(笑)。この人があんなにノリノリで歌ったりするんだなと、ギャップもありますね。僕とは持っているもの(才能)が全然違うので、いつもすごいなと思っていました。本作で源ちゃんが挑んだ(曽根)俊也という役は、彼にとても合っていましたし、共演者としても一緒にいて安心できる存在でした。

映画「罪の声」(C)2020 映画「罪の声」製作委員会(C)2016 塩田武士/講談社


――阿久津が取材相手である俊也に対して、車中で自身の記者としての葛藤を語るシーンが印象的でした。

【小栗旬】撮影前に監督から「阿久津と俊也はほぼ同世代なので、聴いていた音楽や読んでいた漫画が同じでシンパシーを感じるところがあるんじゃないか」という話を聞き、車中で自然と他愛もない話をすることもあったのではと想像しました。また、普段の阿久津は取材の場では標準語を使っていますが、俊也といるとだんだん素の関西弁が出てきてしまいます。そういったところが、取材相手であった彼に阿久津がほだされていっている瞬間なのかな、と思いながら演じていました。

「忘れてはいけないこと」は現実にもあふれている

主人公、阿久津英士を演じた小栗旬※撮影=尾形正茂 (SHERPA+)、スタイリスト=臼井崇(THYMON Inc.)、ヘアメイク=FUJIU JIMI、衣装=スーツ/ブリッラ ペル イル グスト、ニット/ジョンスメドレー(ともにビームス 六本木ヒルズ)、シューズ/スタイリスト私物

――新聞記者という役を経験してみて、感じたことを教えてください。

【小栗旬】特に事件記者という仕事は、なかなかの強心臓の持ち主じゃないと続けられないだろうなと強く感じました。劇中で阿久津が言うように、真実にたどり着くためには人が踏み込んでほしくないこともガンガン聞いていかなくてはいけない。それはすごく心をすり減らしますし、阿久津みたいなタイプは自分自身に矛盾を感じてストップをかけてしまうんじゃないかと。でも、そうすると仕事としては成立しなくなってしまいます。僕自身も他人の探られたくないところを探るのはあまり得意ではないので、絶対にできないですね。塩田さんも「新聞記者時代は地獄のような日々だった」と話されていました。

――一方で、阿久津は記者としてのプライドを持っている人物でもあります。小栗さんご自身は役者としていかがでしょうか。

【小栗旬】役者としてのプライドは、あまりないです(笑)。もちろん好き嫌いはありますが。これだけは譲れないとか、これは許せないといったことはほぼないですね。

映画「罪の声」(C)2020 映画「罪の声」製作委員会(C)2016 塩田武士/講談社


――本作は実際の事件をモチーフにしているので非常にリアリティを感じたのですが、そのことに関してどう思われましたか?

【小栗旬】モチーフとなった事件は、僕が生まれてすぐの時代に起きたもので、最初はなかなかピンと来なかったんです。でも、原作を読んで「こんなに恐ろしい事件だったんだ!」と衝撃を受けましたね。無差別に行われていたというのもショックでしたが、当時のメディアは愉快犯的な報道をしていたり、警察も「絶対に捕まえる!」と言いながらもなかなか真相にたどり着けなかった。すごく興味深い事件だなと思いました。

――だからこそ、フィクションとはいえ興味深く本作をご覧になる方も多いと思います。

【小栗旬】未解決事件ということで、最終的に何が真実だったんだろうというのは誰しもが思うこと。あくまでこの映画は、僕たちが作った"フィクションとしての"事件の真相を描いたものです。しかし、阿久津の言葉ではないですが、ほかにも「忘れてはいけないこと」「風化させてはいけない事件」は現実にあふれています。この映画を観て、少しでもそんなことを感じていただけたら嬉しいです。

文=奥村百恵

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