天海祐希「やっと夫婦になれた」共演の松重豊と“老後を迎えない人生”について語る
東京ウォーカー(全国版)
天海&松重が考える「いつから老後?」
――それは見どころのシーンのひとつですね。ちなみに、今作は『老後の資金がありません!』というタイトルですが、おふたりの理想の老後はどんなものでしょう?
【天海祐希】ちょうど先日、姑の芳乃を演じた草笛光子さんとお話している時に、「いつから老後なの?」と聞かれて、「わからないですね〜」なんて話題になったんです。「自分が老後だと思ったら老後なんだろうか」とか、「私の場合はいつからかしら?」とか、草笛さんがおっしゃるんですよ。「草笛さんには、老後はないですよ」って思わず言っちゃいました。
【松重豊】草笛さんの場合はまだまだ老「後」じゃなくて「前」じゃない?サラリーマンだったら定年退職があるからわかりやすいけど、僕らの場合は区切りがないですからね。

【天海祐希】そうなんですよね。
【松重豊】俳優は、続けたければどうぞっていう世界だから、88歳になっても最前線にいらっしゃる草笛さんがそうおっしゃるのならば、僕はまだまだ老後なんて…。
【天海祐希】口が裂けても言えないですよね。でも、ずっと続けられるのはありがたい反面、ちょっと怖い(笑)。
【松重豊】僕らに老後があるとしたら、無理やりリタイアするしかないですよね。でもそうすると、あらぬ詮索をされるでしょう?(笑)
【天海祐希】なにがあったんだ?ってねぇ。
【松重豊】病気をしたのかとか、あるいはどこかで一発当てたのかとかね。
――(笑)。草笛さんだけでなく、竜雷太さん、藤田弓子さん、毒蝮三太夫さんなど、そうそうたるベテラン陣が出演されていますよね。

【天海祐希】先輩方を拝見していると、みなさん前向きに仕事に臨んで、誰よりもパワフルでしたね。いつまでもいろいろなことに興味を持って、人間としてかわいらしくいられる姿はとても尊敬します。竜さんなんて、肌寒い季節の撮影だったのに現場でスイムスーツを着ていたんですよ。そのうえ、上半身を脱いだりして。
【松重豊】しかも竜さん、いい体なんだよね。腹が立つくらい(笑)。
【天海祐希】そうなの!先輩たちの姿を見ていたら、自分は疲れたとか言っていられないなって思いましたよ。しかも、「おい、お前ら」っていうことではなく、ご自身がまず現場を楽しんで、誰よりも熱心にお仕事をされている。そんな姿を見ていると、頑張らなきゃ、負けてちゃいけないなって身が引き締まる思いになりました。だから、老後をどう過ごしたいかというよりは、先輩方と同じような年齢になった時に、ああいう域に達していたいですね。

【松重豊】そのとおりですね。だからといって、『老後の資金がありません!』のような問題が、自分たちにとってリアリティーがない、というわけではないのも事実なんです。たとえばこれから年をとって、自分の行動力や思考が、ままならなくなることも考えられますから。そうした時にお金だけでなく、準備しておくべきことがたくさんあるんじゃないかな。諸先輩方のようになるために、今から準備や努力を積み重ねるからこそ、「老後」を迎えない人生を作り上げられるんじゃないかなと思いますね。
【天海祐希】そうそう。見た人がいろいろと考えるきっかけになる映画になれば、うれしいですね。自分の置かれている状態と照らし合わせながら、どうやって自分の教訓にしていくのかと考えるのもよし。逆に、これはあくまで理想的な物語だなと客観的に見てもいいですしね。この映画は見た人によって、さまざまな向き合い方ができる作品だと思います。
撮影=八木英里奈
取材・文=イワイユウ
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