中村優一、自主映画への情熱と復帰からの7年を語る「当時は芸能界に戻るつもりはなかった」

東京ウォーカー(全国版)

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もし、芸能界に戻ってきていなかったとしたら…

――今はやりたいことにあふれている中村さんですが、芸能界を離れる時は相当な覚悟をされたのでは、と。その時のお話や、復帰の経緯についても伺っていいですか?

【中村優一】当時はもう芸能界に戻るつもりはなかったですね。とにかく目まぐるしく仕事をしている中、俳優は人を演じるのが仕事なのに、人の気持ちがどういうものかわからなくなってしまって、演じることができないと思ったんです。それで芸能界を離れようと決意して、しばらく普通の仕事をしていました。

それから、あるきっかけで今の事務所から俳優に戻ってみないか、と声をかけていただいて。「俳優として成果を出せていない僕にもう一度チャンスを与えていただけるなら、今度は完全燃焼するまでやってみよう」と思ったのが、復帰する時の気持ちでしたね。


――もし、事務所からの声がなければ、戻ってきていなかった可能性も…?

【中村優一】戻ってこなかったと思いますね。きっかけをいただき、人に支えてもらって復帰できたし、そのあともいろいろな人に支えてもらっていて、人との繋がりって自分にとってすごく大切なことだなと思うようになりました。

ファンの皆様ともそうで、一方的に僕を応援してくださいっていうだけじゃなくて、僕も応援したいんです。人と繋がっていたいと思ったから、YouTubeの生配信ではZoomを使って、視聴者の方の悩みとかいろいろな話を聞いています。アドバイスをするというか、それで少し気持ちがラクになってくれたらいいなって。それって本当はYouTube向けじゃないんですけど(笑)。あとは、例えばイベントに来てくれた人同士が友達になったりとか、僕きっかけで人との繋がりが芽生えたりするといいな、とか。僕をきっかけに楽しく生きてもらえたらいいなと思っています。


――復帰していなかった場合のご自身って想像できますか?

【中村優一】ADとか助監督からスタートして、裏方をやっていたかもしれないです。休業期間に違う仕事はしていましたけど、本当に自分が知っているのはこのお仕事のことくらいだし、俳優を辞めたのに映画とかを観ちゃっていたし…。そんな自分を振り返ると、やっぱり作品を作るのが好きなのかなって。俳優じゃなくても、違う立場で携わっていたかもしれないですね。

――映画『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』で復帰されたのも、ファンの方はうれしかったんじゃないかと思います。

【中村優一】自分の俳優人生って、仮面ライダーに支えてもらっているんですよね。最初は、あまり仕事がなかった18歳の時に受けたオーディションで「仮面ライダー響鬼」への出演が決まり、「仮面ライダー電王」では2号ライダーを演じて、いろいろな人に知ってもらうきっかけになりました。復帰したことも仮面ライダーで知ってもらえたし、人生のターニングポイントに仮面ライダーがいるんです。自分の人生を救ってくれた仮面ライダーは、僕にとってもヒーローなので、大切にしたいなって思っています。


がむしゃらに頑張る、中村優一の原動力

――では、今後こうなっていきたいという理想の姿について教えてください。

【中村優一】やっぱり、俳優を続けながらも、企画や監督など作り手もやっていきたいです。逆に最近、俳優として作品に入ると、現場の仕事をしなくてもいいことに違和感を覚えてしまって。スタッフと一緒に机を運ぶ癖がついちゃったんですけど、僕の性格上、そういう方が合っているのかなって思いますね。

――その原動力はどこから生まれるんですか?

【中村優一】好みの作品に出合った時に感動した瞬間の気持ちですね。この気持ちを届けられたらいいなって。これまで生きてきた自分の心や頭の中を表現できるって、自主制作ならではじゃないですか。それを観てもらいたいから、長編でも短編でも映画は作りたいです。


――最後に、人生で2回も大きな決断をした中村さんから、自分の進路に悩んでいる人にアドバイスをいただきたいです。

【中村優一】アドバイスできるような立場ではないんですが、自分がやりたいと思ったことはやった方がいいと思います。人に迷惑をかけなければとことん手を出してみていいと思うんです。できなかったらできなかったで次の行動に移せるし、やってみないと選択もできないし。どうしてもやれない環境にいる人もいるから、悩むという選択肢があるとしたら、それは幸せなことだと思うんです。だから、やりたいと思ったことには一回踏み込むべきだと思いますね。

僕自身、もっと前のめりにいろいろやっておけばよかったって、後悔していることもあります。だから今、がむしゃらに頑張らなきゃなって思っていますし。後悔なく生きるっていうのが、僕の目標かもしれないですね。

撮影=鎌田瞳
取材・文=大谷和美

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