波瑠、理想の恋人は「自分の話を聞いてくれる人」恋愛経験ゼロの30歳を演じた最新作が配信
東京ウォーカー(全国版)
――聡子はスタンダールの助けもあって、自分には無理…と思うことにぶつかっていきますが、波瑠さんにも無理めだけど頑張ろうと挑戦した経験はありますか?
【波瑠】無理めばっかりですよ(笑)。だって、私がこの世界に入ったのも、逃げ出したいが故の思い付きだったんです。中学1年生くらいの時、学校に馴染めなくて、どうにか行かなくてもいい方法を…と考えて、オーディション情報誌を買って、すぐに応募しました。現実逃避から始まったので、最初からうまくいくわけもなく、無理めなことばかりでした。

――波瑠さんはそれをどのように乗り越えてきたんですか?
【波瑠】根性です(笑)。でも、自分ひとりでどうにかなったということは絶対になくて、周りに恵まれていたというのが大きいです。厳しく指導してくれる人がいたり、マネージャーが間違った方向にいかないように正してくれたりした中で、この世界でやっていくうえで大切なものを本当に少しずつ積み上げていって…という感じです。
理想の恋人は「自分の話を聞いてくれてるなって思う人」
――ちなみに、聡子は瀬戸康史さん演じる涼介に一目惚れしますが、波瑠さんは一目惚れはありえるタイプですか?また、好みをあげるとするとどんな人ですか?
【波瑠】一目惚れはあまりないですね。見た目より、自分の話を聞いてくれてるなって思う人がいいなって思います。恋人って、親や友達とも違う、ものすごく特別な親密さを作る関係だから、自分のことをわかってくれていると感じられないと辛くなると思うんです。なので、コミュニケーションとして、会話が苦じゃないことはすごく重要だと思います。

スタンダールの言葉から思ったのは「女性はみんな角をもっている」
――スタンダールの恋愛論が本作のテーマではありますが、人間関係における理論も出てきました。参考になったものや印象的だったものはありますか?
【波瑠】スタンダールからの助言に「角をもて」という言葉があるんです。これは「草食動物には獲物を襲うための牙はないけれど、自分を守るための角をもっている」という、頭を使って自分なりに勝て、ということなんですね。「何もできないと思わずに、自分の角で戦ってみなさい」というメッセージは、親から子への言葉のようであり、一方で私は女性はみんな角をもっていると思ったんです。「これだ」と思う自分にとっての角を持っていれば安心できるし、強く生きるための支えになる、いい言葉だなと思いました。

――スタンダールを演じた小日向文世さんとは初共演ということですが、ご一緒してみていかがでしたか?
【波瑠】角の話をする時に、草食動物のジェスチャーをされていたのがとてもかわいらしくて印象に残っています(笑)。演説のように話す難しいセリフが多いだけでも、とても大変だったと思うのに、前田哲監督と作品をおもしろくするためのディスカッションをよくされていました。本当に楽しんでやられているからこそ、チャーミングで生き生きとしたスタンダールになったんだろうなと。もし小日向さんじゃなかったら、まったく違うスタンダール像になっていたんじゃないかと思います。聡子の家で、デートのための服をああでもない、こうでもないってスタンダールと一緒に選んでるシーンなんかは、気持ちがとっても柔らかくなって、楽しかったです。

――昨年30歳を迎えられましたが、仕事に対してのご自身の変化はありますか?
【波瑠】役を演じるうえで、自分の人生経験を反映したバリエーションが想像できたり、監督やスタッフさんとディスカッションして作品を作っていくことができるようになったりしたのは、大人になったからこそだと思います。
ただ、30歳くらいになったら、もっと余裕を持っていろいろなことができると思っていたのに、いつまでも緊張するし、そこはあんまり変わらないんだなって思います(笑)。緊張するっていうのは悪いことだけではないと思うけれど、欲を言うならばもっと気持ちに余裕ができたらいいなって。そのバランスがとれた時に、小日向さんのようなキャパシティの大きな俳優に近づけるのかもしれないですけど、でも、まだまだずっと先のような気がしますね。
――たくさんの役を演じてきていらっしゃるとは思うんですが、今後やってみたい役や作品はありますか?
【波瑠】久しぶりにすごく性格が悪い役ができたらおもしろいですね。あと、子供のいる役とかもできるようになったらいいなと思います。

撮影=八木英里奈
取材・文=大谷和美
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