大阪・日本橋「ノムソンカリー」1日中カレーのことばかり!そんな店主が作る日替わりカレー3種が人気!

関西ウォーカー

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大阪でブーム加熱中のスパイスカレーの名店を紹介するWEB連載「大阪スパイスカレー名店ファイル」第9回は大阪・日本橋の人気店をご紹介します!

今回紹介するのは、裏ポンバシ(店主が命名)にある「NOMSON CURRY(※以下、ノムソンカリーと表記)」。2015年のオープン直後からめきめきと頭角を現し、数ある大阪のスパイスカレー店の中でも実力派の存在としてテレビや雑誌、イベントなどに引っ張りだこの注目店。一日中カレーのことばかりを考えているという店主の野村豪さんに、店を開くきっかけやカレーに対する思いを聞いてみた。

店を構える手助けをしてくれたのは、裏谷四の名付け親


肉カリーと野菜の愛×(あいがけ)950円。写真は干し海老とあさりのキーマと、オクラとカリフラワーの黒胡椒カリー


カレー好きが高じて、店を始めた野村さん。店を持つ前は、1日に5、6杯のカレーを食べ歩き、今でも休みの日になると気になっているカレー店を2,3軒ハシゴするという。料理をすることが好きで、食べ歩き気に入ったカレーの味を自宅で再現していたそう。『そのおかげで体重が20kg増えましたけど(笑)』と野村さん。

父親が個人タクシーを営んでいたこともあり、同じ道を歩むことも考えたが(実際にタクシー運転手として勤務していた経験もあるんだとか!)、景気低迷による利用者の減少など先々を考えるとタクシー運転手としてではなく、自分の店を待つことを考えるようになったという。

店を構えるにあたり不動産会社を回ったが、店を持った経験も料理の経験もない野村さんに物件を紹介してくれる不動産会社がなかったそうだ。重い気持ちを引きずりながら向ったのが谷町四丁目にある人気カレー店「バビルの塔」。友人とカレーを食べながら“カレー屋をやりたいんやけど…”。そんな話していたところ、店主の福田タクシさんからアドバイスと共に不動産会社まで紹介してもらったという。そのおかげで現在の場所に店を構えることができたのだ。「あの時、バビルの塔にカレーを食べに行ったこと。そして、たまたま忙しい時間帯ではなく、福田さんが僕たちの話に耳を傾けてくれる余裕があったことなど、いろんなタイミングが合ったんですね。そのタイミングがなければ、店を出すのに相当苦労をしたと思うし、福田さんには感謝してもしきれない」と語る。

頭の中は毎日カレーのことでいっぱい!


「イベントにも積極的に参加していますので、ぜひ足を運んでみてください。情報はTwitterで発信してますん」と店主の野村豪さん


「ノムソンカリー」では、定番のチキンカリーに加え、毎日素材の変わる、肉、キーマ、野菜の3種の日替わりカレーを提供している。毎日違うカレーを考えるのは大変では?との問いに『僕は1日中カレーのことを考えているんですよ』と。さらに『先日、たまには違うものをと中華料理店へ行き青椒肉絲(チンジャオロース)を食べたんですけど、“この青椒肉絲をカレーにアレンジできないかなぁ”って、ついカレーと結びつけてしまうんですよね(笑)』と、いつでもどこでもカレーのことを考えている野村さんの“カレー愛”には脱帽だ。

ネーミングはふざけているけど、カレーにかける情熱はマジ!


三角関係1,200円。写真は野村さん家のチキンカリー、牛ホルモンキーマ、茄子とオリーヴのラタトゥイユ。カレーが美しく三角関係に盛り付けられている


ところで「ノムソンカリー」へ行き、2種盛、3種盛の注文をするときに思わず躊躇した人もいるのでは? 2種盛は「愛×(あいがけ)」。これは文字だけなので問題ないが、3種盛を「三角関係」って! 「ほとんどの人は□□□と△△△と×××の3種盛で。と注文されますが、真面目な方は□□□と△△△と×××の“三角関係”でとおっしゃいますよ(笑)。ちょっとおもしろいでしょ」と。ふざけている、野村さん!(笑)。しかし、ふざけているのはネーミングだけで、カレー作りにかける情熱はホンマもん。

毎朝5時には店に入り、その日に使うスパイスを挽き、焙煎する。スパイスの挽き方もなかなか独特で「薬研(やげん)」を使用。薬研とは、よく時代劇でお医者先生がゴリゴリと漢方薬を砕いている、あの道具。道具屋筋で購入し、店員に「数十年店にいて、初めて薬研を購入する人を見た」と言われたそうだ。野村さん曰く「店を始めた頃は、ミルとか、そんな道具があることすら知らなくて…ど素人だったもんで(笑)」と。しかし、これが功を奏した。スパイスに熱が加わらないので香りや味が落ないのだ。今でも毎朝、薬研に向かいゴリゴリとスパイスを手動で挽いている。前日に仕込んでおいた主材料とスパイスを合わせ、当日のメニューを調理する。食材のコンディションによっては、当日の朝にメニューを変更することもあるという。

野村さんの作るカレーは、旨味をしっかり感じつつもスパイスのバランスが良く、とても食べやすい。しかも2種盛、3種盛にした場合に、いずれかが突出した味にならないようベースとなるスープをそろえたり、隠し味にいろいろ工夫をこらしたりしているという。確かに、1つ1つ個性的な味わいなのに、いつしか混ざり合ってしまったカレーは、あたかも最初からそんな味だったかのようにす~っと最後までいただけてしまう。ぜひ、愛×で。いえいえ、愛×ではなく三角関係で、「ノムソンカリー」の味を堪能してみてほしい。

献立は当日の朝にTwitterで発表されるので、出かける前に今日のカレーは何かな?とチェックしてみて。

※本連載はムック「KansaiWalker特別編集 関西カレー’17新時代!」(現在発売中)の発売を記念した連載記事です。大阪スパイスカレーの名店・新店を多数紹介した本です。ぜひ興味のある方は書店・コンビニでチェックしてください。

【関西ウォーカー編集部/ライター惣元美由紀】

惣元美由紀

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