モー娘。小田さくらが保護猫を通じて考えた「楽しいだけではない、命のお世話」について/さくらと猫
東京ウォーカー(全国版)
猫と一緒に育ち、猫のいない生活は考えられないというモーニング娘。‘22の小田さくらさん。これまで一緒に過ごしてきた猫は全て保護猫で、2020年にはご家族と一緒に保護猫のミルクボランティアも行ったそう。そんな彼女がこれまで共に過ごした猫の数は小田家の10匹に、ミルクボランティアでお世話した48匹を加えて、何と総勢58匹!ウォーカープラスではただの猫好きに留まらない小田さんの“猫”話たちをインタビューとオリジナル漫画でお届けしてきました。最終回となる今回は、小田さんが保護猫のミルクボランティアを通して、感じたこと、考えたことをお伝えします。
産まれた子猫のうち半分が死んでしまうことも
こんばんは〜。モーニング娘。‘22の小田さくらです。
これまで我が家の猫たちと、保護猫のミルクボランティアについてお話しさせていただきましたが、ミルクボランティアを行ったのは2020年の外出自粛期間中に家族が家にいる間の8回ほどでした。期間にして8カ月ぐらいのことだったので、まだまだ経験していないことの方が多いなと感じます。だって、保護団体の方は20年ぐらいやられていますからね。
実は…この8カ月の間に1匹だけ死なせてしまう経験をしました。うちに来た子たちはある程度、大きくなっていたので致死率も低かったようですが、もっと小さい頃から面倒を見ている方の話によると、生まれたうちの半分ぐらいが死んでしまうこともあるそうです。命のお世話をするということは、死と隣り合わせであるということを改めて感じました。
最初に、我が家の猫は全て保護猫だとお話ししましたが、そのなかのオス三毛の吉(キチ)と一番新顔のクマは、多頭崩壊のおうちから来た子でした。多頭崩壊はみんな家に閉じ込められているので、遠い親戚だったりして障害を持ちがちで、寿命も短くなります。しかし、メスの去勢は開腹するため料金が高く、「1回ぐらいまぁいっか」と子供を増やした結果、多頭崩壊に繋がることが多いと聞きました。増え過ぎた結果、食べ物がなくなって、生まれたての子が食べられてしまうという悲惨な状況を招くこともあるそうです。吉はとても手先が器用ですが、そういう状況下を生き延びるための術だったのかな?なんて思ったりもしました。
信じられないような悲しい話も。人間が取るべき責任について
その一方、猫は環境によっては害獣にもなるので、どんな状況下でも絶対に保護すべきだ!とは一概には言えないと思っています。かつて、ウサギを守るために3000匹の猫が駆除されたことがありました。そのニュースを見た時に思ったのは、それだけの数の猫を野良にしたのは人間に責任があるから、人間が責任を取らないといけないよなということでした。去勢も必要だし、増やし過ぎることもいけないなって。
こういったことは、ミルクボランティアの活動を通して、改めて知りました。思っていた以上に悲しい話がたくさんあって、我が家と同じように猫を飼っている人でも信じられないような行動をしたりするんです。例えば、自分の家で生まれた赤ちゃん猫に、ひどいことをしたり…。日本ではペットショップの猫を飼うことがまだ普通で、お金を出せば簡単に買える分、簡単に捨てる人も多く、血統書付きの保護猫が多いとも聞きました。世界的に見るとペットショップがある事自体が珍しくなってきているので、日本もそうなったらいいのになと思います。
実際にお世話を経験してみて、飼うことを断念する人も
命のお世話をするということは、楽しいだけではないですからね。私はうちの猫を見て、「かわいい〜。飼いたい!」という友達がいたら、うちに1、2泊してもらって、全てのお世話を経験してもらっています。トイレ、餌やり、しつけ、掃除…、ひと通りやってもらって、「飼えそう?」と聞くと結構断念する人が多いです。「一人暮らしだと難しそうだ」って。でも、一番飼いやすい動物だとは思うんですけどね、猫って。人間側が1人の時間を作りやすいですし、「今、無理!」っていうタイミングの時は察して寄ってこないですし。
ミルクボランティアはとても貴重な経験でしたし、今後も続けていきたいですが、人間の生活を犠牲にしてまでやることではないと思うので。猫ファーストとはいえど、家族の生活が厳しくなっては家猫も幸せではなくなってしまいますしね。ですので、家族の生活が整った時にまたお迎えしたいなと思っています。
今回の連載は私と猫のお話しを聞いていただきました。ありがとうございました。まだまだ猫話はありますので、またいつの日か。しーゆーあげいん☆★☆
【小田さくらさんプロフィール】
1999年3月12日生まれ、神奈川県出身。モーニング娘。’22のメンバー(11期)。ニックネームはさくら、おださく。ラジオ日本「モーニング娘。’22のモーニング女学院~放課後ミーティング~」に出演。特技はフラダンス、鼻歌。趣味はエモーショナル童謡。好きな音楽ジャンルはテクノポップ、VOCALOID。好きなスポーツはフィギュアスケート(見る専門)。座右の銘は「続ける」。
取材・文=及川静/撮影=中村和孝/漫画=オキエイコ
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