コーヒーで旅する日本/東海編|男が、ひとりでふらりと入れるコーヒー店を作りたい。「Manabu-Coffee」
東海ウォーカー
深煎りに耐える豆の品質が必要

深煎りのラインナップが多い「Manabu-Coffee」。生豆には、深煎りに耐えるクオリティが求められる。「スペシャルティコーヒーを仕入れるのは当たり前。深煎りにこそある程度のクオリティが担保されていないと、上手く焼ききれません」と福田さんは話す。

生豆のハンドピックは店内で行うことが多い。形が欠けていないか、変色していないか、入念にチェックしていく。カビっぽいもの、黒いシミがあるもの、白っぽく変色しているものなどは、弾いていく。

「焙煎はルーティンなので、気を抜かないことが大事ですね。あとは、焙煎室の室温や生豆の温度といったコンディションを整えるのが一番大事です。これを怠ると、焼き始めてから温度が上がらなかったり、焼きすぎてしまったりする。この温度になったら豆を入れて、この温度になったら火力を下げる、など、おおよそのデータは取っていますが、想定と違い温度が上がってこない時はどうするのか、など、その時々での対応は必須です」

焼きあがった豆は店内へ。この後、ブレンド作業をしていることもある。ザルを2つ使って何度も入れ替える時の豆の音、辺りに充満する焙煎香。そして、表情は真剣そのものだが、どことなくワクワクとした雰囲気を漂わせている福田さんがそこにいた。
思った以上にやることが多い。でも楽しい

「『ペギー珈琲店』で働き始めた2000年代には、当時の私くらい(30代半ば)の男性がひとりで行けるコーヒー店は少なかったように思います。かわいいカフェばかりでしたね。だから、私がひとりで行きたくなるような店にしたかったんです」

焙煎をしながら、カフェとしてもしっかりと営業する。これは「豆を販売するばかりではなく、コーヒーを淹れることが好き」という福田さんのやりたいことを追求した結果だ。「店を始める前から、やりたいことは明確でした。ひとりで営業しながらコーヒーを淹れる、焙煎もする、となると、思った以上にやることがあって大変です(笑)。でも、できる範囲で『好き』を詰め込んだ場所ですから。暇なときはここで本を読んだり、好きなレコードをかけたり、のんびり過ごしていますよ」

「男がひとりで入れる場所」「男の好きなものを詰め込んだ場所」と話す福田さんだが、女性にとっても心惹かれるポイントがあちこちに見られる。たとえばナチュラルテイストの明るい店内、コーヒーと相性抜群のスイーツ、そして、好きなものに囲まれていつも笑顔の福田さん! 幸せな気分のおすそ分けをしてもらえたような、晴れやかな気持ちになれるコーヒー店だ。
福田さんレコメンドのコーヒーショップは「喫茶クロカワ」
「好きなコーヒー店と言われて、真っ先に思い浮かんだのが『喫茶クロカワ』です。当店と同じ鶴舞エリアの店ですし、私が出勤する時の通り道にあるのでお店に伺ったことがあります。苦いだけじゃない、そのコーヒーにとって最適な味を汲み取っている感じがすばらしい。すごく好きな味です。ある時『ペギー珈琲店にいましたよね?』と話しかけられて、話してみると共通の知り合いもいて、仲良くなりました。夏は自家製シロップのかき氷を出していて、コーヒー好きのみならずカフェ好き、かき氷好きにも知られた大人気店です」(福田さん)
【Manabu-Coffeeのコーヒーデータ】
●焙煎機/フジローヤル直火式5キロ
●抽出/ハンドドリップ(ネル)
●焙煎度合い/浅煎り~深煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/100グラム700円~
取材・文=大川真由美
撮影=古川寛二
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