夏にオススメ！　十勝の奥に残る鉄道スポットめぐりの旅

北海道には人口の減少などで廃線になった鉄道の路線を、観光名所として活用しているスポットがあちこちにある。かつて池田と北見を結ぶ池北線から転じた第三セクター「北海道ちほく高原鉄道」による「ふるさと銀河線」(2006年廃線)が走っていた十勝東北部も、そんなスポットがたくさん存在するエリアだ。しかも、全国でも珍しい、実際に気動車を自らの手で走行できるという運転体験スポットまで。

また、元々駅があった場所だけに町のメインスポットとして、周辺ではイベントも多く行われる。そこで鉄道にまつわるスポットと共に、周辺の夏のイベントをあわせてご紹介する。

旧陸別駅

今年で開業10年目を迎えた観光施設「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」として、車両が動態保存されている人気スポット。7月22日(土)、23日(日)には、毎年恒例の「ふるさと銀河線りくべつ鉄道まつり」が開催される。22日に行われる花火大会を特等席から観覧できる特別列車「花火列車」（要予約）の運行の他、普段では運行していない、約3.1キロ先の旧石井踏切まで乗車ができる特別列車、そして現存する道内最古の転車台を使ったアトラクションなど、鉄道ならではのイベントが用意されている。その他にもお笑い芸人によるステージショーや、大抽選会や縁日など、お楽しみイベントが盛りだくさんだ。

「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」では最大1.6kmを走行できる運転体験（要予約）や、乗車体験などのメニューも。実際に過去走っていた気動車を自分の手で運転できる鉄道のテーマパークとして、鉄道ファンが道外からもかけつけるほどの人気施設になっている。

また、「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」のある道の駅「オーロラタウン93りくべつ」から、車で5分のところにあるモータースポーツランド北海道陸別サーキットでは、8月6日(日)に陸別町最大のオフロードイベント「道新オフロードレースin陸別全日本選手権大会」も開催される。

ふるさと銀河線りくべつ鉄道(オーロラタウン93りくべつ)　■住所：足寄郡陸別町字陸別原野基線69-1　■TEL：0156・27・2244(9時～18時半)　■営業期間：4月下旬～10月下旬　※2017年度の営業は10月29日(日)まで　※運行日や運転体験の実施日は要確認

旧本別駅

現在は「道の駅ステラ★ほんべつ」として観光客だけでなく地元の人たちも集まるスポットになっているが、その敷地内に駅の跨線橋と、線路の一部が当時のまま保存されている。跨線橋は入って登ることも可能。中は展示スペースになっており、当時の面影に思いをはせることができる。

また、7月22日(土)には「道の駅ステラ★ほんべつ」の近くにある銀河通り商店街を歩行者天国にして開催される恒例の「スターフェスティバル」が行われるほか、7月29日(土)には「第32回チャリティー樽生ビアー彩」、8月20日(日)には「道の駅ステラ★ほんべつ」から車で5分のところにある義経の里本別公園で「ほんべつ肉まつり」が開かれるなど、夏のイベントも充実している。

旧本別駅(道の駅ステラ★ほんべつ)　■住所：中川郡本別町北3丁目1番地1（国道242号沿い）■TEL：0156・22・5819　

旧足寄駅

駅として利用していた建物をリニューアルした「道の駅 あしょろ銀河ホール21」の内部に、かつての線路やホームの一部を保存している。気動車の前面パネルが、鉄道が走っていた当時の雰囲気を今に伝えている。実際に使われていた時刻表などが保存されている歴史展示コーナーも必見だ。

また、「道の駅 あしょろ銀河ホール21」の北側にある交通広場の中央に、木造時代の旧足寄駅舎を復元した多目的観光施設があり、バス待合室や足型採取事業の拠点「足型工房」として活用されている。

8月15日(火)に開催される「第38回足寄ふるさと盆踊り・両国花火大会」の打ち上げ会場となる利別川両国橋河川敷は、「道の駅 あしょろ銀河ホール21」から徒歩10分。去年は1万発以上の花火が打ち上がるなど道内でも屈指の打ち上げ数を誇る大会で、今年も多くの人が集まりそうだ。

旧足寄駅(あしょろ銀河ホール21)　■住所：足寄郡足寄町北1条1丁目（国道241号・国道242号沿い）　■TEL：0156・25・6131

鉄道が廃止されても今もなお、人々の集まる場として活用されている十勝東北部エリアの駅の数々。もちろん道の駅として物産品の購入や、地元の観光情報を手に入れることも可能。鉄道の面影をたどるだけでなく、観光の起点としても活用してはいかがだろうか。

【北海道ウォーカー編集部/PR】