コーヒーで旅する日本/東海編|50年後も変わらず、おいしいコーヒーを届けたい。「coffee uno」
東京ウォーカー(全国版)
味のバランスがよく、フレーバーも表現できる

「coffee uno」にはエスプレッソメニューはなく、ハンドドリップがメイン。深煎りはネルドリップ、浅煎りと中煎りはハリオV60で抽出している。グラインダーにもこだわり、「コーヒーの甘さや風味が出やすい」と、ディッティング社のラボスイートを採用した。

「深煎りに関してはちょっとトロッとした感じの質感を狙っているので、マルタのネルフィルターを使っています」と聞き、マンデリンの深煎りを淹れてもらった。醍醐味であるコクと苦味を感じながらも、飲み口は非常に優しい。自然と「あぁ、おいしい」と呟いてしまう、ホッとさせる味わいだった。

一方、「浅煎りや中煎りではなるべくクリアな味わいを意識しているので、バランスよく仕上がるハリオV60を使います」と樋口さん。豆のラインナップを見ても柑橘系、パッション系、すっきり系などフレーバーに特徴が出せるものが多いので、お湯の抜けがよくクリアな抽出が得意なハリオV60はぴったりだ。
スペシャルティコーヒーを身近に楽しんでほしい

「coffee uno」のコーヒーラインナップはシングルオリジンのみだが、2022年にオープンした2号店「tsukuroi」ではブレンドのみにしている。これには、1号店と2号店でしっかりとコンセプトを分けることで、スペシャルティコーヒーをより幅広い層に知ってほしいという狙いがあった。

「1号店では豆の生産者や焙煎にフォーカスしましたが、バリスタやパティシエにフォーカスしようと始めたのが2号店です。メニューラインナップも大きく異なり、『coffee uno』ではフードはトーストやちょっとした自家製スイーツのみ。『tsukuroi』は厨房設備がしっかりしているのでスイーツに力を入れており、カフェラテなどのエスプレッソメニューも加えました」
「さまざまな切り口からスペシャルティコーヒーを広めていきたい」と意欲的な樋口さんに、今後の展開について尋ねた。
「今は、『50年後も変わらずおいしいコーヒーを飲めるようにしていきたい』というのが一番大きな想いですね。スペシャルティコーヒーの定義としてはスコアなど味への基準がもちろんあるんですが、自分の中では生産者の顔が見えること、持続可能な生産環境を支援していくこと、という点を大事に思っています。農家さんが継続的にコーヒーを生産できれば、うちも継続的においしいコーヒーを届けることができます。こういった点もしっかり意識しながら、豆を仕入れていきたいです。アフリカや中米など現地視察もぜひ行きたいですね!」
樋口さんレコメンドのコーヒーショップは「エジソン休憩所」
「おすすめしたいコーヒー店はたくさんありますが、今回はコアなファンが多い三重県亀山市の『エジソン休憩所』をご紹介します。倉庫をDIYで改装した空間は温かみがあり、素敵な雰囲気。店主の日向野さんの人柄もおもしろくて大好きです。以前は日向野さんの先輩の豆を使っていたそうですが、ここ1、2年で自家焙煎に切り替わりました。スイーツやパンもおいしいですよ!」(樋口さん)
【coffee unoのコーヒーデータ】
●焙煎機/井上製作所半熱風式4キロ
●抽出/ハンドドリップ(ハリオV60、ネル)、水出し・ミルク出し(夏季限定)
●焙煎度合い/浅煎り~深煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/100グラム750円~
取材・文=大川真由美
撮影=古川寛二
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
※新型コロナウイルス感染対策の実施については個人・事業者の判断が基本となります。
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