小林亮太「役を理解できたのはファンのおかげ」オタク役を熱演するドラマ「アイドル失格」

東京ウォーカー(全国版)

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頭の中にずっと実々花という文字を浮かべていた

――一言で言うのは難しいかもしれないですが、ケイタを演じるうえで一番大切にしていたことはどんなことですか?

【小林亮太】実々花と出会ってからずっと、ケイタとして、頭の中に実々花という文字を浮かべているというか…。僕を応援してくださっている方も多分、勉強や仕事をしているときも、どこか頭の片隅にはずっと推しのことがあったりするんじゃないかなって。それくらい、頭の中を支配する存在が推しなんだろうと思います。

でも、現場にいるときは、極力フラットな自分自身でいるようにしました。この作品に入る直前、僕がすごく好きなお芝居をされる事務所の先輩の福山翔大くんに相談したんです。オタクの役作りとか、見ている人にオタクだとわかるアプローチってどうしたらいいんだろうって頭の中がぐるぐるしていて。そうしたら、彼が「普段の亮太でいけばいいじゃん」って言ってくれて、それがすごく腑に落ちたというか。

普段、僕は自分と近い部分を必ず探して役に挑むんですが、例えるなら自分という核があって、その周りを役作りで足していった膜が覆っているようなイメージですね。自分と離れている役であればあるほど膜が厚くなるけれど、今回はその膜を削って薄くしていった方がいいなと思ったんです。自分が日常で恥ずかしいとか嫌だったとか、悔しいってことをケイタだったら…と置き換えたりして演じました。個人的に恥ずかしい部分もあるし、大丈夫かなって思うこともありましたけど、監督がOKを出してくれたなら、と。

繊細な感情を演じなきゃいけないシーンが多かったので、どうしようって悩んだりもしました。俳優って孤独っていいますけど、改めてそれを感じて、でもこの孤独ってケイタが感じてるものと近いな、みたいな感じで自分自身とリンクさせていくことも多かったですね。

ドラマ「アイドル失格」でガチ恋オタクを演じている小林亮太


――役柄だけじゃなく芝居のアプローチとしても、今までとは違う姿が見られるドラマなんですね。

【小林亮太】そういう部分もおもしろがってもらえたり、「そういうことってあるよね、わかる」みたいに共感してもらえたりしたらうれしいなと思います。

笑ってやり過ごすのはラクだけど…

――以前に、“子役時代に周りの空気をよくするためにニコニコするのがクセになっていたけど、それをやめるようにした”というようなことを聞いていたので、本心を表に出せないケイタに共感するところもあったのかなと思ったのですが。

【小林亮太】笑ってやり過ごすのって、ある意味ラクですからね(笑)。もちろん初対面の人やチームでの関係値を築くとか、最低限のマナーとしてやらなきゃいけない部分はあると思うんです。だから、正直でいることがすべていいわけではないけど、そういうことを続けていると自分自身が精神的にしんどくなったり、考えこむことがあるなと思うので…。

――大人になって、そのあたりのバランスが自分なりに取れるようになってきた?

【小林亮太】人っていきなりは変われないけど、日々こうやって自分の思っていることをお話しさせてもらったりとかすると、ふと浮かぶ顔とかがあるわけじゃないですか。自分がどんなことを考えて、どう感じているかに向き合う時間の繰り返しで変わっていくのかなって。

去年でいうと、 ハンバーガーの連載 が終わったあとくらいから、1日1ページぐらい日記をつけ始めたんですよ。あのときにこう言ってもらったとか、逆にあの人のあの行動が嫌だったってことを書き留めておくことが、生きていくうえでふと思い出せる瞬間に繋がるかなと思って。あとで見返すと、役に引っ張られていたのか、ケイタのテンションで日記を書いてる日もありました(笑)。仕事のことだけじゃなくて、現場がない時期とかも日常で感じたことをちょこちょこ書き留めていたんですよ。最近で言えば、それも自分の変化につながっているかもしれないです。


――日記を書こうと思ったのは、何かきっかけがあるんですか?

【小林亮太】お世話になっている方が誰かに勧めているのを聞いて、「僕も書きます」って言ったんです。3日坊主にならず、ちゃんと半年ぐらい書けていますね。忘れっぽいので、日々書き留めておかないとエピソードとか忘れちゃうんですよ。それを携帯に残すんじゃなくて、あえて自分の手で書く方がいいなと。それに、頭の中が整理されるから、後悔とか反省を翌日に引っ張らなくなったかも。今までも反省はしていたけど、落ち込むんじゃなくて、じゃあどうしたらいいのかっていうのをより具体的に考えられるようになったかもしれません。

――では最後に、作品にちなんで最近の推しについて教えてください。

【小林亮太】ダンス動画を見るのにハマる時期があるんですが、今、その周期がきています。最近特に好きなのがTHE D SoraKiくんというダンサー。グローバルダンスバトルイベント「Red Bull Dance Your Style」の第2回大会で優勝した方で、体から音を鳴らしてるみたいな表現がすごい。体からあふれ出るパッションみたいなものがうらやましいところもあって、すごくエネルギーをもらっています。ぜひ皆さんにも観ていただきたいです。


撮影=八木英里奈
取材・文=大谷和美

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