福士蒼汰が「世界基準のリアリティなんだと感じた」俳優とは?最新作は身も心もさらけ出す覚悟を要求される難役
東京ウォーカー(全国版)

また監督に挑戦できるとしたら「観る人の心を動かすようなヒューマンドラマを撮りたい」
――福士さんは2023年に配信された海外のテレビシリーズ「THE HEAD Season2」に出演されましたが、海外作品の現場はいかがでしたか。
【福士蒼汰】スペイン制作のドラマなので、撮影場所はスペイン、スタッフさんもほとんどがスペイン人。初めての海外作品ということもあり緊張していたのですが、ある日突然スタジオ内に音楽が流れ始めて、その瞬間にみんな踊り始めたんです(笑)。日本ではないことですし、スペインのお国柄が現れているようで、驚いたけど楽しかったです。僕だけではなく、スペイン以外の国から来られていた俳優さんみんな驚いていました。
現地スタッフの方々は「私たちはシエスタ(※日照時間の長いスペインで生まれた習慣で長いお昼休憩のこと)がないし、厳しい環境で仕事をしているんだよ」と仰っていましたが、数時間に1回はサンドウィッチブレイクがありましたし、ダンスタイムのあとも20分ほど休憩してから撮影を再開していたので(笑)、そういうラフな感じもとてもすてきだなと思いました。
――英語でのコミュニケーションはいかがでしたか?
【福士蒼汰】今回、スペイン人のスタッフさんは英語が話せる人と話せない人が半々でしたし、英語力も人によって全然違いました。僕もなんとかついていこうとしていたのですが、やはり最初の1カ月は、みんなで食事に行ってもなかなかコミュニケーションが取れなかったです。クランクインから1カ月ほど経って慣れたころには、積極的に話しかけるようになっていました。

――今年はアクターズ・ショート・フィルム4で短編「イツキトミワ」を監督されましたが、福士さんにとってどのような経験になりましたか。
【福士蒼汰】アクターズ・ショート・フィルム4には僕以外に千葉雄大さん、仲里依紗さん、森崎ウィンさんが参加されているのですが、皆さん演出が難しかったと仰っていて、僕自身は演出が1番楽しかったです。監督として俳優にどう演じてほしいかを話すときに、言葉もそうだし、その場の雰囲気や場所や時間によっても伝わり方が変わるので、タイミングを見計らって演出しなければいけないことが多々ありました。
でも、それは自分が俳優として現場にいるときも常に考えていることですし、全体を把握しながら進めていくやり方は僕の性に合っているんです。俯瞰で物事を見ながら物作りをすることが好きなんだなと、そんなことを実感した現場でした。

――監督を経験したことで、俳優として現場に行ったときの意識に変化はありましたか?
【福士蒼汰】監督やカメラマンさんのことを考えると、リハーサルと同じように決められた位置でお芝居する方が撮りやすいと思うのですが、あまりに決められたとおりにしてしまうと、結果的に“作品の世界の中で生きていない人”になってしまうのです。だからなるべく素直に感じたままお芝居をしたいと思う気持ちもあるので、難しいと感じる部分ではあります。
――また監督として映画を撮りたい気持ちはありますか?
【福士蒼汰】撮りたいです。今回は自分で脚本を書いたこともあって、より作品への愛情が大きくなったように思います。チャンスがあればまた自分で書いた脚本の映画を撮れたらうれしいです。アクション大作のような派手な作品もやってみたいのですが、観る人の心を動かすようなヒューマンドラマも撮りたいです。

取材・文=奥村百恵
(C) 2024 映画「湖の女たち」製作委員会
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