新垣結衣「自分のひと言が相手の人生を変えてしまうかもしれない」最新作で不安になった“お手本”としての演技
東京ウォーカー(全国版)

最近の10代の子たちは「“自分を持っているな”と感じることが多い」
――漫画「違国日記」には、女性の連帯や基本的人権に関する話などを登場人物のセリフにさりげなく盛り込んで描く場面があります。個人的にはヤマシタトモコさんのそういった作品作りの姿勢がとても好きなのですが、新垣さんが本作や原作のセリフで感化された部分があれば教えていただけますか。
【新垣結衣】今ぱっと思い浮かんだのは、6巻で槙生ちゃんが学生時代の友人の醍醐、コトコ、もつと新年会をしているシーン。コトコが「ワタシレンアイしません。最近決定した。ていうかわかった」と言ったら、ほかの3人が「わかっちゃった?」とか「私も何かわかりたい」って返して、コトコが「お先でーす」って言うんです。コトコの宣言を誰も否定しないし過剰に驚くこともなく、その会話がごく自然に流れていく。
それをさりげなく描いているこのシーンが印象に残っています。大人になっても一緒にいて居心地がいいのは、きっとこういう会話ができるからなんじゃないかなと。感化されたというとちょっと違うかもしれませんが、すごく好きなシーンです。
――朝ちゃんと同じ15歳のころの自分に会って話ができるとしたら、どんな言葉をかけてあげたいですか?
【新垣結衣】「もっとこうした方がいいよ」みたいなアドバイスははせずに、「この先すごく不安になることがあるかもしれないけど、無事に生きているから大丈夫!」って言うかも(笑)。自分が思うようにやっていってねって。
――槙生に同じ質問をしたら、新垣さんと同じような言葉が返ってくるかもしれませんね。あまり余計なことを言わないのではないかと。
【新垣結衣】そうかもしれませんね。「15歳はすごく柔らかな年ごろ」だと原作にも映画のセリフにもありますけど、自分のひと言で相手の人生を変えてしまうかもしれない。憩ちゃんは現場で私のことを観察して、すごく参考にしてくれているのが伝わってきたんですけど、自分がお手本になっていいのかと不安で…。
なので、憩ちゃんから相談ごとをされたときは、「あくまでも私はね」っていう話をして、「こうした方がいいよ」といったことは言わないように心がけていたんです。どんなにコミュニケーションを取っていても、先ほどのセリフの通りで、相手が多感な年ごろの場合は慎重に言葉を選ばないといけないなと思いました。

――早瀬さんとご一緒したことで、何か発見できたことがあれば教えていただけますか。
【新垣結衣】最近は10代の子たちと一緒にお仕事する機会がすごく増えていて、憩ちゃんに限らず、みなさん“自分を持っているな”と感じることが多いです。SNSが当たり前の世の中だからこそ、“自分”というものを持たなくちゃと考えることも多いのかなと想像します。SNSに疲弊したり一喜一憂したり、振り回されるからこそみんな足掻いているのかもしれませんね。憩ちゃんには「そのままで大丈夫だよ」と伝えたような気がします。
――また早瀬さんと共演していただきたいです。
【新垣結衣】これからも憩ちゃんを見守りつつ、またどこかでご一緒できたらいいなと思っています。


取材・文=奥村百恵
◆スタイリスト:小松嘉章(nomadica)
◆ヘアメイク:藤尾明日香(kichi)
(C) 2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」
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