水原希子「失ったと思っていたものが実は違った」滝行で蘇った、距離を感じていた母との記憶
東京ウォーカー(全国版)

水原希子が語るレオス・カラックス監督との思い出
――話は変わりますが、個人的に大好きなのがレオス・カラックス監督の作品で、水原さんは彼が撮った「アネット」に出演してらっしゃいます。どのような経緯で出演に至ったのでしょうか。
【水原希子】「アネット」は、「日本人女性の俳優を探している」とレオス監督から相談された坂本龍一さんが私のことを推薦してくださったことが出演のきっかけでした。ただ、レオス監督は「歌が歌える子がいい」と仰ったそうなのですが、私はお芝居で歌ったことがなかったので、声をかけていただいて光栄だなと思う反面、不安な気持ちを抱えたままオーディションに挑みました。
――どのようなオーディションだったのでしょうか。
【水原希子】歌っているところの映像を撮って送るというビデオオーディションを受けて、監督からOKが出て出演が決まりました。その後ベルギーのブリュッセルまで行き、大きなスタジオで共演者の5人の俳優さんと一緒に3日間歌の練習をさせていただいたんです。出演時間の短い役なのにすごく贅沢だなと思ったのを覚えています。

――貴重なお話をありがとうございます!撮影はいかがでしたか。
【水原希子】カメラが回っている時のレオス監督は、歌っている私のすぐそばで演出されていたので驚きました。常に俳優に近い場所にいらっしゃるので、カメラマンさんはレオス監督が映り込まないように撮っていたのですが、私にとってそういう現場は初めてだったので新鮮でした。
それ以来、“こうしなきゃいけない”という固定観念がなくなって、自由に演じられるようになったのは大きかったです。そういう意味では「ノルウェイの森」のトラン・アン・ユン監督の現場も自由というか、すごく独特な空気だったのを覚えています。
――「ノルウェイの森」は水原さんの俳優デビュー作ですね。どのような現場だったのでしょうか。
【水原希子】監督が「画面の背景に映る場所に置きたいコップがないから今日は撮影は終わり!」みたいな感じでその日の撮影が終わってしまって、“え!大丈夫なの?”と驚いたことがあります。ただ、当時は右も左もわからない新人だったからあまり気にならなかったのですが、スタッフさんは相当焦っていたのではないかなと(笑)。
あと、トラン監督は撮影前に好きな映画のお話をしてくださることもありましたし、本読みという名の交流会を行ったりもしていました。同じように、レオス監督の現場も超カジュアルでおもしろかったですよ。

――ピリピリした空気は一切なく?
【水原希子】なかったです。「アネット」の現場にマリオン・コティヤールさんがお子さんを連れてきていたのですが、お子さんがその辺を走り回っていても誰も気にしていなかったです(笑)。
今回の甲斐さんの現場もそういう感じでアットホームな空気が流れていて、カットがかかると監督がこちらに走ってきてハグしてくれるなんてこともありました。現場で監督がそういう空気を作ってくださると私も自由に演じられるので、すごく助かりました。
――今後ご一緒してみたい監督や演じてみたい役はありますか。
【水原希子】関西弁の役に挑戦してみたいです。ご一緒してみたいのは「WE ARE LITTLE ZOMBIES」の長久允監督。以前、監督が手がけた「FM999 999WOMEN'S SONGS」というドラマにゲスト出演したことがあるのですが、いつかまた監督とがっつりご一緒できたらいいなと。あと、海外の作品の現場をもっと経験したいので、オーディションを受けてどんどんチャレンジしてみたいです。


取材・文=奥村百恵
◆ヘアメイク:池田奈穂
(C) 2024「徒花-ADABANA-」製作委員会
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