意外な食材で楽しむ出汁のハーモニー/むぎが氏とワンルーム酒場(6)一人暮らしの独身女が作る自己愛おでん
東京ウォーカー(全国版)
おでんは材料を煮込むだけだから余裕だ。まずは大根を輪切りにしてさらに半分に切り、DAISOで買った野菜蒸し器の容器に入れ、4分ほどレンチンする。こうする事で、大根を時短で柔らかくする魂胆だ。そうしている間にお湯を沸かし、卵を入れゆで卵を作る。……なんとスムーズで計算し尽くされた無駄なく美しい工程!四角い厚揚げはお洒落に斜めに切り、シャウエッセンは何もしない。ただ入れるだけで良いのだ。手がかからない子です。
次におでんの出汁を作る。1人暮らし用の鍋に水を入れ、醤油・みりん・ほんだしを入れ弱火にかける。みりんと間違えて料理酒を入れてしまったが……うん。逆に旨味がでるだろう(適当)。
レンチンした大根を取り出し、次に冷凍たこ焼きを表記通りの時間で温める。大根に箸をぶっ刺してみると、良い感じの柔らかさになっている。卵は9分〜10分くらい茹でて、殻をむいていく。いつもゆで卵を作るときは、固め半熟が好きなので7分前後で茹でている。7分前後だと白身が柔らかく、繊細に慎重にむかなければいけないのだが、10分くらい茹でると白身も図太くなり何の気も持たずに雑につるっと剥けるのがうれしい。
諸々の準備が完了したので、あとは鍋に具材を入れるだけ。本物のおでんマスターなら、おでんを入れる順番・時間を考えると思うが、お腹が空いて今すぐにでも食べたいから、一気に全ての具材を入れる。大根・ゆで卵・厚揚げ・ウインナー。弱火でぐつぐつ。
レンチンしていたたこ焼きがあったことを思い出し、取り出す(たこ焼き忘れられがち)。鍋に4つほどたこ焼きを入れ、お腹が空いたので2個くらいはそのまま食べよう。ビールを飲み、たこ焼きを食べながらおでんが出来上がるのを待機。
本物のおでんマスターなら45分くらいぐつぐつ煮込むと思うが、晩酌に飢えた女は45分も待てません。煮込む時間は測らない。このビールを飲み終えたその瞬間。そのとき、おでんが完成する。逆を言えば、このビールを飲み終えない限りおでんは完成しないのだ(そうですか)。
最後のビールをゴクッと飲み、鍋の蓋を開ける。湯気がぐわっと立ちのぼり、おでんの懐かしげな香りが漂う。さぁ、晩酌の始まりだ。おでんに合うお酒を用意しよう。
私は晩酌にハイボールを選ぶのが多めだが、おでんは焼酎や日本酒といった和の酒で迎えたい。焼酎や日本酒のラインナップは片手で数えられる程度でその中に獺祭焼酎があったのを思い出した。
獺祭は山口県で作られる日本酒です。獺祭焼酎は、その日本酒を絞った後に出る「酒粕」を蒸留して作られるとのこと。度数は39%と焼酎の中では高め。
食器棚の奥に眠っていたロックグラスを取り出し、スーパーで買った氷を入れ、獺祭焼酎を注ぐ。優しく混ぜると、優雅で甘く華やかな香りが漂ってくる。かなり香り高い。獺祭焼酎ロックの完成だ。それでは今夜のお酒、いただきます。

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