意外な食材で楽しむ出汁のハーモニー/むぎが氏とワンルーム酒場(6)一人暮らしの独身女が作る自己愛おでん
東京ウォーカー(全国版)
獺祭焼酎ロックをチビっと飲む。……美味しい!日本酒の甘さも残り、香り高く力強い。口にフルーティな余韻も残り、とても飲みやすい。焼酎ということを忘れてしまいそうな味わい。
私は日本酒は好きなのだが、飲んでいくうちにプツンと記憶がなくなるので日本酒を飲む頻度は年に1回あるかないかくらい。だけどこの子は焼酎(蒸留酒)ということもあり、日本酒の味わいも残しつつ飲みやすい(飲みすぎると流石にダメだけど)。
さぁ熱々のおでんを食べていこうではないか。お取り皿にバランスよく具材を盛り付け、まずは大根からいただこう。ふーふー、と気休め程度に冷まし、大根を口に運ぶ。……あっつい!!!口の中が一気にヒート状態になり、少しづつゆっくり大根を噛むと出汁が溢れてきてほっくほくで美味しい!
すかさず獺祭焼酎をちびっと飲む。はい、優勝。おでんの出汁と獺祭焼酎の柔らかい味わいがなんともベストマッチ!熱くなった口の中を冷たい獺祭焼酎で冷やす。このバランスのいい組み合わせ、口にしているだけでなんだかホッとする。
冬の屋台で嗜むおでんと日本酒は子どもの頃からの夢だった。今日はその夢に一歩近づいた気がした。煮込む時間が適当(短め)だったので、十分に味が染みている感じではなかったが、まだ染まり切らない自我のある具材たちに可愛さすらも感じる。
次に変わり種のたこ焼きを食べてみる。箸で持ち上げると、たこ焼きの生地がほろほろと崩れていくが、丁寧に箸で持ち上げ、口へ運ぶ。とろっとろで美味しい!!!おでんの出汁とたこ焼きの味が合う。これは、今後のおでんにぜひ率先して入れたくなる味わい。一気におでんランキングの上位に君臨しました。ただ、煮込みすぎて生地が崩れていくところが失敗だったかもしれない。今度はレンチンしないで、冷凍のまま鍋に入れてみることにする。そうすれば、理想のおでんたこ焼きができそう。
子どもの頃は、冬の時期におでんが出てきては「おでんはご飯のお供にならないよ!」と出してくれた親に対して一丁前なことを思ってあまり好きになれなかったけど、今はお酒のお供として良い関係を築けている。
厚揚げは、とりわけ大好きでもないがおでんのときは必ず食べてる気がする。大根と厚揚げは幼馴染のような存在(知らんけど)。豆腐が柔らかくなり、ふわふわでボリュームもあり、美味しい。ゆで卵もそこまで味が染みていないが、白身が固く黄身がほくほく。まさに「おでんのゆで卵」といった風格で、冬の味わいだ。それに、シャウエッセンは安定のパリパリ感。だけど、いつもよりクールでさっぱりとした味わい。唯一の肉で、入れるだけで一品として成立する手軽な食材だ。
いろんな具材を食べながら、ちびちびと飲む獺祭焼酎がおでんの味を引き立ててくれる。いや、おでんも獺祭焼酎を引き立てるからもはや、肉体と精神のような関係だ。
急ですが、今回のおでんをバンドに例えると、ギターボーカルの大根!!リードギターのシャウエッセン!!ベースの厚揚げ!!ドラムはゆで卵!!そして新メンバーのキーボード、たこ焼きぃぃ!!!……だいぶ厚みのあるおでんバンドが完成しました。
それでは皆様もお好きな具材で、おでんバンドをお作りくださいませ。

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