幕末ミステリーリサーチ File3 東京都内の龍馬を探せ! #02 龍馬フード食べ歩き

東京ウォーカー

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今年は明治維新からピッタリ150年。NHK大河『西郷どん』効果もあいまって、幕末維新のネタや報道、コンテンツに触れる機会がますます増えてるなあ、と感じる今日この頃。メディアを介した盛り上がりだけじゃなく、先日はこんなことも。

新宿のドンキホーテで買い物をしていたら、20代前半くらいの男女が「西郷って島津斉彬がさあ」と話しているのを見かけた。反射的に「西郷隆盛好きなんですか?」と声をかけてしまってチョロっと引かれたが、「好きです。彼女が鹿児島出身で~」と立ち話開始。二人は歴女でも幕末ファンでもなく、それ系の小説やアニメ、ゲームにもあまり触れたことはなかったが、彼女のふるさとってことで大河西郷どんを見始めて、いまハマっているそうだ。

「一般教養くらいの知識は入れとこうと思って」と西郷の小説や本を買い始めたという彼が、「すぐウンチク言ってくるんですよ~」と笑う彼女を見て、この二人には幸せになってほしいと思った。別れ際「NHKかなんかの方ですか?」と聞かれたので、「いえ、ボクらの維新通信社2018です。よかったらググってくださいね」と答えて買い物に戻った。

龍馬の食べ歩きというテーマで、品川の立会川というチョイスはなかなか渋い。


という話を同僚から聞かされるくらいに、身近な世間でも幕末維新は注目されているのだなあ。同僚いわく、断じて嘘松ではなく1ミリも盛ってないとのこと。盛ってたらツマランよ。

そんな二人のためにも、ますます幕末維新のおもしろを発信していきたい通信社が今回お贈りするのは、「東京都内の龍馬を探せ!」の第2回。

女子隊員の龍馬フード食べ歩き♪


「幕末の謎に体当たり!」を合言葉に、通信社に所属する俳優、声優、歴ドルたちが結成した幕末ミステリーリサーチ、通称BMR。幕末維新の大小あれこれの謎を調査して、動画でお届け中だ。今回のテーマは、気軽に回れる東京都内の坂本龍馬スポット。史跡に限らず、グルメやアミューズメント系も交えた龍馬スポットを、BMR隊員たちの自撮り動画でご紹介しましょう。

立会川駅の周辺には、龍馬の像にレプリカ砲台、土佐藩下屋敷跡など見どころぞろい。商店街にはちなみフードも多くて、東京の龍馬スポットとしておすすめ!


トップバッターは、BMRの最年少・初芝かやの隊員と新選組大好き・桜丘真衣隊員。「龍馬のちなみフード食べ歩き♪」をテーマに彼女たちが向かったのは、東京品川の京急線立会川駅の周辺。ここに幕末当時、ペリー来航ショックを受けた徳川幕府の命で、土佐藩が築いた浜川砲台があり、江戸遊学中の若き日の龍馬が警備に詰めていたのだ。

地元の商店街では、「二十歳の坂本龍馬像」を建てたり浜川砲台のレプリカを造ったり、飲食店でも龍馬にちなんだフードメニューを作って熱心に盛り上げている。商店街は第一京浜(国道15号線)沿いの浜川中学校付近あった土佐藩下屋敷と、浜川砲台が築かれた抱屋敷の間にあり、まさにここを龍馬が歩いていたのだ。

京急線立会川駅から徒歩10秒のパン屋さん、カフェ・ロティ。隊員たちのオススメは左右で味が違う「龍馬の足跡パン」。


そんなゆかりの土地で初芝・桜丘コンビが真っ先に向かったのは、駅を出てすぐのパン屋さん、カフェ・ロティ。右足がカスタード、左足があんこのヒット商品の「龍馬の足跡パン」をいただきました。両足で和洋の味を楽しめるのは、ブーツやピストル、香水といった舶来品を好んだ龍馬が、「片足を西洋に突っ込んでいた」ことを表わしているのだろうか?

続いて彼女たちは近くの大村庵で砲台そばをいただく。お店の近所で、土佐藩が築いた浜川砲台の礎石が発掘されたことを記念して生まれたメニューだ。それにしても、パンからのそば。昨今の低糖質ブームに真っ向から反発するスタイルの上、甘いパンの後にそば。順序が逆じゃないか?

シュっとそびえ立つえびが大砲をイメージした大村庵の砲台そば。


大村庵を出た二人は、龍馬の名を冠した味のりのお店を覗きつつ、中華の鳳明軒に向かう。龍馬の好物だったといわれる軍鶏肉入りの龍馬ラーメンが有名で、遠方から食べに来るファンも多い。が、着いた時間帯は支度中。なんというリサーチ不足、痛恨のミス! しかし仮に営業中だったとして、パン→そば→ラーメンのトリプル主食を連続でいただくつもりだったというプランがなんか怖い。

この後、立会川沿いに浜川砲台跡に向かうも、かつてそこにあった礎石は現在、新浜川公園に造られたレプリカ砲の足元に移設されており、つまりここも空振り。近くなんだから公園のレプリカを撮ってくればいいのに、なぜか二人は先を急いでいる。立会川のメインスポットといえる「二十歳の坂本龍馬像」も写真で済ませてるし。ここの龍馬像は全国でも珍しい「わらじの龍馬」なのにー。

彼女たちが急いでいたワケ。それは「新宿で龍馬」に会うため、と思いきや、二人を待っていたのは近藤・土方・沖田。なぜに新選組? という疑問の答えは動画をご覧ください。

青山霊園で大久保利通の霊障!?


青山霊園に笑顔で入っていく晴野未子隊員。オカルト方面では“都内最恐スポット”とも言われるが、幕末ファンにとっての青山霊園は、たくさんの志士に「会える」場所だ。


ちなみフードを食べまくった声優二人の動画レポートと打って変わって、歴ドルとして活動する晴野未子隊員はマジメにおカタくまとめてきた。彼女がおすすめする龍馬スポットは青山霊園。え、そこに龍馬の墓あったっけ?

彼女のレポートテーマは、「龍馬ゆかりの人物」を紹介すること。なるほど。まずは大久保利通のお墓で、龍馬・中岡慎太郎も尽力した薩土盟約のお話を始めた。ところが! 撮ったパートを確認してみると、なぜかスローモーションの怖い映像が再生される!(動画参照)

未子隊員は、大久保さんが「もっとカッコよく紹介しろよ~」って怒ったんじゃないか、と解釈しているが。

かつての浜川砲台跡(隊長ロバート撮影)。この礎石が発掘されたことで、土佐藩の海防や龍馬の青春時代の研究が進んだ。現在は新浜川公園に移設されている。


続いて平井加尾、沢辺琢磨の墓を訪ねているあたりに、高知出身の未子隊員らしさがうかがえる。加尾さんは“龍馬の初恋の人”として有名だし、千葉さなのことを乙女姉やんに説明する手紙で、「平井よりちょっと美人」と比較されていたり、龍馬が脱藩を計画した際、加尾に準備を頼むなど深い仲だったことも知られている。でも沢辺は……。地元高知でもあまり知られていないから、この機会に紹介したかったのね。

平井加尾のお墓を掃除してスッキリ。


自撮りレポートはどのお墓でもけっこう長めに語られているので、泣く泣く割愛。いずれロングバージョンの再編集版をお届けしたいね。さて、彼女が最後に会いに行ったのは、青山霊園のど真ん中にして、未子隊員のど真ん中でもある後藤象二郎。

土佐人がこよなく愛す龍馬のことは彼女も好きだが、それ以上に好きなのが後藤。作戦会議でも普段の飲みでも、後藤の話題になると声のボリュームがはね上がってもう大変。龍馬ファンの目線から見ると、後藤は武市半平太を死罪に追い込んだ仇であり、と同時に船中八策をともに語り合った同志でもあり、大政奉還を土佐の藩論に押し上げた功労者でもあり、アレ、こう書いてたら後藤もちょっとおもしろくなってきた。

ともあれ、後藤に「教科書から“船中八策”の文字が消えるかもしれない」と伝えて嘆いたり、お酒を捧げて思いのたけをぶちまけたりして、未子隊員のレポートは終了。最後に、撮影者はこのためにわざわざ高知から呼んだお母さんだった、と聞かされてビックリのBMR一同だった。

次回予告! 都内の龍馬スポット探し 男子チーム編


女子隊員編のお次は、BMRの男子たちのレポート。ルールを無視して東京じゃないスポットにまで行ってしまったり、龍馬と肩を並べて写真を撮ったり、古参の龍馬ファンは案外まだ行っていないかもしれない一昨年にできたばかりのアレを見たり、おじさんの聖地でしこたま飲んだり! 次回も乞うご期待!

今週の『西郷どんナナメ斬りッ!』


NHK大河ドラマ『西郷どん』をいろんなアングルから楽しみ尽くすためのこのコーナー。今回は最多人数で、蒸気船のウンチクから幕府の法律、男の友情、ネイティブが考察する劇団ひとりの土佐弁などなど盛りだくさん。ニューカマーにして声優の土谷麻貴隊員も加わって、まさかのレトロゲーム視点でナナメ斬ってます!

動画の※印解説!


【※1 BMRとは】幕末の謎や疑問に体当たりで挑む、俳優や声優、歴ドルたちによる通信社内サークル。幕末の疑問や代わりに調査してほしい事柄は、通信社の公式ツイッターにご一報を。ボクらすぐ行きます。

【※2 浜川砲台】土佐藩が幕府の命で築いた砲台。品川の下屋敷から数百メートル離れた抱屋敷(幕府からの拝領ではなく、大名が自前で購入・借用した屋敷)に築かれた。若き日の坂本龍馬は、下屋敷で寝起きし、現在の立会川商店街のあたりを通って砲台に通ったという。

かつての浜川砲台跡(隊長ロバート撮影)。この礎石が発掘されたことで、土佐藩の海防や龍馬の青春時代の研究が進んだ。現在は新浜川公園に移設されている。


【※3 沢辺琢磨】

旧名、山本琢磨。洗礼名はパウェル。龍馬の従兄で年齢も1つ違い、同じく剣術好きで仲がよかったという。


天下の三大道場・鏡心明智流の桃井道場で師範代にまでのぼり詰めたが、ある晩酒に酔って拾った金時計を売りさばこうとした不法を咎められ、死罪になりかける。それを龍馬と武市半平太の機転で救われ、東北を経て箱館へ。剣の道場を開いて名声を得る中、宮司・沢辺家の婿養子になったり、ロシア領事館で剣を教えた縁から宮司の婿なのにロシア正教会に改宗して司祭に転身。東京神田のニコライ堂建設に尽力した、というなかなかドラマチックな人生を送った。

【※4 船中八策】慶応3年(1867)6月、長崎から近畿に向かう土佐藩船・夕顔丸の船中で、坂本龍馬が後藤象二郎に語った新国家の基本方針。これをフィクションとする見方があったが、龍馬直筆の新政府綱領八策とほぼ同内容であることが史実である確固たる物証。他に本人たちの手紙でも関係者の史料でも立証される。そりゃ本人たちは「船中八策」なんて呼んでないでしょ。

【※5 維新の嵐 幕末志士伝】1998年にコーエー(現コーエーテクモ)から発売された幕末SLG。最初のPC版以降、家庭用ゲーム機や携帯アプリなどに移植された。『維新の嵐』の続編。坂本龍馬か土方歳三、あるいはオリジナルのプレイヤーキャラになって、幕末世界を生きるゲーム。歴史上の人物たちと語り合い、斬り合い、倒幕or佐幕の未来に貢献してもよし、な~んにもせず全国を旅して歴史を眺めるもよし。NHK大河『徳川慶喜』の年に発売され、福山雅治の『龍馬伝』の年には龍馬編のみを抜き出した『維新の嵐 疾風龍馬伝』も発売された。今年の『西郷どん』で3を出してほしかった。っていうかコーエーテクモさん、『幕末無双』作ってよ。

写真はPS版。当通信社的には、幕末ゲームの最高傑作。特に最も自由度が高いPC版をオススメしたい


【ボクらの維新通信社2018/ロバート・ウォーターマン(KUROFUNE-United)】

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