創業115年!奥浅草の老舗喫茶で過ごすひとり時間

2018年5月26日 12:00更新

東京ウォーカー 東京ウォーカー編集部

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つくばエクスプレスの浅草駅から歩くこと10分。浅草寺北側に延びる千束通り商店街は、約1.2kmに160軒ほどの店が連なる。かつては遊郭・吉原へ通う道として賑わったそうだが、現在はのんびりとした時間が流れている。そんな商店街の一角にある老舗喫茶「デンキヤホール」を訪ねた。

書体がかわいらしい看板をはじめ、手書きのベンチやメニューのイラストの立て看板など、メルヘンな外観

書体がかわいらしい看板をはじめ、手書きのベンチやメニューのイラストの立て看板など、メルヘンな外観

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5世代にわたり食べ継がれてきた名物メニュー

創業は1903年。現在、店頭に立つのは3代目の息子夫婦とその娘さん。名物「元祖オムマキ」(650円)は、初代が屋台で見かけた焼きそばに着想を得て考案。当時は貴重品だった卵を使ったハイカラな一品だ。

楕円形をした銀色の皿にのって登場したオムマキは、非の打ちどころがない完璧な作品のよう。鮮やかな黄色がまぶしい玉子に、ケチャップの赤がまた映えること映えること。日本人の色彩感覚が明治時代から変わっていないことを証明してくれる。

【写真を見る】色、形ともに完璧なオムマキ。誕生当時はまだ外食が珍しく、卵とケチャップが一度に食べられる贅沢な一皿だったという

【写真を見る】色、形ともに完璧なオムマキ。誕生当時はまだ外食が珍しく、卵とケチャップが一度に食べられる贅沢な一皿だったという

焼きそばをくるむ玉子は、「1本たりとも中身のソバは見せないぞ!」という強い意志を感じる、昨今流行りの“ふわとろ”ではなく固めの薄焼きだ。、

しばしフォルムを眺めた後、いざ実食! はしで玉子をやぶると、いそいそと玉子をはがすと茶色い麺が顔をのぞかせた。なんとも懐かしい雰囲気を感じる、焼きそばだ。麺は深蒸しで、台東区内の製麺所から取り寄せているという。具は創業当時からあえて変えずにキャベツのみ。甘めのソースとまとったコシのある麺に、シャキシャキとしたキャベツの食感が小気味よい。

注文を受けてから調理。焼きそばの隠し味にケチャップをひとすくい加えるのがポイント

注文を受けてから調理。焼きそばの隠し味にケチャップをひとすくい加えるのがポイント

ソースの絡まり具合は深蒸しの太麺ならでは。ポップな見た目に反してボリューム満点

ソースの絡まり具合は深蒸しの太麺ならでは。ポップな見た目に反してボリューム満点

デンキヤホールでは元祖オムマキを頼むと、小さなお盆が一緒に運ばれてくる。載っているのは、浅草「やげん堀」と長野「八幡屋礒五郎」の七味、そして京都・祇園「原了郭」の一味と黒七味。焼きそばに唐がらしをかけるのは初体験だったため、一通り試してみる。

4種の唐がらしは、似て非なるもの。いずれも香りも味も異なり、七味の奥深さに驚かされる。なぜ今までかけなかったのだろう…。これまで焼きそばを普通にしか食べてこなかったことを悔やみながら、あっという間に皿を空けた。

焼きそばとの相性の良さに度肝を抜かれた七味4点セット。「焼きそば」(550円)には浅草と長野の七味2種がついてくる

焼きそばとの相性の良さに度肝を抜かれた七味4点セット。「焼きそば」(550円)には浅草と長野の七味2種がついてくる

七味をオムマキとセットで提供するスタイルは大正時代に始まり、黒七味は後年追加されたという。しかし、どれも老舗とあって決して安くはない。「採算は合わないけれど、これからも続けていきますよ」と3代目の妻・杉平淑江さんは明かしてくれた。【東京ウォーカー】

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