いよいよ本格的なシーズン開幕!フィギュアスケートの国内大会情報をご紹介!(シニア女子、中部ブロック編)

2018年10月26日 14:46更新

東海ウォーカー 中村康一(Image Works)

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いよいよ明日、山下真瑚がスケートカナダ本番を迎える。前日練習の様子も交えてご紹介したい。

今季、大ブレイクの予感!順調な仕上がりの山下真瑚

山下真瑚、中部ブロックでのショートプログラムの演技
中村 康一(Image Works)

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中部ブロックでは格の違いを見せつける圧勝を飾った山下真瑚。今年から中京高校に進学し、ますます充実した競技生活を送っている。「中京ジャージを着られることがうれしい」と語ってくれた。

中部ブロックに先立ち、ロンバルディア杯に出場した。シニアでこれほど大きな国際大会は初めての体験だった。

「トリプルアクセルを跳ぶ選手だったり、しっかりまとめてくる選手がいたり、自分だったらどうするのか、など考えさせられました」。

ショートプログラムの得点は66.57。高得点なのだが、「もっと出さなければ」との発言があった。ロンバルディア杯での戦いを経験し、考えさせられたことが多かったようだ。

「メリハリをつけたり、早い動きをすることが苦手なので、それをできるようになりたい」。

手の動きに工夫のある、意欲的な振付だが、やりにくさは感じていないという。とても気に入っているとのことだ。

迎えたフリースケーティング、素晴らしい演技だったのだが、ループジャンプを失敗したことについて、「まだ体力が足りない」と反省していた。とはいえ、総合201.10。彼女のベストスコアだ。

フリープログラム、“蝶々夫人”の振付について、とかく浅田真央のプログラムと比較されがちだが、「振付師も違いますし、人それぞれ表現があると思います」とさほどプレッシャーは感じていないようだ。

今季はルールが大幅に変わったが、「ルッツが得意なので、ルッツでしっかり加点を取れるようにしたい」と前向きに捉えている。この日の演技はスケーティングでのスピードが目立ったが、「特にスピードを出そうとはしていませんでした。いつも通りです」と淡々としたもの。途中、イナバウアーではスピードに乗り過ぎてフェンスにかなり接近してしまうほどだったのだが、「練習不足です」と謙虚な姿勢を崩さない。

今後のグランプリシリーズに向けては「スピンの取りこぼしなどを改善すればもっと点数が出るはず。海外でも通用するようになりたい」と前向きな姿勢を見せた。取材ではあまり強気な発言をせず、いつも控えめな印象なのだが、段々と自信がついてきたことがうかがえる。

先ほど終わった、スケートカナダの公式練習。山下真瑚は日本人3名の中で最も充実した練習を披露した。3ルッツ+3トウの安定感は特筆もの。スケーティングも滑っており、本人も「よく滑る、“浮く”ような氷で私に合っています」と手応えを口にした。フリースケーティングの後半でジャンプが乱れる場面もあったが、本番での修正を期待したい。日本女子3名の中で、最も表彰台に近い存在と言えよう。

名古屋が生んだ、もう1人のトリプルアクセルジャンパー!竹内すい

この日、トリプルアクセルの成功はならなかったが、2位に入賞した竹内すい中村 康一(Image Works)

以前よりトリプルアクセルに挑んでいた竹内すいだが、今年1月、インターハイでクリーンに成功させ、トリプルアクセルジャンパーの仲間入りを果たした。「伸び伸び滑ること」を練習から意識しているという。話を聞いても、「楽しくスケートをする」というコメントが多く、成績面での目標はほとんど口にしない。今季の目標は「全日本でフリーを滑ること」だという。ずいぶんと控えめな目標だ。実は彼女、まだ国際大会に出場したことがない。ジュニアでISUポイントを一切獲得しない状態でシニアに昇格したため、なかなか派遣が決まらないのだ。派遣を勝ち取るためには全日本で上位に入るしかないという厳しい状況だが、本人はいたって自然体。トリプルアクセルに加え、4回転サルコウにも挑戦中だが、これも成績を上げるためというよりは「私はローカル選手なので、何もかかってないし、ただチャレンジしたいという一心でやっています」ということだ。現在、「サルコウは両足で降りられたら凄い」という程度の仕上がりだという。それでも挑戦するのは、「やりたいから」。この一言だという。実は練習で4回転サルコウを回転不足気味で降りたのを見たことがあるのだが「あれだけ出来たらみんな拍手!という感じです」と、かなりレアな着氷だったらしい。「4サルコウ、トリプルアクセルは体への負担がかかるので、自分と相談して、先生とも相談してやっていきたい」と語る。

フリープログラムは木原万莉子の振付。「万莉子ちゃんの演技、世界が好きだったので振り付けてほしい」との思いから依頼したのだという。「全く真似するのではなく、木原万莉子の世界観を取り入れつつ、自分の表現も目指したい」と語る。

中部ブロックでは山下真瑚に次いで2位に入った。演技後の取材で今季の目標について「全日本のフリーで、トリプルアクセルを降りること」とようやく上方修正した。今は国際舞台で演技を観られないのが残念だが、いつかチャンスを掴み取ってほしいと思う。

素晴らしいサポートを得て現役続行。大庭雅

安藤美姫の振付による”ファイアーダンス”。衣装も含めて素晴らしいものに仕上がっている中村 康一(Image Works)

大学卒業後も現役続行を決断した大庭雅。アスリートの支援に熱心な東海東京証券に所属し、中京大学時代と変わらない練習環境で臨むことが可能となったのだ。しかし4月にジャンプの調子を落としてしまい、泣きながら練習していたという。

「特に怪我をしたなどはなく、毎日一生懸命練習していました。なのにどんどんできなくなっていったんです。新しい所属先が決まった矢先のスランプ、不安でした。プレッシャーもあり、入社してからすごく後悔しました。やはり3月で引退しておくべきだったかと悩んだこともあります。でも自分はやはりスケートが好きで、もう一度全日本の舞台に出場したい、という強い気持ちがある。今は後悔はありません。会社のために、という思いが空回りしていたところもありました。でも会社の皆さんが応援してくれることはとてもパワーになります」。

昨シーズンは全日本に出場できなかった。今年の最大の目標は全日本に出場すること。これが現役続行のモチベーションでもある。そのために作り上げた新作のショートプログラム、“ファイアーダンス”。振付は安藤美姫。コスチュームも安藤美姫の提案による、大胆なコスチュームだ。

昔、ファイアーダンスをやりたいと希望したことがあったそうだが「雅ちゃんにはまだ早い」と断られたそうだ。ようやく大人のフラメンコを演じられるようになった、と自負し、満を持してこの曲に取り組む。“ファイアーダンス”は、ビル・ウィーランのリバーダンスの中の1曲。過去の、ほかのスケーターたちによる“ファイアーダンス”はリバーダンスのイメージに引っ張られたものが多かったが、大庭雅のファイアーダンスは一味違う。これほどフラメンコ寄りのファイアーダンスは珍しいと感じる。

「『かわいいフラメンコじゃダメ』と安藤美姫さんに言われました。大人っぽいかっこいいフラメンコを目指して頑張っています」。

フリーは昨年からの継続、“エデンの東”だ。よって仕上がりは順調のはずなのだが、中部ブロックでは思うような演技ができなかった。演技後にはキス&クライで泣き伏している姿が痛々しかった。来週に迫った西日本選手権では、ぜひ巻き返して全日本出場を勝ち取ってもらいたいものだ。

新たな環境で新境地を目指す。新田谷凜

今季からグランプリ東海に移籍し、振付も大きく変わった中村 康一(Image Works)

オンドレイネペラ杯出場のため、中部ブロックを棄権した新田谷凜。サマーカップで話を聞くことができたので、ここで紹介したい。

彼女は今季、長く在籍した邦和クラブからグランプリ東海クラブへと移籍した。振付も樋口美穂子コーチにしてもらったという。移籍して変わったことは「ジャンプよりもプログラムを大切にするようになった」ことだという。

「移籍後の練習で、『言われた動きはちゃんと出来ているけれど、何も伝わってこない』と言われました。ジャンプ以前の問題という感じでした」。

こうした意識改革が、スケートへの取り組み方をイチから見直すことにつながったようだ。

「ジャンプを跳ぼう、という意識ではなく、プログラムをこなすことを意識しています。プログラムの中にジャンプが入っている、と考えることがいい方向に働いていると思います」。

ところで新田谷選手は大学3年生。就職のことを考える時期になったそうで、現在、メ~テレでインターンシップとして仕事を体験しているそうだ。

「中京大学の水泳選手など、スポーツ取材の現場に同行して、取材される選手に照明を当てたり、番組の収録を見させていただいたりしています」。

今は特に、何になりたいといった目標はないが、引退したらまずはスケートから離れた仕事をしたい、と考えているという。

「インストラクターなど、スケートに関わる仕事にも興味はありますが、まずは一度スケートから離れて外の世界を体験したいんです。スケートという狭い世界で生きてきて、自分は外の世界を知らない、と感じています。一旦離れてみて、それでもなお、スケートの世界で働くことに興味を持てたならば戻ってきたいと考えています」。

新たな環境で挑戦をする新田谷選手。西日本選手権での演技を楽しみにしたい。

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