友達とわいわい楽しむ、九州の電車女子旅3選

2019年3月5日 17:43更新

東京ウォーカー(全国版)

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誰もが目を奪われる、幻の豪華客車「或る列車」


JR九州が誇る、D&S(デザイン&ストーリー/旅のイメージを膨らませるようなブランド観光列車)をテーマに九州各地で運行している観光列車シリーズ。その代表的な1つ、美味しいスイーツ列車旅が楽しめる『JRKYUSHU SWEET TRAIN「或る列車」』は2015年にデビューし、全国随一の“豪華スイーツトレイン”と称される観光列車だ。

ボディーが黄金色に輝き、ひと際目をひく「或る列車」


【写真を見る】かつての「或る列車」、故・原信太郎氏の模型にもあったステンドグラスも随所に配す


優雅な客車は、1906(明治39)年にJR九州の前々身である「九州鉄道」が、米国のブリル社に発注した“幻の豪華客車”をモチーフにしたもの。当時の日本で最も豪華な設備を備えながら、九州鉄道の国有化により一度も運行することのなかったその列車が、100年の時を超えて現代の九州に蘇ったかたちだ。

デザインは「ななつ星in九州」なども手掛け、工業デザイナーとして名高い水戸岡鋭治氏によるもので、鉄道模型の神様と称される故・原信太郎氏の模型を1/1スケールで再生。「キロシ47形気動車」をベースに、現代に合わせたアレンジを加えた姿で制作され、そこへさらに九州の色・形・素材、匠の技を組み合わせ、唯一無二の豪華客車を造り上げた。

「ななつ星in九州」にも採用された組子の技が、随所に散りばめられている


アンティーク調のランプやソファーが、まるで海外のような雰囲気を醸し出す


黄金色と漆黒の2色を基調にした豪華ながらも落ち着いたデザインの車体は、ステンレスと真ちゅうを加工した装飾が施されている。外装や車内にはハートをモチーフにした装飾があしらわれ、ステンドグラスやアンティーク調のランプなど、レトロな雰囲気が漂う落ち着いた空間を演出。まさに極上のスイーツを味わうのに最適な場所ではないだろうか。

「スープスイーツ」は、「鹿児島県産の黒糖と佐賀県産の麦茶のサバラン」(一例)


列車が走り出すと「或る列車」ならではのだいご味である「スイーツコース」が運ばれてくる。コースをプロデュースするのは、東京・南青山の名店「NARISAWA」のオーナーシェフ・成澤由浩氏。用いるのは、成澤氏が実際に九州各地の生産者を訪れ、自身の目で確かめた旬の食材の数々。内容はひと月ごとに替わり、専任のシェフが列車内の厨房で、一皿ずつ丁寧に仕上げる。

明るく優しい色合いのメープル材を用いた華やかな1号車は、2人席と4人席を配する


走行ルートは、長崎─佐世保間を走る長崎コースと、大分─日田間を走る大分コースの2種を設定、一定期間でコースが切り替わる。2019年3月現在、長崎コースで運行中だが、4月からはランチタイムやディナータイムに対応した時間設定(午前便:佐世保発10:34ごろ→長崎着13:11ごろ/午後便:長崎発15:37ごろ→佐世保着18:37ごろ)に変更となる予定。また、運転日は4月1日(月)~5月12日(日)までの金~月曜を中心に、計24日間を数える。

料金は席や人数によって違いがあり、2万5000円~3万7000円ほど。申し込みはJR九州の特設サイト、各ツアー会社で受け付けており、詳しい運行スケジュールは特設サイトにて公開されている。

「或る列車」のルートMAP


重厚感のある漆黒のボディが印象的な「はやとの風」


「漆黒のボディが印象的なノスタルジックな列車で古きよき時代を感じて」が列車コンセプトの「はやとの風」。吉松(肥薩線)─鹿児島中央(日豊本線)間を結び、質実剛健な薩摩隼人をイメージした漆黒のボディが人気の観光列車だ。木のぬくもりを基調とした客室は、車両によって色合いの異なる木材を用いているため、クラシカルな雰囲気やログハウス調の温かみのある空間などそれぞれの特色を見比べるのもこの列車ならではといえる。

吉松駅では、運行日が重なれば「はやとの風」(右)と「いさぶろう・しんぺい」(左)が居並ぶ写真を撮ることが可能


木のぬくもりがやさしい展望スペース。大きな窓から緑豊かな景観が望める


明治の風情がそのまま残る大隅横川駅


吉松駅を出ると山間や農村部を走り、豊かな自然に囲まれた車窓からの景色が楽しめる。道中、日本名水百選にも選ばれている「丸池湧水」のそばを通り、大隅横川駅へ。この駅は3つ先の嘉例川(かれいがわ)駅と並び鹿児島県最古の駅として有名。名駅舎は一見の価値ありだ。開業は1903(明治36)年、110年以上前の姿を今に伝える木造駅舎は風情があって郷愁を誘う。ホームには太平洋戦争時の銃弾の跡が残った柱もあり、過去の語り部となっている。

県内最古の駅舎が残る嘉例川駅は、駅事務室などがそのまま残されている。数分間停車するので見学してみよう


嘉例川観光大使も務める「にゃん太郎」に会えるかも


同じ年に開業した嘉例川駅のほうは、全国的にも珍しい特急列車が停まる無人駅でもあり、鉄道ファンならずとも肥薩線で最も注目すべき駅といえる。また、2005年ごろから駅舎に住みついた猫の「にゃん太郎」(正式名称は「たぬき猫にゃん太郎」)も密かな人気者。ただし、高齢のため留守にしがちなので、会えるかどうかは運次第だ。

絶大な人気を誇る「百年の旅物語 かれい川」(1080円)。サツマイモの天ぷら「ガネ」は揚げた形が蟹に似ていることから名付けられたとのこと


とろける「黄金のプリン 安納」(340円)は売り切れ御免のひと品


嘉例川駅でもう1つ忘れてはならないのが、九州駅弁グランプリで3年連続1位を獲得した駅弁「百年の旅物語 かれい川」(1080円)。甘く煮た分厚いシイタケをはじめ、味噌田楽やコロッケ、また地元で“ガネ”と呼ばれるサツマイモの天ぷらなど地元食材にこだわった品々が竹皮に包まれている。この駅弁は駅舎でも販売しているものの、人気駅弁のため事前に駅弁引換券を購入し、車内で受け取るのがおすすめ。※日によって発売していない場合あり、要確認

また、土・日曜、祝日限定で車内販売される「黄金のプリン 安納」(340円)は食後のスイーツにぴったり。種子島産の安納芋を使い、まるでスイートポテトのように濃厚であとを引く甘さがくせになる味わいだ。

旅の思い出として記念乗車証にスタンプを押してみては


隼人駅を過ぎて日豊本線に入ると、窓の外に美しい錦江湾の海景色が見えはじめる。鹿児島のシンボル・桜島や島津家別邸の名勝「仙巌園(せんがんえん)」などが現れ、車窓を楽しませてくれる。

「はやとの風」は1日2往復運転し、2019年3月から2020年2月までの間、主に週末を中心に春・夏休みの期間を含め計179日運行する予定となっている。

「はやとの風」のルートMAP


日本三大車窓やスイッチバックなど見どころ満載の「いさぶろう・しんぺい」


熊本─人吉間を特急、人吉─吉松間を普通列車として、鹿児島本線・肥薩線経由で運行する「いさぶろう・しんぺい」。明治時代の鉄道にまつわる偉人「山縣伊三郎(やまがたいさぶろう)」と「後藤新平」に由来するこの列車は、下りの吉松行きが「いさぶろう」、上りの熊本・人吉行きが「しんぺい」の名のもと、古代うるし色と呼ばれる深みのあるえんじ色の車体で急峻な山あいを走り抜ける。車内は明治時代を思わせるレトロなしつらえで、木のぬくもりあふれる調度品がノスタルジックな雰囲気を醸し出している。

熊本駅に入線する「いさぶろう・しんぺい」


肥薩線では球磨川沿いを走る。展望スペースからの眺めは抜群だ


八代駅から肥薩線に入ると、最上川・富士川と並ぶ日本三大急流の1つである球磨川沿いを走り、抜群の水質を誇る清流との並走が楽しめる。人吉駅を過ぎて大畑(おこば)へ向かうと、急勾配を緩和するために列車が前進と後進を繰り返しながら斜面をジグザクに走行する“スイッチバック”を体験。中でも大畑駅は、日本で唯一、ぐるりと旋回するループ線とスイッチバックを併せ持つ駅として知られている。

「日本三大車窓」の1つに数えられる矢岳─真幸区間の風光明媚な景色


そしてその先の矢岳(やたけ)─真幸(まさき)区間、通称“矢岳越え”は「日本三大車窓」の一つに数えられる絶景ポイントだ。眼下に広がるえびの盆地の向こうに雄大な霧島連山を望み、天候に恵まれれば遠く桜島まで仰ぎ見ることができる。途中、列車は一時停車するので、ゆっくりと景観を眺めるのはもちろん、思い出の1枚を撮影するにもぴったりのフォトスポットとなっている。

真幸駅では週末を中心に特産品の販売が行われ、地元ならではの食材や加工品が並ぶ


また、真幸駅は肥薩線の中で唯一、宮崎県に位置する駅で、開業から100年あまりを数え、宮崎県で最初にできた駅でもある。レトロな木造駅舎は映画のワンシーンに出てきそうな佇まいが趣深い。ここでもスイッチバックが体験できるほか、週末は地元の人たちが特産品などを販売しているのでおみやげを購入してみては。

大きな栗がごろっと入った「栗めし弁当」(1100円)


「いさぶろう」の始発である熊本駅から終着・吉松駅まで約3時間。九州駅弁ランキングでも常に上位の名物駅弁「栗めし弁当」(1100円)を味わいつつ、車窓の風景やスイッチバックを楽しんだらあっと言う間に時が過ぎてしまう。

「いさぶろう・しんぺい」に乗車すれば、往時と変わらぬありのままの自然が存分に堪能できるはずだ。

「いさぶろう・しんぺい」のルートMAP

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