フィギュアのサマーカップ開幕!名門中京大学の新入生、今原実丘・松岡さら沙・和田龍京に注目
東海ウォーカー
フィギュアスケートの本格的なシーズン入りも間近。アイスショーやローカル大会において、選手達の仕上がりぶり、新たなプログラムを観られる機会も増えてきた。そして今週末、2019年8月10日(土)から12日(月)の日程で「げんさんサマーカップ」が滋賀県大津市、滋賀県立アイスアリーナにおいて開催される。友野一希、山本草太、坂本花織などのトップ選手が集う、注目の大会だ。
彼らにとっては来る国際大会に向けての試金石となる大切な場なのだが、別の視点の戦いもある。インカレ、インターハイなど学校の連盟の全国大会を目指す選手達にとっても大変重要な試合なのだ。強豪校、中京大学の学生スケーターにとっては、このサマーカップはインカレ出場をかけた学内選考の1次予選と位置付けられている。今季は4年生となる新田谷凜、磯邉ひなの、加藤利緒菜など、最後のインカレに懸ける思いの強い選手が多く、選考も激戦となることが予想されるが、一方でこの厳しい環境に身を置くことを選んだ新入生達の戦いぶりにも注目したい。今回は、サマーカップにも出場予定の中京大学スケート部1年生を3名取り上げる。
シンクロの経験を生かした演技に期待!今原実丘
一人目は今原実丘(いまはら みく)。愛知県豊橋市でスケートを始め、中学生の時に名古屋クラブへと移籍した選手だ。彼女にとって中京大学スケート部は選手層が厚く、インカレ出場を目指すには厳しい環境と言える。
「より高いところで練習することによって、少しでもレベルアップできたら、と挑戦したい思いで中京大学を選びました」
昨シーズンまではトリプルジャンプがまだ安定していなかったのだが、この習得を大学生活での目標に掲げる。
「頑張って全種類降りられるようになりたいです。これから頑張っていきます」
道のりは遠いようだが、成果が表れるのを楽しみにしたい。ところで彼女はシンクロナイズドスケーティングにも挑戦しており、昨シーズンの全日本シンクロにはTeam Aichiの一員として出場した。
「シンクロは今後も続けたいです。音の取り方が勉強になりました。自分のプログラムだと自由に滑っているんですけど、シンクロでは全部カウントを取っていたので、それをシングルのスケートにも取り入れてみたいと思います」
インカレの出場を勝ち取ることはたやすいことではないのだが、ぜひ出場を目指して頑張ってほしいものだ。
サマーカップで注目の新入生!松岡さら沙
二人目は松岡さら沙。「小さい頃はポラリス、中1から名東に変わりました」と、ずっと名古屋のクラブでスケートを続けてきた選手だ。
「大きな目標として、全日本に出場したいと思っています。今、3+3の確率が悪いので、確率を上げてノーミスの演技を目指したいです。インカレ出場も目指します」
このコメントは春に取らせてもらったものだが、それから4か月の練習の成果をサマーカップで発揮してもらいたいものだ。
今後の活躍に注目!和田龍京
3人目は和田龍京(わだ きみちか)。私は彼の小さな頃の演技を観たことがなく、数年前に突然大会に出場した時には驚いた記憶がある。彼はアメリカからの帰国子女なのだそうだ。
「中2の途中から日本に帰国しました。幼い頃、日本でもスケートをやっていたんですけど、アメリカに行く前は試合に1回しか出てなかったんです。なので誰にも知られてなかったと思います」
昔は佐藤有香さんに振り付けなど指導を受けていたそうだ。素晴らしい指導者についていただいていたのだが「あの頃はガチでやっていなかったので、今思うともったいないことをしました」との反省の弁が聞かれた。そして現在は邦和クラブに在籍している。
「デトロイトに行ったときに木原龍一君と一緒に練習をする機会があり、彼が元々邦和クラブだったので、その縁で邦和にお世話になることになりました」
スタイルも良く、ダイナミックな演技が印象的な選手だが、ジャンプについては意外な課題があるようだった。
「自分の持ち味はジャンプなんですけど、今は安定していないので直したいのと、表現力が足りないと思っているので、そこを大学の4年間で磨きたいと思います。トリプルアクセルは降りられるようになったんですが、ループが苦手なんです。3か月に1回ぐらいしか降りられないんです。今年はジュニア課題がループなので、ループを安定させたいです」
4回転ジャンプを視野に入れるほどの選手が、ループに関してはダブルしか跳べないというのだ。ぜひ克服を期待したい。
「今年は全日本ジュニアまでには4回転を1本フリーに入れたい。そこでノーミスしてシニアの全日本に行きたいです。インカレは行けると思うんですが、それに甘えずに、難しい構成に挑戦していきたい」。
中京大学の男子は、宇野昌磨、山本草太など強い選手はいるのだが、インカレに向かう選手となるとあまり選手層が厚くなく、明治、法政などの後塵を拝することが多い。和田選手が加わったことで、総合成績上位を目指してもらいたい。
とかくトップ選手に注目が集まりがちだが、こういった学生スポーツならではの戦い、頑張りにも注目し、声援を送っていただけたなら幸いだ。サマーカップは入場無料。ぜひ会場に足を運んでほしい。
中村康一(Image Works)
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