閃きのあるラーメンで業界を席巻! 「拉麺 ぶらい」のこだわりに迫る
東京ウォーカー(全国版)
2019年6月13日にオープンした「拉麺 ぶらい」。オープンしてすぐにアイデアの光る限定麺を連発し、ファンをひきつけてやまない注目店だ。麺はオーナーの山本千一さん、メニューコンセプトや調理は店長の三島康宏さんが担当。二人三脚で、今までになかった斬新なラーメンを次々と生み出している。
定番の一番人気は、香りをテーマにした醤油ラーメン!
レギュラーメニューは熟成黒醤油、淡麗金しお、極濃鈍にぼし、濃厚鶏つけ麺の4種類。中でも一番人気を誇る熟成黒醤油について、ポイントを聞いた。「香りとコクを組み合わせました。スープの色は濃いけど、すっきりとした味わいを意識しています」と三島さん。タレに使用している小豆島産の醤油は、再仕込み製法を用いて造ったもの。熟成させた生醤油をもう一度桶に戻し、再び原料を加えていく二度仕込みが特徴だ。この製法により生まれた深いコクと芳醇な香り、まろやかな味わいを存分に生かしたラーメンに仕上がっている。
スープを入れてトッピングをしてから、最後に鴨油と奥美濃古地鶏の鶏油をたっぷりとかけて完成。こうすることで、香りを強く感じられるようにしている。さらに、「スープと油が混ざり、どんどん味わいが変化することを狙った」と三島さん。食べ進めるうちに変化していく風味も感じてほしい。
つけ麺は、何通りにも変化する食べ方がポイント
昼夜各10食限定のため、売切れる日も多い濃厚鶏つけ麺も、ファンが多い逸品だ。一般的なつけ麺の場合、麺は冷水で締めたあとそのまま盛り付ける。ところが、ここでは麺の提供方法にもひと工夫。鶏と昆布のスープをジュレ状にして添えてある。「麺そのものの味も分かるし、スープを絡めて味を変えることもできる」と、スープをあえてジュレ状に。つけ汁と組み合わせれば、これだけで4通りの食べ方ができる。
つけ汁は鶏をメインに、豚や野菜を加えて旨味を凝縮。トッピングのレアチャーシューは、フルーツを食べて育ったバナナパインポークを使用している。風味付けにトリュフオイルをかけるなど、見た目からは分からない部分にもとことんこだわる姿勢に脱帽する。
メニューのコンセプトに合わせて、千変万化する麺
麺はすべて自家製。姉妹店である「鶏番長」で一緒に製麺している。2台の製麺機を駆使し、実に多彩な麺を生み出す山本さんに話を聞いた。香りをテーマにした熟成黒醤油には「風味をポイントにした麺を合わせたかった」と、全粒粉をローストしてから加えた特製麺を開発。醤油のコクに負けないよう、細かい調整を重ねて完成させた。麺そのものの味わいも重要なつけ麺には、愛知県産のブランド小麦、きぬあかりをメインに採用したもの。
レギュラーメニュー以外にも必ず期間限定のメニューを用意しているが、こちらにも専用の麺を開発する。何度も麺やスープを調整して試作を重ねて完成させるため、どれも期間限定ではもったいないほどのクオリティ! アイデアを思いつくと、形にせずにはいられない。その熱い気持ちが、店誕生のきっかけとなった。「実際に食べて感動しているお客様の顔を見たい」と、厨房から客席が見えるように設計。食べる人の笑顔が、山本さんと三島さんの原動力になっている。
薮伸太郎
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