フィギュアスケート・中部ブロック大会レポート1 【シニア女子】

2016年10月22日 18:27更新

東京ウォーカー(全国版) 編集部

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9月30-10月2日の日程で愛・地球博記念公園アイススケート場(愛知県長久手市)においてフィギュアスケート中部選手権大会(中部ブロック)が開催された。今回はグランプリシリーズを控えた松田悠良、村上佳菜子の出場に注目が集まり、またノービスクラスにおいては将来が楽しみな金の卵が多数おり、見どころの多い大会となった。

グランプリシリーズ前哨戦として、まずまずの調整振りを披露した松田悠良

松田悠良、フリースケーティングの演技

ミスはあったもののまずまずの演技を披露したフリー演技、しかし演技を終えた松田悠良の第一声は、「悔しい。完璧な演技でノーミスが目標でした」だった。冒頭に予定していた、2アクセル+3トウループ+3ループの大技が決まらなかったことに悔いが残ったようだ。演技の最初に大技を入れる構成は、それが決まれば勢いに乗れる反面、失敗した場合にはその後の演技に影響し、ダメージも大きい。今回は「焦りの気持ちがあった」とのことで裏目に出てしまったが、シニアの国際大会で戦うため、あえてリスクを取る構成にしたのだ。

元より松田選手の演技は回転不足気味のジャンプが多いため、試合によっては点数が伸び悩むこともある。ただ本人もこの点については承知しており、

「ジャンプをミスした時はPCS(演技構成点)が大切になってきます。日頃からスケーティング、スピード、表現力を頑張ろうと意識しています」

ジャンプ以外でも点数を稼げる演技をしようと、意欲的に取り組む姿勢を見せる。そして初のグランプリシリーズに臨む意気込みについては、

「ショート、フリー、共にノーミスの演技が目標です。今よりもっと表現力も磨けると思っています。初めてのグランプリシリーズですが、楽しみの方が大きいです。ただ現地に着いたら緊張するかな、とも思います。緊張しないぐらいにしっかり準備したい」

松田選手のグランプリシリーズ初戦は11月、ロシア杯だ。

今季は観客の心に残る演技を目指す、村上佳菜子

今季はショート、フリー、共に情熱的なプログラムに仕上がっているが、それぞれの表現のタイプは違う。表現力が問われる作品だ

久し振りの中部ブロック出場で、村上佳菜子は思いの外、緊張を覚えたという。

「イタリアのロンバルディア杯よりも緊張しました。足が震えていたほどです」

今季は先シーズンに比べて早い段階から追い込んだ練習が出来ているとのこと。決して調子は悪くなかったのだが、試合への入り方が良くなかった、と反省の言葉が続いた。村上選手といえば、子供の頃はいつもガチガチに緊張していた。久し振りの中部ブロックの舞台で、昔の気持ちを思い出してしまったのかもしれない、という。「不安がなくなるまで追い込んで練習したい」と次戦に向けて前を向いた。

今季のショートプログラム“カルメン”、見どころは最後のステップだという。

「前半はメロディーがない、難しい曲です。後半、曲が盛り上がり、どんどん速くなり、それに合わせて動きも大きくなっていきます。そこを見てもらいたいと思います。山田コーチからは『ダンサーだと思って滑りなさい』とのアドバイスがありました」

フリープログラムは“トスカ”。情熱的なプログラムに仕上がっており、今までの村上佳菜子とは違う新境地を切り拓いた印象だ。

「自分でも最初から入り込めるプログラムです。重みのある、心にずしんと来る表現をしたいと思います」

昨シーズンは、“どこまで自分を追い込んでやれるのかを試したい”と言っていた村上選手、今シーズンの目標を聞くと、「観ている人たちの心に残るスケーターになりたい」という答えが返ってきた。カルメン、トスカといえば、村上佳菜子、と思い出してもらえるようになりたい、とのことだ。早や、ベテランの域に入りつつある村上選手。今季は技術面だけではなく、表現面でのアピールにも期待したい。

一日も早く怪我を治し、悔いのないシーズンを送りたい、大庭雅

大庭雅、フリースケーティングの演技

今季のショートプログラムが安藤美姫の振付師デビュー作であることはサマーカップの記事中でも触れたが、この“ミッション”、実は大庭雅が初めて全日本選手権に出場した年、優勝した安藤美姫が使っていた曲だという。

「凄く印象に残りました。スケートってこんなにも綺麗に滑れるんだ、と」

憧れの安藤美姫の指導もあり、今までプレッシャーに負けていたショートプログラムを、今季は楽しく滑れているようだ。ただ、夏場から好調な滑り出しを見せていた矢先、怪我をしてしまったとのことだ。

「初めて練習を休んだ程です。スケート靴を履いていると固定されているので痛くなく、練習も出来ていますが、靴を脱ぐと歩くのも痛い位です」

そのため調整に遅れが生じる誤算があったのだ。今季にかける意気込みは強く、シーズン序盤は順調に来ていただけに残念ではあるが、この大会でも“昨年までの大庭選手とは違う”というところを見せられたように思う。続く西日本インカレ、西日本選手権では万全の演技を期待したいものだ。

※「ジュニア女子」編に続く 【東京ウォーカー/取材・文=中村康一(Image works)】

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