フィギュアスケート・中部ブロック大会レポート2 【ジュニア女子】

2016年10月22日 18:28更新

東京ウォーカー(全国版) 編集部

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世界ジュニア出場を目指し、大技に挑戦し続ける、横井ゆは菜

曲は”バーレスク”。鈴木明子振付の、情熱的で躍動的なプログラムだ

曲は”バーレスク”。鈴木明子振付の、情熱的で躍動的なプログラムだ

昨シーズン、怪我からの復活を果たした横井ゆは菜だが、今季のジュニアグランプリシリーズへの出場は叶わなかった。現在、日本のジュニア女子は極めて層が厚く、横井選手ほどの実力をもってしても補欠のポジションに留まったのだ。

「今季の目標は世界ジュニアに出ることです。けれど今の状況では全く歯が立ちません」

今はまだ高い壁が立ちはだかっている。そこで彼女は技術点を底上げすることでその壁を乗り越えるつもりのようだ。今回のショートプログラムにおいて、コンビネーションジャンプの難度を上げ、3ルッツ+3トウループにしたのだ。ただ、そのルッツの判定はアテンション。エッジエラーまでは行かないが、明確な踏み分けは出来ていないとの判定だ。「今回の判定を見てから次の試合でどうするかを決める」と語っていた横井選手にとっては、西日本ジュニア選手権への対応は悩ましいものとなりそうだ。そして横井選手は、壁を一足飛びに乗り越えるための“飛び道具”として、トリプルアクセルへの挑戦を決めた。

「トリプルアクセルを決められるようになれば、壁を壊す道具が手に入ると思います」

サマーカップ、そして今回の中部ブロック、2試合連続で横井選手はフリースケーティングの冒頭にトリプルアクセルを組み込んだ。それはライバルのジュニア選手達に比べ、自分の立ち位置の遅れを痛感しているからこそだ。

「今のジュニア選手は凄い選手ばかり。それに追いつこうと思ったら大技を入れなければなりません。紀平梨花選手も成功しました。これからトリプルアクセルを入れてくる選手も増えるはず。それに置いて行かれないように、との思いで挑戦しています」

ただ、2試合とも現地で観戦したが、彼女のトリプルアクセルは現段階では回転が足りない、完成度の低いものだった。加えてトリプルアクセルへの挑戦により、他のエレメンツにも影響が生じてしまい、全体の出来栄えが落ちてしまっている印象がある。この先、順位を取ることが優先される試合も出てくるはずだ。それでもトリプルアクセルへの挑戦を続けるのだろうか。

「トリプルアクセルを回避して安全策を取った方がスコアが良くなることは自分でも分かっています。でもそれでは上に行けない。たとえいい位置には行けても、トップに食い込むことは出来ません。ですからこの先も挑戦し続けるつもりです。かなりハイリスクだということは理解しています。でも自分は出遅れている分、大技に挑戦していきたいんです」

挑戦し続けることでしか道は切り拓けない。そう思い至った上で覚悟を決めたのだ。これが吉と出るか凶と出るか、今の段階では分からない。それでも挑戦を続ける横井選手に、心から声援を送りたい。

※「ノービス」編に続く 【東京ウォーカー/取材・文=中村康一(Image works)】

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