チーム広報が語る、名古屋グランパスのクラブ改革《10周年特別企画・後編》

東海ウォーカー

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改革を進めた理由と、そこで取り組んだ3つの策

チーム人気には、リーグ屈指の人気を誇るマスコット「グランパスくん」とその家族「グランパスくんファミリー」の貢献度も高い。「Jリーグマスコット総選挙」では、52体ものライバルを跳ねのけて2連覇(2018・2019シーズン)を果たした(C)N.G.E.


「毎年、Jリーグでは“観戦者調査”というアンケートを全クラブ対象に実施しています。スタジアムに足を運んでいただけた理由について、普通であれば『クラブを応援している』がもっとも多いはずですが、グランパスの場合は『チケットをもらったから』などの回答が多かったんです。クラブに対する愛着を持っている方が、他クラブと比較してかなり少なかったんですよね。J2降格がきっかけというわけではないのですが、『これは絶対に変えていかなければいけない』ということで、ちょうど2016シーズンくらいから本格的な改革に取り組むことにしました」

名古屋市熱田区・日比野商店街の「第28回ひびのコイまつり」に参加し、マグロを解体するグランパスくん。さすが、海の王者である。それはさておき、こういった活動をとおして、チームへの愛着を深めてくれた地域住民とのつながりは生まれていく(C)N.G.E.


取り組んだ方策は主に3つ。“チケットの販売方法の変更”、“選手たちの露出増加”、そして“スタジアム経験の充実化”だ。
「ここからは広報というよりもマーケティング的な分野になりますが、チケット購入の軸をコンビニからWebへと移管して、お客様の顔が見えるような取り組みを始めました。どのような世代の方が何回スタジアムに足を運んでいるかなど、お客様を可視化することに注力したんです。どのような方が来ているかがわかれば、それに基づいたアクションが起こせますからね。並行してホームタウン活動にもいっそう力を入れ、選手が出演するイベントを増加させました。スタジアムではさらなる観戦快適性の提供を心掛け、これまで以上にイベントやグルメを充実させました。Web、ホームタウン活動、スタジアム経験の充実と、主に3つの視点からクラブ改革を実施して、その努力がここ数年でようやく実って数字に表れてきた形です」

試合の開催時期などに応じて、さまざまな企画が実施されるスタジアムイベントにも力を入れている(C)N.G.E.

スタジアムイベントとして開催された、入場無料のライブイベント。写真は、クラブのオフィシャルサポートソングを歌うクアイフ(C)N.G.E.

スタジアムイベントの様子。飛んだり跳ねたりして遊べるエアー遊具「ふわふわグランパスくん」(写真)やキックターゲットなど、キッズたちが楽しめる催しも多数登場する(C)N.G.E.

スタジアムイベントの様子。女性にスポットを当て、「ガールズフェスタ」と銘打たれたこのイベントにはフォトスポットなどが登場。来場した女性客1万5000人に、オリジナルユニフォームが配布された(C)N.G.E.


さらに、梅村氏はこう続けた。
「そう考えると、やはりJ2降格は大きなきっかけだったと思います。この街にグランパスがあることを改めて実感できましたし、降格はもちろん辛い経験でしたが、あの悔しさがあったからクラブの変化は加速し、現在の観客数にもつながっているとポジティブに捉えています」

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