ガムを作って75年!誰もが知る定番駄菓子を生んだ創業134年の老舗が、ガムにこだわり続ける理由とは
東京ウォーカー(全国版)
—— マーブルガムのほかに人気の商品を教えてください。
【森さん】売上のトップは、昔からの定番商品であるフィリックスフーセンガムです。年配の方に「弊社のガムと言えば?」と聞くと、フィリックスフーセンガムが挙がります。しかし、10〜20代の若い世代に同じ質問をすると「コーラフーセンガム」の名前が挙がるため、世代によって定番ガムが違うようです。ちなみに、これらのガムの独特の形は、戦後の貧しい時代に「友達やきょうだいと分け合えるように」との思いから生まれたものが受け継がれています。
最近の傾向でいうと、「あかべ〜くろべ〜ガム」や「フランKンのもとガム」など、口の中の色が変わるガムが人気です。写真映えするので、ハロウィーンの時期はよく売れていました。ほかにも、アニメ「SPY×FAMILY」とのコラボ商品「スパイファミリーフーセンガム」も人気があります。ストーリー内で登場する「プロジェクト〈アップル〉」と掛けて、味は青りんご。キャラクター商品ではアニメ「東京リベンジャーズ」とのコラボ商品も好評です。
また、「マーブルガムボトル」シリーズや「フーセンガムバラエティ」といった大袋入り商品は、懐かしさから購入していただく大人の方が多いですね。大人も子供も家族全員で楽しめますし、車の運転中に食べるガムとしてもぴったりだと思います。




ガムは今も昔も駄菓子の定番。これからも作り続けていく
—— 日本国内でのガムの売上はここ数年落ち込んでいますが、ガム一本で続けられているのはなぜでしょうか。
【森さん】一番はブランド力だと思います。大人から子供まで親しんでもらえているガムは、弊社のガム以外にほとんどないでしょう。ガムを作り始めた当時、愛知県内に70社ほどあった会社も今は数社しか残っていません。昭和・平成・令和と、時代を超えて同じガムを作り続けているのがその秘訣だと思います。
また、1959年から輸出も行っており、現在は約3割が海外での売上です。初めはアジア地域への輸出を始めましたが、すぐに偽物が流通してしまったので、輸出先を拡大していきました。現在は中東や北米、南米、アジアといった地域を中心に、約20カ国に輸出しています。海外で流通しているガムは日本で販売しているものとは違い、パッケージに弊社オリジナルのクマのキャラクターを採用しています。このキャラクターには名前がないのですが、中東などでは「チャッピー」と呼ばれ親しまれているそうです。味は少し甘めで、日本で昔販売されていたガムの味に近いので、食べると懐かしく感じます。

—— たくさんの種類のお菓子を作る製菓メーカーも多いなか、なぜガムにこだわり続けているのでしょうか?
【森さん】さまざまな駄菓子を製造していたところからガムに絞ったという経緯もあり、ガム以外を作ろうという話は出たことがありません。また、日本でのガムの売上は確かに減っていますが、弊社の売上はそれほど変わっていません。おそらくガムを食べなくなったのは大人の方で、子供たちは昔と変わらずガムを食べているのだと思います。弊社としては、これからも子供たちに愛されるようなガムを作っていきたいと思います。
—— 確かに、駄菓子屋さんには今も必ずガムがありますね。ありがとうございました。
全国的に有名な駄菓子を生産するメーカーがいくつも集まっている名古屋市で、75年もの間、子供たちが喜ぶガムを作り続けている丸川製菓。きっとこれから先も、駄菓子の定番として愛され続けるのだろう。
取材・文=溝上夕貴
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