アパレル業界で深刻化する過剰在庫や大量廃棄。サステナブルなものづくり体験を通して課題解決に挑む、新機軸のカフェが話題
東京ウォーカー(全国版)
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今回取り上げるのは、2020年11月21日に東京都渋谷区神宮前にオープンした新機軸のカフェ、HATTO COFFEE(ハットコーヒー)だ。写真・映像・通信関連の幅広い事業を展開する株式会社プラザクリエイトが、自社のノウハウを生かし、写真プリントの事業モデルをアパレルに転用。アパレル業界で深刻化する過剰在庫や廃棄といった社会問題に一石を投じ、サステナブルなものづくりを体験できるアパレルファクトリーの機能も兼ね備えたカフェとして注目を集めている。

コーヒーを飲みながら、最先端プリンターを使った服づくりを眺められるニュースポットが誕生
クリエイティビティを刺激し、店内での出合いから新しい視点やアイデアが浮かぶ。“ハッと”した気づきが得られるような場所を目指し、「HATTO COFFEE」と名づけられた同店では、日本初上陸の最新プリンター「Atlas MAX(アトラスマックス)」を使い、Tシャツやスウェットといった仕立て済みの服にさまざまなプリントを行っていく様子を、カフェ席からガラス越しに眺めることができる。プリントした衣服の一部は、店内で展示・販売を行うほか、期間限定でブランドのポップアップショップや展示会を開催予定。ふらっとコーヒーを飲みに来たついでに、旬のアパレルに触れることができるという。

また、店内で楽しめるカフェメニューには、ボリューム満点のホットドッグをはじめ、サステナビリティに配慮したコーヒーやオーガニックティーをラインアップ。現在プリントサービスは法人向けに提供されているが、カフェは誰でも利用が可能だ。ゆくゆくは個人向けにもプリントサービスを展開予定のため、自分のオリジナルアパレルができ上がっていく過程を間近で見るという体験が、近い将来実現するかもしれない。

無駄の出ない「需要ファースト」。自社の考えと事業モデルをアパレルへ転用
トレンドや顧客ニーズが目まぐるしく変化するアパレル業界では、過剰在庫や大量廃棄、環境汚染といった社会問題も深刻化している。そこで、30年以上にわたり、写真事業を主軸としてきた株式会社プラザクリエイトが、作ってから売り方を考える「供給ファースト」ではなく、需要があってはじめてものづくりをする「需要ファースト」の考え方を、アパレル業界の課題解決のために転用できないかと考えたのが、カフェオープンの発端だったという。

「1点から注文可能なオンデマンドプリンターで、需要に応じて必要な量を必要なときに生産することで、プリントされた服が必要とされずに廃棄される可能性を最小限にします。このプリンターとアイデアを掛け合わせることで、サステナブルなものづくりの可能性が広がっていくと考えていますが、プリンターだけでは敷居が高い場所になってしまうので、どなたでも気軽に入れるカフェを併設しました。新たなものづくりのあり方を近くで見ることで、例えばサステナブルについて考えるなど、新たな“ハッと”に出合っていただければうれしいです」と、ストアマネージャーの宮本舞さんは意気込む。

さまざまな刺激や気づきと出合う、みんなが集まる“広場”のような空間を目指しているというHATTO COFFEE。有数のアパレル起業がオフィスを構える神宮前に、“必要なぶんだけ作る”サステナブルなものづくりを推進するニュースポットが生まれた意義は大きいかもしれない。
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