「ふえるわかめちゃん」や「わかめスープ」などヒット商品多数!理研ビタミンがわかめ事業に挑戦し続ける理由とは?

東京ウォーカー(全国版)

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震災がきっかけで生まれた「ふりかけるザクザクわかめ」

東日本大震災が起こってわかめが採れなくなってしまった際、理研ビタミンはわかめ商品を製造できなくなってしまったそうだ。そして、他社におにぎりの具材といった需要を取られてしまうという、悔しい思いをした経験があった。

「このとき、弊社にしかできないことはなんだろうかと考えるようになりました。そこで思いついたのが、弊社が持っている『調味技術』とわかめの掛け合わせでした。ここから『料理に使う』だけではなく『そのまま食べる』を目的にした商品の開発に乗り出しました」

「ふりかけるザクザクわかめ 韓国風ごま油風味 50g」【画像提供=理研ビタミン】


そうして2016年にできたのが「そのままサクサク食べるわかめ」という商品。文字どおりサクサクとそのままわかめを食べられる商品だったが、消費者や小売店からは「おつまみかお菓子かわからない」「食シーンがわからない」と言われて失敗に終わったという。

「この反省を活かして完成させたのが『ふりかけるザクザクわかめ』という商品です。コンセプトを『食卓でごはんや料理にふりかけて食べる』に設定し、より手軽に食べてもらうことを商品価値に据えました」

2022年に発売したこの商品の特徴は、ザクザクとしたクセになる食感と、ごはんをはじめサラダや豆腐、パスタなどのさまざまな料理にふりかけて使える汎用性が人気のポイントだ。料理が苦手な人にも食べてほしいが、わかめは水戻しや水切りなど、ひと手間かかる食品。その概念を取り除くべく作られたのが、このごはんやおかずにふりかけられるタイプの商品だった。

「お客様の口の中を怪我させないためにも、硬すぎてはダメでした。でも驚きを感じられるようなはじける食感は譲れないため、カチカチガリガリとサクサクほろほろの間の調整がすごく難しかったです。製造では乾燥わかめを水に戻して味付けをしてから再度乾燥させる過程で、独自製法で1枚1枚バラバラにほぐしています。そのように乾燥させることで極限まで水分が飛び、ミルフィーユのような食感が楽しめます」

「ふりかけるザクザクわかめ 食べるラー油味 50g」【画像提供=理研ビタミン】


これからも愛されるわかめ商品を

わかめの食文化を日本中に広げてきた理研ビタミン。これまでわかめは「健康にいいから食べる」という使われ方をされることが多かったが、今後のシリーズ展開について宮林さんは「本能的に食べたくなるような商品を目指し、食卓にパッと変化をもたらしたい」と話す。

また、理研ビタミンは生産にもより深く関わっていく予定だという。安定的な供給を目指すだけでなく、理研ビタミンが開発した、わかめを産地別に区別できる技術で、消費者も生産者も共に安心してもらえるように安全な商品をこれからも提供していくことが目標だ。

「生産から商品開発まで携わり、日本のわかめ産業全体に貢献していきたいですね。理研ビタミンは研究が大好きな会社です。弊社の研究力を生かしてさらなる開発を進め、これまでに培った食文化を進化させながら守り続けたいです!」

理研ビタミンは50年以上もの間、わかめを通して日本の食文化を豊かにしていく事業をしてきた。これからも魅力を追求し、ユニークでおいしいわかめの食シーンを提案してくれるに違いない。今後の商品展開に期待がふくらむばかりだ。

この記事のひときわ #やくにたつ
・自社の研究成果は人気商品を作る力
・強みを掛け合わせることでヒット商品が生まれる
・失敗を見直して、市場のニーズに合わせることが大事

取材・文=越前与

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