「“身にならない”ことが今、役に立っている」70年続く老舗の合成樹脂製品メーカーがジン製造を始めたワケ
東京ウォーカー(全国版)
「自分に正直」に行動し身につけたことが今、集約されている

――製造や経営、マーケティングなど幅広くこなされていますが、それらのスキルはどのように身につけられたのでしょうか?
【中澤眞太郎】いや、悪い言い方をすると何も身にならなかったんです。身にならないことが増えていっただけですね(笑)。それが今、全部役に立っています。
【中澤眞太郎】高校卒業後に海外へ留学していたので英語は多少喋れるのですが、それで食っていけるようなほどのものでもない。音楽もずっとやってきていますが、それが商売になっているわけじゃないので何の身にもなっていないわけですよね。今は本業でプラスチック製品をずっとやっていますが、すごく儲かっているかといえばそうでもない。だからさまざまなことはやってきているけど、単体で見ればいまいちなんですよね。
――それらの経験が集約されて完成した事業なのですね。
【中澤眞太郎】ジンに関してはいろいろな経験がすごく生かせる分野でしたね。英語が喋れなかったら国内でどこか研修先を探そうとなっていたかもしれないですが、こうやって直接習おうという発想になったのは英語に対しての抵抗がないからですね。海外にいたのはもう20年前の話なので、今ここで役立つの?みたいな感じですよ。
――いろいろな経験をされているというのは新しいことにどんどん挑戦してきたということだと思うのですが、新しいことを始めるときに大切にしていることや意識していることはありますか?
【中澤眞太郎】そんな真面目なこと考えてやっているわけじゃないですよ、実際のところ(笑)。興味があることをやっているだけです、正直なだけじゃないですかね。自分の興味があることに対して正直に行動しているだけなんだと思います。つべこべ考えずに飛び込んでみる、みたいな。
【中澤眞太郎】だからジン製造をやってみたいと思って、じゃあアメリカに行って勉強しようというのが、たぶん普通の人よりは行動力があるのかなと。もともと海外旅行にひとりで行くのが好きだというのもありますね、知らない場所に行ったり、知らない人に会ったりするのが好きなんですよ。

――では、今後の展望・野望を教えてください。
【中澤眞太郎】立ち上げ当初から、日本だけではなく世界中に自分の作ったジンを届けたいと思っていたので、そのためにはまず国内での販売をしっかりやるというところと、続いて海外に対しての輸出をどんどんやっていきたいなと思っています。海外旅行が好きと言いましたが、旅行先のバーで自分の作ったお酒が置いてある!みたいなのができるとうれしいですよね。それが夢というか、野望です。
【中澤眞太郎】コンセプトとしては“愛されるジン”を目指していて、八王子ではそこそこ愛される感じになってきましたが、それが東京、日本、世界というふうに、どんどん枠を大きくしていきたいと思っています。
この記事のひときわ
#やくにたつ
・既存商品、サービスのノウハウを当てはめることで新たなアイデアが見つかる
・興味があることはつべこべ考えず行動してみる
・過去の経験が時間が経ってから役に立つこともある
取材・文=山本晴菜、撮影=三佐和隆士
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