オウンドメディアは必要ない?キリンが考えるブランドの理想形とは

東京ウォーカー(全国版)

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理想はオウンドメディアがなくても、“伝えたいことが伝わっている”状態

ーーオウンドメディアの運用において、現在課題を感じている点や今後の展望について教えてください。
【平山高敏】アウター面で言えば、メディアの認知拡大・集客、先ほどお話したとおりコンテンツデリバリーが課題ですね。もちろん自然と広がっていくことが理想ではあるんですが、ただ記事を出しただけでは読まれなくなってきているので、広告展開も含めて戦略的にやらなければいけない時期に差しかかっているように感じます。インナー面ですと、オウンドメディアの存在感と評価が高まり、複層的な役割を担うようになってきているので、社内的な結びつきをもっと強化していくフェーズかなと。

メディアを取り巻く状況が刻々と変化し、社内外から一定の評価を受け始めた今こそが勝負の時期にあると話す平山さん【撮影=三佐和隆士】


ーーコーポレートコミュニケーション、またブランディングの面で、キリンとして目指すゴールはあるのでしょうか?
【平山高敏】オウンドメディアを持ち続けるということは、見方を変えれば、言葉を集めて世の中へ届けないと“伝えたいことが伝わっていない”という状況なので、言葉を尽くさずとも伝わっている状態が本来的には理想だと思っています。時代とともにメッセージは変わっていくので、何かしらの言葉を発していくことは必要ですが、それを伝えようと、あの手この手でオウンドメディアを展開していくことからは離れないといけないのかなと。アウター・インナーともに、「このブランドってこうあるべきだよね」という共通認識が作れている企業は、オウンドメディアを持つ必要がないし、極論、不要なのかもしれません。そういった意味でも、攻略めいた形で展開していくのではなくて、「企業の資産としての言葉を残すためにオウンドメディアを運営している」くらいの温度感が理想なんじゃないでしょうか。

ーー第一線で運営を続ける平山さんから見て、オウンドメディアを取り巻く状況や発信の形は今後どのように変化していくと思われますか?
【平山高敏】近年注目を集めているオウンドメディアは、視点が社会に向いているんです。社会における存在感を発揮するという点がおそらく第一義に置かれているので、これまでのメディアと比べてコーポレートブランディング的な側面が色濃く出ているように感じます。そういった役割を期待されたときに、必ずしも私たちが活用しているようなnoteなどの読み物が最適ではないかもしれないし、YouTubeやTikTokといった発信の形・経路になっていくのかもしれません。メディアの形は変われど、社会に対して企業がメッセージを発信していくというスタンスは残り続けますし、今以上にどの企業も当たり前に発信していく時代になるのかなと思いますね。

社内外ともに、「キリンってこういう会社だよね」という共通イメージが自然と浸透している状態がブランドとしての理想形だという【撮影=三佐和隆士】

この記事のひときわ #やくにたつ
・目先の結果にとらわれずに、長期的な視点を持ち続ける
・オウンドメディアの本質を理解し、軸をぶらさない発信を続ける
・全ステークホルダーへのリスペクトが優れたコンテンツを生む

取材・文=佐藤理沙子 撮影=三佐和隆士

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