大反響!!牛乳石鹸とコラボしたブックカバーのオンライン配布が開始!「競争よりも協業を」がモットーの正和堂書店に注目

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア


「競争よりも協業を」の精神で始まったブックカバープロジェクト

話題を呼んだ牛乳石鹸とのコラボブックカバーは小西さんが管理するX(旧Twitter)の投稿がきっかけなんだそう。

「今年(2023年)の6月に近所の商業施設で牛乳石鹸さんのイベントがあって、そのときに配布されていた赤箱をいただきました。それで『石鹸のブックカバーってかわいいかもな…』と投稿したんです。牛乳石鹸を作っている牛乳石鹸共進社株式会社さんの安田工場が、正和堂書店のある大阪市鶴見区にあるということもあって、牛乳石鹸はなじみのある存在でした」

そして小西さんの思いは牛乳石鹸共進社株式会社にも届いた。牛乳石鹸共進社株式会社からコラボの打診があり、“大阪市鶴見区の地域活性化を目指して”ブックカバーの配布が決定した。

“街の本屋さん”として幅広いジャンルの書籍を扱う 【写真提供=正和堂書店】

「色味の関係もあったので、牛乳石鹸さんに印刷をしていただきました。『反響が大きかったら全国でやりましょうか、ははは〜』という感じで最初は気楽に構えていたんです(笑)。そしたら、配布当日は開店前からお客様がいらしてて、営業開始したらもうすごい行列になってしまうような感じでした。ひと月をかけて配っていこうと思っていたら半日で配布終了してしまいました」

用意していたブックカバーは1000枚。それを店頭とネットストアで半分ずつ振り分けていた。

「いつもオリジナルブックカバーを出した際、1000枚を1カ月で配布するような感じだったので、実績ベースで用意していたのですが、需要と供給が全く見合っていなかったです。何かあったときのために少し手元に残していたものがあったので、それを少しずつ出してはいたんですが、告知すると数秒ではけてしまうので『全然買われへんやんか』とお叱りを受けてしまうことも。問い合わせも多くて触れるのが怖いくらいでした(笑)」

そして、全国の書店に協力を取り付け、牛乳石鹸ブックカバーが配布されることになった。実は、小西さんにとって正和堂書店オリジナルブックカバーを経営的に全く関係のない書店に提供するということは初めてのことではない。

「コロナ禍のときに人の流れが止まり、どの書店も苦労をしました。そこで、当店のブックカバーを全国の書店で配ることができれば、より多くの書店に足を運ぶきっかけを提供できるのではと考えたんです。『競争よりも協業を!』をスローガンにクラウドファンディングを利用して、プロジェクト用のブックカバーの制作協力金と協力店舗を募ったんです。応援してくださる方が非常に多くて、2021年7月に無事プロジェクトは成功しました」

本来であればライバル店であるほかの書店とも手を取り合う。書店業界を盛り上げたいという小西さんの強い思いを感じられる。そして協業という意識は書店だけではなく、地域にも向けられた。

カリタとコラボをしたブックカバー(写真左)。ネットストアではタイトルを伏せた書籍と、第2弾ブックカバープロジェクトで縁ができたカフェのコーヒードリップパックをセットにした販売をしている。シークレット感が受けてリピーターも多いそう 【写真提供=正和堂書店】

「2022年1月に第2弾としてコーヒー機器メーカーのカリタさんとコラボをして、対象店舗を関西に限定して街歩きをコンセプトに行いました。協力書店にブックカバーを置いてもらい、コーヒーショップには栞を置いてもらうという形で、両方に行くとブックカバーのデザインが完成するという形ですね。12月には車買取業者の株式会社はなまるさんとコラボをして、大阪・関西万博を盛り上げるために第3弾を実施しました。牛乳石鹸さんとのコラボは第4弾になるのですが、成り立ちとしては特殊ですね。牛乳石鹸さんに当店の取り組みを応援してもらうという形での実施です」

約1年に1回ブックカバープロジェクトが動いている形だが、小西さんによるとこれは「たまたま」なんだそう。

「当店は家族経営ということもあって人的リソースがありません。なので、自分たちから営業をするのが難しいですし、全国規模のプロジェクトを連発するのは厳しいというのがあって。ただ、きっかけがあればとは思っていたので、いいタイミングで先方からお声がけをいただけて続けられていますね。第5弾についても話が出ているので、まだ実現するかははっきりしていないのですが進めているところです」

ブックカバーのデザインだけではなく、協力店との連携など小西さんの仕事は非常に多い。アウトソーシングをして、デザインやSNSの運用に専心することは考えていないのだろうか?

「協力書店とのやりとりには妻に協力してもらったり、業務によっては店舗のアルバイトスタッフさんにも協力してもらってはいます。でもプロジェクトのコントロールは自分がやっていきたですね。代理店のようなところを挟んでしまうとプロジェクトのコンセプトでもある『書店を身近に』というところからぶれてしまうと思うので。大変ですけど、そこは見失わずにやっていきたいです」

業界や地域とどう一緒に盛り上がって行くのか。自分たちのことだけに終わらない試みだからこそ、正和堂書店の試みが支持され、ブックカバーが全国に広がっているのだろう。牛乳石鹸とのコラボを経て、どのような協業が実現するのか。正和堂書店から目が離せない。

この記事のひときわ #やくにたつ
・所属している“場”をどう盛り上げるかが大事
・コンセプトを見失わない

取材・文=西連寺くらら

  1. 1
  2. 2

この記事の画像一覧(全10枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

お花見ガイド2025

お花見ガイド2025

全国1300カ所のお花見スポットの人気ランキングから桜祭りや夜桜ライトアップイベントまで、お花見に役立つ情報が満載!

CHECK!2025年の桜開花予想はこちら CHECK!河津桜の情報はこちら

花火特集

花火特集2025

全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

CHECK!全国の花火大会ランキング

CHECK!2025年全国で開催予定の花火大会

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る