キーワードは“原点回帰”。新ブランド「KAKERA」を立ち上げた4℃の信念と、新たな挑戦

東京ウォーカー(全国版)

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世代を超えて受け継がれるジュエリーを

4℃のジュエリーに対する口コミでは、品質の高さを絶賛するコメントがよく見られる。また、アフターケアも非常に充実している。手が届きやすい価格ながらも高品質なジュエリーを提供している同社の商品づくりのこだわりについて瀧口さんは次のように話す。

「たとえばKAKERAの『SILVER』コレクションの価格は7000円〜3万円台ですが、もとになっている銀という鉱物は長い時を経て銀になったわけで、この商品が100年持つということを意味します。我々は手に届く価格で商品をお売りしていますが、それがもしかしたら親から子へ、子から孫へ受け継がれるかもしれない。世代を超えられるジュエリーは想いを込められるものなので、我々はそこに責任も持ちアフターケアは可能な限りずっとやり続けます」

「低価格だから気を抜くということはありません。指馴染みを見てもらうとわかりますが、裏まで非常に繊細に作っているためつけたときにすごく滑らかに感じると思います。つけたときこそジュエリーは輝くものだと我々は考えているので、デザインだけではなく品質やつけ心地にもこだわっているのです」

KAKERAのジュエリーはクラシック感があり、懐かしさ・温かみを持った仕上がりになっている。「お守りになってほしいというテーマがあり、輝きのトーンをあえて落とすなど肌になじむようにしています」とのこと【撮影=山本晴菜】


国内ジュエリー市場の動向と、消費者ニーズの変化

近年のジュエリー市場における消費者動向の変化について、瀧口さんは「より女性が主導権を持っている」とし、「個性的なジュエリーをお求めになったり、自分らしいものを探されたり、非常にニーズは多様化していると思います。日常でつけるものは自分で選びたい、これはもう間違いない」とコメント。そのためKAKERAのショッピングバッグもリボンなどは使わず、シンプルなデザインにしたという。

KAKERAの商品包装。リボンなどの装飾はなく、シンプルでミニマムなパッケージを採用


また国内のジュエリー市場については、コロナ禍により落ち込んでいたが現在はほぼ2019年ごろまで戻っているとのこと。しかしその45%を占めるのは外資系ハイブランドで、ファッションジュエリーはそこまで伸びていないのだという。「だからこそいろいろな提案をして、一生持っていられて想いが込められるジュエリーというものを、もっと身近なものにしていきたい」と話す。

ジュエリー市場が盛り上がるクリスマスの時期、同社が発表している今年(2023年)のクリスマスコレクションについても聞いたところ「非常に好調です」とのことで、11月後半時点で昨対168%ほどの売れ行きだという。行動制限の解除に加え、「匿名宝飾店」の効果もありそうだ。

2023年発売の4℃のクリスマスコレクション、テーマは「BLESSING BLUE」


顧客の声に寄り添い、ブランドのニュースタイルを作っていく

「KAKERAは2023年11月27日に生まれましたが、お客様の声を聞きカスタムアップしながら、3年先くらいに本当のKAKERAになればいいなと思っています」と話す瀧口さん【撮影=山本晴菜】


「会社としては最高益が2016年で250もの店舗がありましたが、時代の変化やコロナ禍などさまざまな要因もあり100店舗ほどになっています。業績は2016年がピークでしたが、ただ売り上げを追うのではなくグッドカンパニーを作っていきたいと社員とも話をしているので、このブランドもそのための試みのひとつです」

「我々の使命はジュエリーを広めていくことですし、広めていった対価として企業業績が上がっていくと考えています。これまでのように大きなブランドを作っていくというよりは、スモールなブランド群を作りお客様の多様なニーズに応えられるようにしていきたい。また、『匿名宝飾店』によって原点に戻った4℃はよりコレクションを磨いてブランド価値を高められるように努力していきたいと思っています」

「ブランドを増やしプラットフォームを広げることで、将来的には単一ブランドではなくセレクトショップをやるかもしれませんし、ほかにもさまざまな形に広がっていけるように、お客様の声を取り入れながら4℃のニュースタイルを形作っていけるよう頑張ってまいります」

50周年を迎え、ブランドの在り方を見つめ直し「お客様を幸せにするジュエリーを作る」という原点に立ち返ったエフ・ディ・シィ・プロダクツ。新たなブランドを増やしプラットフォームを広げつつ、既存のブランドはより消費者の声やニーズに寄り添いブラッシュアップしていくという。モノづくりへの信念を貫きながら時代に合わせ進化を遂げる同社の、今後の展開から目が離せない。

この記事のひときわ #やくにたつ
・原点に戻りブランディングを見つめ直す
・時代の変化に沿ってブランドの在り方を柔軟に変えていく
・ユーザーが本当に求めるものに目を向け商品を作る

取材、文=山本晴菜

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