ラッコやジュゴン…めずらしい生き物に会いに行こう!鳥羽水族館で見られる貴重な生き物4選

東京ウォーカー(全国版)

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約1200種類、合計3万点もの海や川の生き物を飼育する、国内最大級の水族館「鳥羽水族館」(三重県鳥羽市)。その中には日本で唯一、ここでしか見られないという、めずらしい生き物もたくさんいる。今回はそんな「鳥羽水族館」で見られる、貴重な生き物4種類を紹介しよう。

日本でここだけ!「ジュゴン」

人魚伝説のモデルになったと言われる「ジュゴン」は、国際保護動物に指定されている貴重な生き物。インド洋および太平洋西部の沿岸域に生息しており、主に海草を食べる草食獣だ。体は灰褐色で、体長は3メートル前後、体重は300〜400キロほどになる。

ジュゴンは人魚伝説のモデルになったと言われる哺乳類photo by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


日本国内でジュゴンを飼育している水族館は、なんと「鳥羽水族館」のみ!世界を見渡してみても飼育している水族館は3館しかないという、非常に貴重な生き物だ。同館では1987年よりメスのジュゴン「セレナ」を飼育。体長260センチ、体重約380キロで、性格は甘えん坊。食事は海草やロメインレタスなどを1日およそ30キロも食べるそうだ。

セレナは飼育係が大好きな甘えん坊なのだとかphoto by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


日本国内では沖縄の海に生息していると見られるジュゴンだが、その数はごくわずかと言われており、絶滅するのではないかと不安視されている。また世界的にも絶滅が危惧されており、近い将来、出合えなくなる可能性がある。

水槽をのんびり泳ぐ海獣「アフリカマナティー」

ふっくらとした大きな体と、なんとも言えないかわいらしい顔が人気のマナティー。草食性の海獣で、水面に浮かぶウォーターレタス(海草や水草)を食べて生活している。マナティーの仲間は国内の水族館4館で飼育されているが、「アフリカマナティー」は「鳥羽水族館」でのみ飼育。アフリカマナティーは、国内では唯一「鳥羽水族館」でしか見られないのだ。

水面に浮かぶレタスや牧草を食べるアフリカマナティーphoto by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


「アフリカマナティー」はアフリカ西部近辺に生息。体長は3メートル前後で、体重は250〜900キロにもなる。「鳥羽水族館」のアフリカマナティーは1996年に同館に来て以降、約27年間ここで飼育されており、長期飼育に成功した貴重な例だ。

2010年に鳥羽水族館に来たアフリカマナティーの「みらい」photo by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


「鳥羽水族館」では1996年に入館したオスの「かなた」と、2010年に入館したメスの「みらい」、2頭のアフリカマナティーを飼育している。どちらものんびりと水槽の中を泳ぐ、というより浮かんでいる姿が印象的。なんとなく怠惰な動きに見えて、それがまたかわいいのだが、危険を感じると時速20キロほどで泳ぐことができるらしい。

水族館のアイドル「ラッコ」

「鳥羽水族館」で飼育されているラッコの「メイ」と「キラ」は、愛らしい仕草がSNSなどで大バズり中。今や「ラッコブーム」が起こりつつある日本だが、ラッコはメイとキラを含めて、国内でわずか3頭しか飼育されていない。

1日3回の食事の時間には、メイとキラのパフォーマンスを見ることができるphoto by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


30年ほど前には日本国内で28カ所、122頭のラッコが飼育されていたというが、2023年12月現在では3頭のみに。飼育頭数の減少理由は、国内で繁殖する数が減ってしまったことなどが挙げられる。

鳥羽水族館では、2023年10月にラッコ飼育40周年を迎えたphoto by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


「鳥羽水族館」では、1日3回の食事の時間に、2頭と飼育員のパフォーマンスを見ることができる。観客に喜ばれているさまざまなパフォーマンス、実は健康状態を確かめるためのトレーニングの一環なのだそう。

その愛らしい仕草がSNSで拡散され、今や“鳥羽水族館のアイドル”となったphoto by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


食事時間が近くなると、水槽前には多くの人だかりができる。特に土曜・日曜・祝日は、食事開始の1時間前から場所取りをする人もいるほどの人気ぶりだ。近い将来、日本国内では見られなくなるかもしれないラッコたちに、ぜひ会いに行ってみよう。

赤ちゃんが誕生「イロワケイルカ」

1987年3月に「鳥羽水族館」で日本初公開された「イロワケイルカ」。南アメリカ大陸南端付近の冷たい海に生息しており、平均体長約135センチ、体重約40キロという世界最小クラスのイルカだ。白と黒の鮮やかな色分け模様から“パンダイルカ”とも呼ばれる。

親子で仲良く泳ぐイロワケイルカphoto by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


かつては日本国内いくつかの水族館で飼育されていたイロワケイルカだが、2023年12月現在は2館のみ。合計7頭が飼育されている。「鳥羽水族館」では1990年生まれのイロワケイルカ「ララ」のほか、メスの「ステラ」とオスの「カイ」、その間に生まれた「アース」と「コスモ」の合計5頭を飼育している。コスモは2023年6月に生まれたばかりで、同館でのイロワケイルカの出産は20例目となった。

2023年6月21日に無事誕生したイロワケイルカの赤ちゃん「コスモ」photo by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


ちなみに、「コスモ」という名前は公募で決定。「親や兄の名前が宇宙や自然に関係していることから」や「地球を超える宇宙のように大きな存在になることをイメージして」という理由から「コスモ」と名付けられたという。名前の公募には、合計1636通もの応募があったそうだ。

誕生直後は全身がグレーだった赤ちゃんだが、成長するにつれて徐々に白黒模様になってきたphoto by Kanji Furukawa / (C)KADOKAWA


イロワケイルカは、国際自然保護連合(IUCN)レッドリストで、「低危険種」に分類されており、近い将来に絶滅する見込みは低いとされている。しかしながら、日本国内では「鳥羽水族館」を含む2館でしか見られず、なかなか出合えない貴重な生き物だ。

今回紹介した生き物の中でも、「鳥羽水族館」のジュゴン「セレナ」は、現在飼育日数世界記録を更新中!ジュゴンをはじめ、貴重な生き物たちが見られなくなってしまう前に、ぜひ早めに会いに行ってみてほしい。

【取材・文=民田瑞歩/撮影=古川寛二】

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