「パサパサしておいしくない」というバームクーヘンのイメージを払拭!滋賀県発「クラブハリエ」の戦略とは?
東京ウォーカー(全国版)
バレンタインに参戦!バームクーヘン以外のお菓子にも自信あり
「クラブハリエ=バームクーヘン」というイメージが定着しているが、近年では各百貨店で開催されるバレンタインのイベントにも参加し、そこではチョコレート菓子を販売している。
そのきっかけは、2010年7月5日、6日にアメリカ・アリゾナ州のフェニックスで行われた製菓の国際コンクール「WPTC2010(World Pastry Team Championship)」で、クラブハリエのシェフがリーダーを務めた日本チームが優勝したことだ。この経験から「『クラブハリエ=バームクーヘン』のイメージを変えられる。バームクーヘン以外のお菓子でもやっていける、という自信がつきました」と筧さん。
翌2011年、阪急梅田本店で行われたバレンタインイベントに初めて出店し、それからは出店先の百貨店の数を増やしているそうだ。
バレンタイン限定商品の中でも特に人気なのが、2014年に誕生した「ハートブラウニー」。遊び心あるデザインで、ひとりでも食べやすく、シェアもしやすいことが人気の理由。
「ハートブラウニーはちょっと珍しい誕生の仕方をしているんです。クラブハリエで初めて『ウォーターカッター』という機械を導入した際に、『それを使って何か作れないか』と考え抜いた結果、誕生しました。熱が発生しないウォーターカッターはチョコレート菓子をカットするのに適していて、曲線もカットできるので、『ハート形にしたうえで中をくり抜いてパズルのようにしたらおもしろいのではないか』という話になりました。商品の企画ではなく、機械の導入が先行して作られたものということです」

10周年の節目となるこの冬は、新たにいちご味とキャラメル味が追加されて、計5種類もの味がラインナップ。また、サイズの見直しを行い、小さめにすることでさまざまな味を楽しんでもらえるようにしたという。「今後もバレンタインイベントには注力していく」と筧さんは意気込んだ。

「日本中だけでなく世界中の人々にクラブハリエの味を」
滋賀県の観光スポットとして、SNSを中心に話題となっている「ラ コリーナ近江八幡」。たねや・クラブハリエのフラッグシップ店で、“お菓子の素材は自然の恵み”というメッセージを発信する施設だ。「まるでジブリの世界」とも称されるラ コリーナ近江八幡では、2023年、新たに「バームファクトリー」というクラブハリエ最大級のバームクーヘン専門店も併設された。
「コロナ禍では1カ月休業するなど大きな打撃を受けたものの、現在では県内外だけではなく、海外からの観光客も増えました。今後も、日本国内はもちろんですが、世界中の方に来ていただきたいですね。まだまだクラブハリエが出店できていない地域は多くあります。そういった地域の方々にも、一度クラブハリエこだわりのバームクーヘンを食べていただければと思います」

かつてのバームクーヘンのイメージを一変させたクラブハリエ。今一度、その50年の歴史から成る味わいを確かめてみては。
取材・文=織田繭(にげば企画)
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