理想の未来「車屋2.0」に向けて徹底した透明性主義で中古車業販日本一に!バティカ中野優作社長が語る、中古車業界改革の裏側

東京ウォーカー(全国版)

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新会社バディカダイレクト設立!早くも手応えアリ

ーーバディカダイレクト株式会社の設立おめでとうございます。早速ですが、同社はどのようなビジネスモデルなのでしょうか?

【中野優作】車の整備・修理出張サービスを展開する株式会社セイビーと提携し、インターネットを通じた中古車の販売サービスを行います。革新的なのは、営業スタッフが実名と顔出しで対応するところです。「透明性」と「誠実さ」をモットーに「ダマさないから、ネットで売れる。」というキャッチコピーを掲げています。お客さまには店舗にご足労いただくことなく、ご自宅でお好きな車を選んでいただき、選んだ車は担当スタッフが直接お届けいたします。

記者会見の様子。(左)株式会社セイビー取締役兼務・佐川悠さん、(真ん中)中野さん、(右)バディカダイレクト取締役・田端信太郎さん【画像提供=バディカダイレクト】


ーー2024年1月24日に開催された、設立の記者会見も話題になりましたね。

【中野優作】実は使用したスライドを作り始めたのが、記者会見の2日前だったんです。また、バディカダイレクトのロゴが入ったパーカーのデザインは、人気ブランド「#FR2」を手掛ける石川涼さんにお願いしたのですが、これが届いたのは記者会見の前日でした。

パーカーのデザインを含め、これまでの中古車業販のイメージを変えていくのも、中野さんおよびバディカのミッションのひとつ【画像提供=バディカダイレクト】


【中野優作】記者会見の準備段階では、ITのスタートアップが行うような典型的な進行でプロットを組んでいました。ですが、リハーサルでうまく話せなくなり、頭を冷やすために渋谷の街を2時間ほど歩き、車を眺めていました。オープンカーで騒ぐ外国人や、東京でデートを楽しむ、初心者マークのついた車に乗るカップルを見ているうちに、自分は車が好きなんだと気づきました。

【中野優作】以前は、車への興味が薄いと思っていましたし、営業の仕事も、車に興味がないからこそ、フラットな気持ちで売れると考えていたんですけどね。そこからいろいろと考えていたのですが、この想いを「若い世代へのメッセージにして伝えないといけない」と思ったんです。そして、車好きだった青年のころの自分自身の気持ちを、真摯に伝えることにしました。そう思った瞬間、話したい内容が急に降ってきたんです(笑)。

「僕は、クルマが好きです」から始まった中野さんのスピーチ。自分自身の気持ちを真摯に伝えた記者会見は、大きな反響を呼んだ【画像提供=バディカダイレクト】


ーーバディカダイレクトを創業して、手応えのほどはいかがでしょうか?

【中野優作】少し毛色は違うものの、ITのプラットフォームを駆使して車を販売している唯一の他社が、創業3年目で年間500台の取り扱いを達成していたんですね。私たちは初年度でそこまで行ければと話していたのですが、初月で80台を達成しました。

ーー1000台達成は見えましたね。

【中野優作】ちなみに3月は115台を達成しました。正直好評過ぎて、最近までバディカとバディカダイレクトともに、キャパオーバーしていたくらいです。それくらいの手応えはあります。加えて、クレームがないんです。都合のいいことを言った広告を打っていないので、本当に来たい人だけが来れる環境をつくれているんです。

ーー広告といえば、YouTubeの動画内で告知しているくらいですよね。

【中野優作】そうなんです。また、大規模な展示場などが不要なため、お客さまの経済的な負担を軽減できるのがいいのかなと。例えば、渋谷でロードサイド展示を行うと、1台展示するのに5万円以上かかりますが、千葉県野田市にある弊社の店舗「16号野田店」であれば、1台あたり約2000円で済むんです。

【中野優作】一方で「やっぱり大手の店舗がいい」「著名なタレントを起用したCMがいい」といった声もありますが、その費用も結局はお客さまの負担となってしまいます。ですが、バディカダイレクトのローンチを機に、「より安価に車を提供できる」という、私たちの仮説が証明できそうだと実感しています。

バディカダイレクトのスローガン「ダマさないから、ネットで売れる。」は、これまで多くの顧客の信頼と期待に応えるバディカの誠実な姿勢を象徴している【画像提供=バディカダイレクト】


バディカが描く理想の未来「車屋2.0」とは

ーーバディカダイレクトの創業によって、「車屋2.0」の実現に一歩近づいたと伺いましたが、具体的に「車屋2.0」とはどのような構想なのでしょうか?

【中野優作】まず、私は量的な設定はしていませんが、「お客さまと中古車販売店が互いに信頼し合っている状態」こそが中古車販売の新しい形であり、私たちが掲げる「車屋2.0」の理想だと考えています。これを実現する手段が、テクノロジーによるものかどうかは定かではありませんが、重要なのはやはり「透明性」だと思っています。

【中野優作】そして、私たちバディカが創業以来掲げているミッションは、「新車を作るのではなく、愛車を作ること」であり、ビジョンは「中古車を自動車業界の中心にすること」、つまり「流通革命」の実現を目標としています。

社員一人ひとりが目標に突き進む。そのため営業目標を前倒しで達成することが頻繁に起こるそうだ【画像提供=バディカダイレクト】


【中野優作】今でもディーラーが偉くて、その上に車のメーカーがいるというイメージが強く、中古車販売業者はその周辺で動いているという先入観が残っています。アメリカでは中古車が「レモン」つまり、故障しやすいと揶揄されることもあるため、私たちはそのイメージを払拭したいと考えています。

【中野優作】いずれは「俺、中古車販売業で働いているんだ!」と誇りを持って言え、尊敬されるような業界に変えたいのです。そうすることで、お客さまも安心して中古車を購入できるようになると信じています。

【中野優作】本当は誰もが新車を購入したいと思うんですよ。ただ高価格なので、仕方なく中古車を選ぶわけですが、それで満足感が得られないとテンションも上がらず、結果的に車を雑に扱ってしまうことも。そうなってほしくはないので、たとえ中古車であってもお客さまが「自分の相棒」として大切にできるような状態を提供することが、私たちの役割だと思っています。

「うちには、まるでギャグみたいにすごい人材が集まってくるんですよ」と語る中野さん。仕事に対して本気で取り組むバディカの姿勢が、優れた人材を引きつけているのだろう【画像提供=バディカダイレクト】


ーー中古車がなくなってしまったら、車を買えなくなる人も出てきますよね。

【中野優作】そうですね。実際に、日本の中古車は世界中で高く評価されており、日本人以上に外国人が日本の中古車を購入している事実があります。それなのに日本人だけが中古車に対してネガティブなイメージを持っているのはおかしいなと。だから私たちが、中古車販売の先駆者となり市場を牽引すれば、業界全体が活性化しますし、私たちの取り組みを見たお客さまが、より安心して中古車を購入するようになると思っています。

【中野優作】その様子を見て、同業他社は真似せざるを得なくなると思っていて、いずれは業界全体が「透明性」を主張し始めると予想しています。いや、すでに言っている企業はありますね(笑)。

「車屋2.0」の実現もそう遠くない未来なのかもしれない【画像撮影=西脇章太】


ーー早くも業界に革命が起きつつあるのですね。

【中野優作】業界の透明性が浸透して、私たちの業界に対する世間の認識が変わったとき、それが「車屋2.0」の実現を意味すると考えています。

この記事のひときわ #やくにたつ
・過去の競争を教訓にして、誰も損をしない業態を実現
・「透明性」と「誠実さ」を徹底し、顧客から大きな信頼を得る
・広告費などのコストを削減することで、中古車を低価格で提供

取材・文=西脇章太(にげば企画)

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