ヤン坊マー坊に大革命!批判も恐れずデザインリニューアルに踏み切ったヤンマーの想いとは?

東京ウォーカー(全国版)

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惜しむ声は受け止めつつ、新たなチャレンジに向かう

一般投票のために作られた3つのデザイン案は、いずれも近未来的、SF的で2人のキャラクターカラーである赤と青が際立つものになっている。これには「“あきらめない”、“ワクワク感、つまり未来への期待感”、“チャレンジ精神”を表現していきたいという想いを込めた」と語る南口さん。

「リニューアル案は社外クリエイター陣と当社デザイン部が協力して制作しました。新デザインのヤン坊マー坊は、“A SUSTAINABLE FUTURE”の実現に向けて挑戦を重ねていく企業姿勢を表すキャラクターです。候補案のすべてにヤン坊マー坊のDNAが継承されており、『心を動かし、未来を動かす』という共通コンセプトを持っています。どのデザインが選ばれても、“ヤン坊マー坊らしさ”が残るように、ヤン坊マー坊の定義の再確認から、デザインの細部に至るまでディスカッションを重ね、絞り込みました」

デザイン面で大きな変更がありつつも、ヤン坊が兄、マー坊は弟という設定は健在だ。

「ヤン坊マー坊の従来からの子どもらしさや2人の関係性は残すことで、これまでのヤン坊マー坊に愛着を感じてくださっていたみなさまからも親しみを持ってもらいたいと考えています。また、今回のリニューアルにあたってキャラクター設定をより深掘りし、2人の子どもらしさや関係性がわかりやすくなるようにしています。たとえば、弟が兄を慕っている傾向から、ヤン坊には『しっかりもの』という性格設定を明記しました。マー坊は好きなこととして過去にテレビゲームやラジコン、スポーツなどがあったのですが、そこを現代風にeスポーツとすることで、トレンドに敏感で好奇心旺盛な性格を表現しています」

ヤンマーの強い想いを込めて新しく生まれ変わったヤン坊マー坊。しかし、これだけ大きな変化に対しては、少なからずネガティブな反応もあったはずだ。

「惜しむ声が出ていることについて、しっかりと受け止めております。一方で、世の中の流れや私たちを取り巻く環境が大きく変化する中で、これまでのみなさまの支えや応援に感謝しつつ、ヤンマー自身も新たなチャレンジをしていくことが大切だと考え、大きな決断をしました。今回、投票という形でアクションを起こしてくださったみなさまに心より感謝を申し上げたいです。一般投票という形で国や地域を問わず幅広い世代の声や想いを反映することで、未来にわたって愛されるキャラクターとして、さらに活用の場を広げていきたいと思います」

新しいヤン坊マー坊のノベルティはすでに展開中で、今後もラインナップを増やしていく予定だそう。

YANMAR TOKYOの設置パネル【画像提供=ヤンマーホールディングス株式会社】

「各種イベント・展示会でも新デザインのヤン坊マー坊の活用を検討中です。ヤンマーミュージアムについては2024年度中を目途に順次切り替えていく予定にしており、多方面で活躍させていきたいと考えています」

ヤン坊マー坊起用の場としてすでに動いているのがヤンマーオリジナル商業アニメ「未ル」だ。

ヤンマーが制作・プロデュースを手がけるオリジナル商業アニメ「未ル」のキービジュアル【画像提供=ヤンマーホールディングス株式会社】

「『未ル』は企業ブランディングムービーではなく、ヤンマーが制作・プロデュースを手がけるオリジナル作品です。主人公が未来を変えるべく、仲間たちと力を合わせて努力し、ロボットと関わりながら成長していく物語です。アニメのストーリーに、持続可能な社会の実現に向けたヤンマーの想いを込めつつも、あえて『ヤンマー』を全面に出さない商業アニメとすることで、ストーリーを通してヤンマーの取り組みへの共感を増やすことを目的にしています。また、アニメが世界の共通言語となる中、海外での認知拡大の狙いもあり、アメリカ・ロサンゼルスで開催されたアニメイベント『Anime Expo 2023』への出展も行いました。ヤンマーオリジナルのアセットを制作し、中長期的なブランディングへの活用も見据えての取り組みです」

「あえて『ヤンマー』を全面に出さない」としつつも、メインビジュアルに登場する巨大ロボットの顔はヤンマーのロゴが潜み、ショベルカーのバケットが装備されるなど、デザイン面でもさりげなくヤンマーらしさが盛り込まれている。

「未ル」に登場する巨大ロボットの原案。ヤンマーのインハウスのデザイン室が担当した【画像提供=ヤンマーホールディングス株式会社】

「このロボットは当社デザイナーが原案を担当しています。デザイン部では、普段から製品の使われる場面やお客様をイメージし、人に寄り添う本質的なデザインを行っています。今回のロボットデザインも製品デザインと同様に、本質的な意味を込めたデザインを意識しました。あくまでロボットは人のためにあると考え、人に寄り添う有機的なフォルムと力強く機能的なアタッチメントを両立させるデザイン。対極的な組み合わせにより、独特の美意識を表現しています。ショベルカーも人の生活を支える産業機械であるように、この作品に登場するロボットは戦うための兵器ではなく、人に寄り添う存在として役割を果たすというのも特徴です」

「未ル」の公開時期や、ヤン坊マー坊がどのように登場するかは、決定したタイミングでリリースを発表していくそうだ。

ヤン坊マー坊のコンセプト「心を動かし、未来を動かす」、「未ル」のテーマから伝わってくるのは明るい未来に向かっていくというヤンマーの強い意志。ヤンマーでは、2024年1月に18歳から59歳を対象に未来に関する意識調査を実施している。

「この調査で、50%以上が自身や社会の未来に『不安を抱えている』と回答しました。一方で、このような状況の中でも未来を担う18歳から24歳の次世代層は、約60%が『やりたいことを見つけたい』と感じていることがわかりました。さらに次世代層の約70%がやりたいことを見つけるために体験機会が必要と考えていることも明らかになりました。今回、次世代層の『やりたいことを見つけたい』という想いや悩み、葛藤に着目し、このような秘めたエネルギーもまた、未来を動かす力だと考えています。今後ヤンマーは、次世代の気持ちに寄り添い、さまざまな体験機会を提供することにより、よりよい未来につながる心動かす瞬間をサポートしていきたいと考えています」

人々の心に寄り添い、ポジティブなエネルギーに変えていく。ヤンマーの想いをのせて新しいヤン坊マー坊が人々の先頭に立つ姿を見る日も近そうだ。

取材・文=西連寺くらら

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