コーヒーで旅する日本/九州編|コーヒーはどんなパズルにもはまるピース。「CARVELL」が表現する新しいコーヒーのカタチ

東京ウォーカー(全国版)

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全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。
なかでも九州・山口はトップクラスのロースターやバリスタが存在し、コーヒーカルチャーの進化が顕著だ。そんな九州・山口で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

古着店とコーヒースタンドが融合した福岡市・白金の「CARVELL」

九州編の第106回は福岡市白金にある「CARVELL」。レコメンドしてくれたA little COFFEEの牛島バリスタから「古着のお店とコーヒースタンドが一緒になったちょっと変わったスタイル」と聞いていた通り、店に入るとまずはアメリカやヨーロッパで買い付けたという古着が並び、奥に照明の感じから異なるややアンバーカラーな空間が広がる。ここがバリスタの砂田さんが営むコーヒースタンド。入口は1つだが、古着店とコーヒースタンドは別の店舗のように感じる。

古着店の方は大きな窓から自然光が入る

もちろん、古着とコーヒーの両方を目的に立ち寄っても良いし、古着を見るだけでも、コーヒーを楽しむだけというのもまた良し。ここでの過ごし方はとても自由だ。もともと福岡が全国に誇るコーヒーショップ、REC COFFEEで長年研鑽を積んだ砂田さんは、あえて独立に際し、このスタイルを選んだ。その理由とは。

コーヒースタンドを営む砂田勉さん。ベンさんの愛称で親しまれている

Profile|砂田 勉(すなだ・つとむ)さん
広島県出身。広島のカフェやレストランなどで働いた後、上京。東京ではアパレルショップやメガネ専門店などで働く。転勤で住んだ福岡でコーヒーに強く惹かれ、REC COFFEEの門を叩く。日々バリスタとして店舗に立ち、およそ1年で薬院店の店長に。その後、福岡エリアの店舗を統括するマネージャー職を経験。約6年間、REC COFFEEに在籍し、卒業。2024年6月、アパレル関係の友人と一緒に「CARVELL」をオープン。

コーヒーを学ぶなら福岡だ

コーヒーはもともと好きだったが、福岡でよりその魅力に惹かれた

広島県出身の砂田さんは地元で飲食、4年ほど住んだ東京ではファッション系の仕事に就き、その当時、転勤のため福岡で1年ほど暮らした。この福岡での暮らしが一つの転機となったという。
「地元の広島や東京でいろいろな仕事をしてきて、やっぱり飲食の世界で生きていきたいという思いを徐々に強くしました。そんな思いをおぼろげに抱きながら暮らした福岡で目にしたのは、この街、そして多くの人の暮らしにコーヒーが根付いているという福岡独自のコーヒーカルチャー。東京も当然コーヒーショップは多かったのですが、福岡はコーヒーが日々の生活にしっかり馴染んでいると肌で感じ、コーヒーのことを追求していくなら、絶対にこの街だという直感がありました」と砂田さん。

【写真】ドリップコーヒー(650円)。カップは唐津焼「三里窯」の水上敬海さんに特注で作ってもらったもの

そこで門を叩いたのがREC COFFEEだった。その理由を砂田さんはこう話す。
「ジャパンバリスタチャンピオンシップを2連覇し、さらにワールドバリスタチャンピオンシップ2016で2位に輝いたことがある岩瀬バリスタのもとで働ける環境に強く惹かれました。もちろん常に直接指導してもらえるわけじゃないのはわかっていましたが、この場所で日々研鑽を積んでいるバリスタの多くはモチベーションが当然高い。そういう場所に身を置いて、基礎からしっかり学ぶことが自分を一番成長させてくれると感じてREC COFFEEで働くことを熱望しました。もともと35歳で独立したい目標を持っていることは伝え、それでも快く受け入れてくれたことに感謝しかありません」

バックボーンや物語の大切さを伝える一つの手段

REC COFFEEでバリスタとして腕を磨いた

砂田さんは洋服の着こなし、ヘアスタイルなどすべてがスマートで、首元や胸元にちらりと見えるタトゥーも相まってどこかアウトローな雰囲気を漂わせる。ただ物事の考え方は非常にロジカルで、人柄は穏やか。なにより、そのクールな見た目とは裏腹に、話し方も柔らかく、とても紳士的だ。

テイクアウトカップでコーヒーを飲みながら古着を見るのもOK

REC COFFEEで働いていたころは薬院店の店長を経て、最終的には福岡エリアにおける店舗統括を任されていたというから、人望の厚さもうかがえる。砂田さん自身、「REC COFFEEにはおよそ6年在籍させていただきましたが、バリスタの知識や技術はもちろん、店舗運営についても学ばせていただきました。ちょうど店舗数も増え、それに比例しスタッフの数も増えていた時期に、そういう経験ができたのは僕の大きな財産になっています」と当時を振り返る。

円錐型ドリッパーを使うことが多い

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