夜の町を撮影していたらまさかの心霊写真が。カメラ目線でポーズを決める幽霊の願いとは【作者に聞く】

XやInstagramでイラストや漫画を発信しているせきやよい(@sk_yayoi3)さん。2020年からイラストレーターとして本格的に活動を開始し、今ではループアニメーションやGIF動画などのショートアニメーションのほか、MV用イラストや書籍の装画、挿絵、ジャケットイラストの制作、個展開催、グッズ販売など幅広く活躍。温かさが伝わってくる人物の表情や柔らかい色使いが魅力で、2024年に公開した漫画「日暮夕子は今日も想い出を盗る」もファンから好評だ。

ウォーカープラスでは「日暮夕子は今日も想い出を盗る」を、せきやよいさんのインタビューとともにご紹介。こだわりポイントやお気に入りのシーン、見どころや制作の裏側、作品への思いなどを、連載として全5回でお届けする。

第5回となる今回は、夕子だけにしか見えない少女の切ない思いを描く9話。少女からあるお願いをされた夕子は戸惑いながらも、大切なカメラで奇跡の一瞬を残すためにシャッターを切る―。

少女の思いに「多分こいつめちゃくちゃ楽しそう、見えないけどさ」

――主人子・夕子のキャラクター性については以前お聞きしましたが、ほかの登場人物の設定なども教えてください。

「主要キャラとなる千代さんは夕子と同じアパートに住むお隣さんなのですが、夕子とは正反対の性格で、活発で朗らか、どんなコミュニティにも溶け込むタイプ。モデルはこの人！というよりは、身近ないろんな人たちが合わさってできたキャラクターです。お気に入りのキャラクターは夏希ちゃんです。彼女は幽霊なのですが、気が強く、ちょっとツンデレで明るい、子どもだけどどこか大人びた雰囲気を持ち合わせているところがすごく好きです。ツンツンしている子が見せるとびきりの笑顔、あのギャップが大好きで、夏希ちゃんにはそういう自分の癖が詰まってます」

――「日暮夕子は今日も想い出を盗る」9話のこだわりポイントを教えてください。

「手元にある写真にまさかの幽霊が…。心霊写真!?と恐る恐る見てみると、そこにはすごく明るい笑顔でキラキラした女の子が…夕子にしか見えない幽霊が伝えたいこととは…というお話です。9話では季節がグッと冬に近づく雰囲気になっています。夕子の服装が秋仕様から冬仕様に変わっているところも注目です！個人的にショートブーツを合わせているコーデが大好きで、1ページ目の夕子の格好はそういったところも意識して描きました。見どころは夏希ちゃんと涼くん、小春ちゃんの３人が夕子の構えるカメラに向かって、ポーズを取るシーンです。イチョウが舞う黄色い世界で３人が落ち葉を持ってポーズをするのですが、それぞれ落ち葉、紅葉、イチョウを両手に持って顔に当てていて、本当にかわいいんですよね。最後に涼くんが写真を見て『もう1人いるみたいな感じがして』と言う場面。子どものころは〝視える〟とよく言いますが、ネガティブな方向ではなく、視えたり感じたりするものが優しいものだったらいいな、という思いでこのシーンを描きました」

最終回となった今回、今後の目標などを尋ねると「リアルイベントにまた参加したいなと考えています。特に、憧れのコミティアはお客さん側として行ったことはあるのですが出展は未経験なので、いつか叶えられるよう頑張ります！自主制作では、散歩や食べることが好きなのでそういったお話のエッセイ漫画を描きたいことと、セリフの音声や効果音を入れたショートアニメーションも作りたいと沸々と考えています。作りたいもの、やりたいお仕事もまだまだたくさんあるので、今後もものづくりや絵を描く生活を続けられるよう日々精進してまいります！」と話してくれた。

取材協力：せきやよい(@sk_yayoi3)