コーヒーで旅する日本/九州編|別府の日常に根づき、温泉地ならではのコーヒーも作る。「オセロスペシャルティコーヒーロースター」は次の10年へ
東京ウォーカー(全国版)
全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。
なかでも九州・山口はトップクラスのロースターやバリスタが存在し、コーヒーカルチャーの進化が顕著だ。そんな九州・山口で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

九州編の第113回は大分県別府市にある「オセロスペシャルティコーヒーロースター」。今年で開業10周年、スペシャルティコーヒーに特化するロースタリーとしては大分県内では先駆け的存在だ。もともとカフェ利用もできるようにしていたが、今は焙煎と豆売りに特化したスタイルにシフトチェンジしているのは、地域の暮らし、日常にしっかりと根付いている証だろう。
別府市で生まれ育ち、観光ホテルでセラピストとして10年ほど働いた経験を持つ店主兼ロースターの高部美希さん。なぜコーヒーの焙煎士の道を目指したのか、そして10年の節目を迎えた今、どんな目標を持っているか聞いてみたい。

Profile|高部美希(たかべ・みき)さん
大分県別府市生まれ。もともと両親が別府市内でジャズ喫茶を営んでいたことから、子どものときからコーヒーと身近に関わる。高校卒業後、観光ホテルで働きながら趣味で手網焙煎を始めたのが本格的なコーヒーの入口。ロースターを目指すため、前職のセラピストを退職。2015年9月、「オセロスペシャルティコーヒーロースター」を開業。2016年、Qアラビカグレーダー、Qロブスタグレーダーの資格を取得。現在は豆売り専門店として営業。
別府の日常に癒やしを

全国有数の温泉地、別府市の秋葉通り沿いに小さく掲げられた看板。ガラス戸越しに見える大きな焙煎機がシンボリックなコーヒーショップが「オセロスペシャルティコーヒーロースター」だ。外から見えた焙煎機は、半熱風式のフジローヤル15キロで、きれいに塗装・整備されているが、メーカー名の刻印やフォントなどから、歴史あるマシンだとわかる。聞けば半世紀以上前の焙煎機で、宇佐市の老舗喫茶から譲り受けたものだと店主の高部美希さんが教えてくれた。

ただ、実はこちらの焙煎機を導入したのは2024年で、長年メインの焙煎機として愛用しているのはオランダGIESENの1.5キロ釜。そしてGIESENの前、開業時から数年使っていたのが半熱風式のフジローヤル1キロ。そんな焙煎機の変遷からも、きっと店を開いてからの10年でいろいろな変化があったのだろうと推察できる。まずはどんなきっかけでコーヒーの世界に飛び込んだのかを聞いてみた。

「もともと別府市内の観光ホテルでセラピストとして働いていたんです。お客さまをマッサージするなど、肉体的には結構ハードな部分もありましたが、お客さまに癒やしの時間をご提供しているというやりがいや楽しさもありました。そして、そんな仕事の合間に飲むコーヒーに私は癒やされていて、ふとセラピストもコーヒーも“癒やし”という部分は同じだなって思ったんです。セラピストは非日常の癒やし、コーヒーは日常の癒やし。より多くの人に、日常的に癒やしの時間をご提供できるコーヒーって、すてきだなって考え始めたのが惹かれたきっかけ。ちょうど前職を続けるか、違う道に進むかを選ぶタイミングでもあったので、思い切ってコーヒーの道に進もうと決めました」と高部さん。
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