ニホンミツバチの養蜂や保護活動を通して、自然環境や環境保全に貢献する「マミリカズ」

東京ウォーカー(全国版)

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環境の変化により昨今減少傾向にあるといわれるニホンミツバチ。地域によっては絶滅の恐れが高いともいわれている。そのニホンミツバチを養蜂し、自然環境を守ることにつなげようと愛知県稲沢市で活動する「マミリカズ」の佐々木雅弘さんに話を伺った。

働き蜂としても知られるニホンミツバチ


佐々木さんがニホンミツバチの養蜂に取り組み始めたのは、2017年にあるテレビ番組を見たことがきっかけだ。「都会のビルの屋上でも養蜂ができることを知って、最初は好奇心から見よう見まねで始めてみました」。

最初は1群だけから養蜂をスタート。1群とはいえ、その数は8000〜1万匹にも及ぶ。最初は失敗の連続だったと佐々木さん。「ミツバチが病気になって死んでしまったり、うまく育ってくれなかったり。途中でスズメバチが襲ってきたこともありました」。スズメバチは、ニホンミツバチにとっては天敵。ニホンミツバチ自身はもちろん、巣にいる幼虫やサナギまで食べ、蜜も自分たちの巣箱へ持ち帰ってしまう。「ニホンミツバチは自分たちでスズメバチから身を守る術を持っていますが、それでも全滅してしまうこともあります。どうしたらいいか自分で調べたり、ニホンミツバチを養蜂している方に聞いたりして、スズメバチが巣箱に入らないような対策をしました」と佐々木さんは振り返る。

【画像】巣箱から蜜を探しに飛び立つニホンミツバチの様子


2018年からは蜜が取れ始め、2019年からニホンミツバチのはちみつとして販売をスタート。年に数回蜜を収穫できるセイヨウミツバチとは違い、ニホンミツバチは10〜11月頃の年1回しか採取できず、またセイヨウミツバチより収穫量も少ないため貴重。佐々木さんのところでも、1年に20キログラムほどしか採取できないこともあるという。

おいしさにも違いがある。セイヨウミツバチは単花蜜であるのに対し、ニホンミツバチは複数の花から蜜を集めるため、百花蜜ともいわれ、味わいが深いのも特徴だ。佐々木さんは、はちみつを非加熱、非加工で昔ながらの垂れ蜜方法で採取する。「食べていただいた方からは、味が違うね、奥深いねと喜んでいただいています」と佐々木さん。オリジナルのはちみつは、稲沢市のふるさと納税の返礼品にも選ばれた。「ニホンミツバチのはちみつのおいしさをより多くの人に知っていただけることや、地域貢献ができていることがうれしいです」。

さまざまな花から蜜を集めるニホンミツバチ

重箱式の巣箱で、巣の上側にはちみつを貯め、下側で幼虫を育てる

地元愛知の三英傑にちなんで「日本みつばち三英傑」と名付けられた商品

はちみつの酒「SOBUE MEAD」

地元や県内のイベントに出店し、ニホンミツバチやはちみつの魅力をPR


養蜂の楽しさは、「ニホンミツバチ自体がかわいいと感じるところ」と佐々木さんはいう。またミツバチたちの様子を間近で見ながら、「ミツバチたちの受粉活動がなくなったら果樹栽培など農業にも大きな影響が出ると思います。あらためてニホンミツバチの数がもっと増えて、快適に生きていける自然環境を守らなくてはいけないと強く感じています」とも。こうした現状や、佐々木さんの思いを次の世代へ伝えようと、地元の中学生を対象に体験学習も開催。生徒たちからは「ニホンミツバチの生態系を初めて知った」「はちみつがおいしい」とさまざまな感想が聞かれた。佐々木さんは「今後も機会があれば行っていきたい」と意欲的だ。

「今後はもっと数を増やして保護活動を広げていきたい」と話す佐々木さん。ニホンミツバチは毎年4〜6月に女王蜂が産卵を始めて、新女王蜂も誕生し、分蜂(巣が分かれること)も盛んに行われる。「ニホンミツバチの数を増やすには、砂糖水をあげたりすることもありますが、私は自然界のもののみ、ニホンミツバチが持つ力だけで数を増やしていきたい。そのために今後も養蜂活動に力を入れていきたいと思いますし、養蜂家も増やしていけたらと思っています」。

「ニホンミツバチの養蜂を通して自然環境を守りたい」と話す佐々木さん(右)

植物にとっても受粉という重要な働きをするニホンミツバチ

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