【ホラー】不気味な妖怪「灰入道」がもたらす表と裏…小学生たちの冒険のゾッとする結末【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)

30度超えの日が多く、厳しい暑さが続きそうな今年の夏。ウォーカープラスでは、ゾッと震えるようなホラーから、暑さを忘れさせる怪談など、夏の季節に読みたい漫画を特集する。今回は、大家(
@ksyjkysk
)さんの創作漫画『僕らの夏と灰』を紹介したい。
真実がわかってから読むと見え方が変わる子どもたちの冒険
『僕らの夏と灰』は、大家さんがオリジナルの創作漫画として2018年の「コミティア」にて発表した作品。少年「カズ」や「恭介」をはじめ5人の少年少女たちが、小学生最後の夏、自分たち以外の誰にも見つからずに森の中の秘密基地で過ごそうと挑戦する物語だ。


不慣れな森で、5人とも崖から落ちるといったトラブルに見舞われたこともあり、カズはこれをあくまでゲームだと捉えていた。しかし、恭介は真面目な顔で「大人になるための儀式」だとたしなめる。そんな5人はある夜、捕まった子どもが神隠しにあうという不気味な存在「灰入道」を目撃する。


危険を感じる中、恭介は灰入道を倒すことを提案。その真意を知ったカズたちは、力を合わせて灰入道に挑むが――、というストーリー。
子どもたちによる一夏の冒険譚のようだが、作者の大家さんが「この話は最初から消防団に発見されるまでカズの妄想です」と解説するように、その認識が揺さぶられるどんでん返しの結末と、遡って森の中で実際にカズは「何をした」のかを考えると恐ろしい真相が見えてくる作品。森の中で過ごした時間の中に多くの伏線が散りばめられている。

大家さんはオリジナル作品のほか、“著作権フリーの怪談”をツイキャス上で語る怪談ラジオ「禍話」を原作にしたホラー作品も描く。「『学校の怪談』のようなオカルトと子どもが登場する作品が好き」と語る大家さんは、夏に開催されたコミティアに向け、夏を題材にした作品として本作を描いたという。


終盤、森の中でカズの腕を「灰入道」が掴むが、次のコマではヘッドライトをつけた捜索隊員の姿に変わっている。「灰入道はカズの妄想を具現化して、あたかもみんな生きているように見せていました」と、本作の仕掛けの一端を明かす。その「灰入道」はシンプルに怖く表現できるように、真っ暗な自然の中で異質感が出るよう心掛けてデザインしたそう。
灰入道という妖怪のもたらす恐怖、そして残酷な現実の恐ろしさが重なりあった一作だ。
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取材協力:大家(@ksyjkysk)
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