コーヒーで旅する日本/九州編|クラシカルなサイフォンとストリートカルチャーの組み合わせ。「SHIROUZU COFFEE ROASTER」
東京ウォーカー(全国版)

店のスタイルはいわゆるカジュアルなカフェで、来店する客層も若者が多かったが、そこでクラシカルな抽出器具であるサイフォンがいい意味でギャップになった。着実に店のコーヒーのファンを増やし、2015年に転機を迎える。それが中央区警固の2店舗目の開業と、自家焙煎へのシフトだ。
もともと珈琲舎のだで焙煎にも携わっていたものの、あくまでサポートという程度。ただ、自身のカフェを営む中で、もっと「SHIROUZU COFFEE」らしさを表現していきたいと強く考えるようになった白水さん。

「おのずと焙煎に興味を持ち、たどり着いたのが生豆の個性やフレーバーをしっかりと表現した、いわゆるスペシャルティコーヒーらしい一杯でした。当時、いろいろ情報を調べてそれらを引き出しやすい焙煎機であるギーセンを採用したのですが、この選択は正解でしたね。ギーセンの焙煎機は浅めの焙煎も、深めの焙煎もどちらも理想的なバランスの味わいを作ることができると感じています」と白水さん。そのタイミングで焙煎経験のあるスタッフが入社してくれたこともあり、着実にロースタリーカフェの土台を構築。屋号もそのころから「SHIROUZU COFFEE ROASTER」と改め、より店の個性を磨き上げていく。

自家焙煎を始めてからコーヒー豆のラインナップも多様になり、現在は浅煎りから深煎りまで幅広い焙煎度合いの豆を用意。一番人気はコクと甘みのバランスが良い中深煎りのハウスブレンド「港ブレンド」だが、最近では発酵系プロセスを施した、超個性的なフレーバーを有するコーヒーもスポットで用意。オーセンティックなコーヒーも大切にしつつ、目新しさやトレンドも発信する型にはまらないスタイルでコーヒーライフを提案しているのは、「SHIROUZU COFFEE ROASTER」ならではだろう。
メニュー豊富でカフェとしても魅力的

今回足を運んだ「SHIROUZU COFFEE ROASTER 警固店」はカフェ利用がメインの店舗。2025年3月に内装を全面的にリニューアルし、より快適に過ごせる空間になっている。特に目を引くのが店内の随所に飾られたアート作品。

もともとアパレル出身で、ストリートカルチャーや音楽にも造詣が深い白水さんらしさが光り、インダストリアル風のインテリアなどかっこいい空間づくりが印象的だ。

メニューも幅広く、同店のアイデンティティでもあるサイフォンで淹れるコーヒー(530円〜)、エスプレッソベースのラテ(550円)といった定番のほか、チャイラテ(580円)、フロート系ドリンク(600円〜)などバリエーション豊富。フードもアボカドとチーズのホットサンド(780円)、ツナとひよこ豆のホットサンド(780円)、プリン&クリーム(450円)、ベイクドチーズケーキ(550円)など選択肢は多い。1人でも2〜3人でも、軽いランチ、カフェ利用などさまざまなシーンで重宝する。気軽に「SHIROUZU COFFEE ROASTER」らしい型にはまらないコーヒーを楽しんでみてほしい。

白水さんレコメンドのコーヒーショップは「KRANZ&CO」
「北九州市にある『KRANZ&CO』をおすすめします。オーナー・羽立くんはもともと当店の焙煎士を務めてくれていました。羽立くんが焙煎するコーヒー豆はどんな焙煎度合いであってもバランスがいい。プロファイルをしっかり構築しているのはもちろん、勘所がいいんだと思います。マンションが建ち並ぶ一角にポツンとたたずむ隠れ家的な店の雰囲気もいいですよ」(白水さん)
【SHIROUZU COFFEE ROASTERのコーヒーデータ】
●焙煎機/ギーセン半熱風式6キロ
●抽出/サイフォン、エスプレッソマシン(LA MARZOCCO)
●焙煎度合い/浅煎り〜深煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/あり(100グラム690円〜)
取材・文=諫山力(knot)
撮影=坂元俊満(To.Do:Photo)
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