スタートアップ企業がラグジュアリーブランドを目指す理由は?日本酒業界にイノベーションを!SAKE HUNDREDの挑戦

東京ウォーカー(全国版)

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世界的現代ポップアーティスト、ロメロ・ブリット氏とのコラボ

ラグジュアリー・ブランドの次なる一手として、2025年11月には世界的現代ポップアーティストのロメロ・ブリット氏とのコラボレーションが発表された。ロメロ・ブリット氏は鮮やかな色彩、大胆なライン、遊び心のあるモチーフを特徴としたアートで知られ、FIFAワールドカップ、オリンピックの公式アーティストも務めている。

2025年11月から発売になった「百光 ROMERO BRITTO - Hokusai Edition -」。全世界100セット限定1本110万円で販売【写真提供=株式会社Clear】

ロメロ・ブリット氏の「THE GREATEST WAVE」(写真右)をラベルやボックスのデザインに落とし込んでいる【写真提供=株式会社Clear】

5年熟成させた百光に葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」に着想を得て制作されたロメロ・ブリット氏のアートワークをラベルやボックスに用い、全世界100セット限定1本110万円で販売。額装されたラベル、ロメロ・ブリット氏直筆サイン入りギャランティーカードが同梱され、購入者特典として2026年夏にはSAKE HUNDREDブランドの日本酒をペアリングする特別なディナーへの無料招待がついてくる。

「SAKE HUNDREDのラベルは真っ白でこれは完成されたデザインではあるんですが、ただ同時にキャンバスにもなると考えていました。白い菱形のラベルに何かよいクリエイティビティを発揮してくれる方とのコラボレーションを常々考えていました。そうしたところ、ロメロ・ブリットさんがパーティーで参加者から百光をプレゼントされたそうで、『これまでにない日本酒だ』ととても気に入ってくださったんです。それでロメロさんにコンタクトをとって、コラボにつながりました」

合わせている百光は5年熟成したもので、百光として初めてのヴィンテージ物。氷温と低温の2つの温度帯で熟成させたことによって、透明感を保ちながらも、熟成によってしか生まれない奥深く複雑な味わいを併せ持っているという。

「ヴィンテージはワインやウイスキーの専売特許ではない。日本酒でも熟成させて価値を高めるという部分に挑戦していきたい」としつつも、「ワインと日本酒は性質の異なるものなので、ワインの背中を追うのではなく、日本酒ならではの可能性を広げたい」と話す生駒さん【撮影=三佐和隆士】

「ワインと異なり、基本的に日本酒は新酒と呼ばれるできたてがおいしいんですね。そこはワインとは決定的に違います。ただし、一部の商品は適切な品質のものを適切な環境で適切な年数熟成させればよいものができあがるというのがわかっています。2020年醸造の百光はそれで、熟成することでよりよい味わいになるという可能性を感じて、寝かせていました。ブランドオーナーとして僕が試飲して商品として世に出していいか確認するんですが、この時が一番憂鬱なタイミングなんです。なぜならおいしくないと思ったら売っちゃいけないからですね。お客様に対して責任を持つというのが僕の一番の仕事。これまでお蔵入りになった商品もあります。しかし、5年熟成の百光は本当においしくって。透明感と複雑性が非常にマッチしていて、自信を持ってお届けできる仕上がりになっています」

スタートアップ企業がラグジュアリーブランドを目指すというのは並大抵のことではない。それでもラグジュアリーという言葉を掲げるのはなぜだろうか?

「ブランドがラグジュアリーかどうかは顧客が決めることです。自分たちのやるべきことを積み上げ、その振る舞いが徹底されていればどこかでそう認識してもらえるようになると言えます。そして、名乗らなければ目指せないですよね。日本酒産業にラグジュアリーは必要なことだと思っていて、産業全体に変化をもたらしたいんです。僕らだけがうまくいけばいいというわけではなくて、僕らがやったことで産業が前向きに変わっていくということを目指しています。僕らがひっそりと高級日本酒ブランドをやるのではない、『ラグジュアリーなんだ』と言い続けることで、以前はラグジュアリーという言葉がまったく業界になかったところから、今たくさんの日本酒ブランドがラグジュアリーだと名乗っています。それでいいんです。ラグジュアリーになるというのは難しいことだし、状況を満たせばなれるものではないですが、高級性と精神性を高く持ち続けることによっていつかそうなれるかもしれない。そして声高に叫んでいかないと業界は変わらないと思っているので、そこを含めてラグジュアリーと名乗っています」

「おいしいのは当たり前。SAKE HUNDREDと関わることによって心が満たされる、人生を彩られる。そういった価値をお客様に届けたい」と熱く語る生駒さん。日本酒業界にイノベーションを起こし、ラグジュアリーブランドを目指す歩みは止まることがない。

取材・文=西連寺くらら

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