殺処分寸前の「噛むし吠える」危険な犬を引き取ったら…?作者が直面した現場の惨状と、捨てられた犬が抱える深い傷跡【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
ある日、知り合いの保護団体から「放浪犬を一時的に預かってほしい」と連絡が入った。保護したものの激しく吠え、噛みつくこともあるため、このままだと殺処分の可能性もあるという。「2日間だけ」という約束で引き受けたヨシモフ郎さん(@yosimofurou)だったが、迎えに行った先で目にしたのは、壮絶な光景だった。
惨状の中で唸る犬。勇気を出して差し伸べた手
役場で保護されていたその犬は、土日の閉庁期間だけ預かり先が必要だった。激しい威嚇を覚悟してドアを開けると、室内はドアも床も血まみれの状態。犬はケージを自力でこじ開けて脱走し、リードも食いちぎっていた。暗闇の中で低い唸り声を上げる姿に、ヨシモフ郎さんも「噛まれたら嫌だな」と恐怖を感じたという。
しかし、威嚇する犬は痩せ細っており、その瞳には怯えの色があった。ヨシモフ郎さんが腰を下ろしてゆっくりと手を差し出すと、犬は驚きながらも少しずつ距離を縮めてくる。牙をむき出しにしていた放浪犬が、初めて人間に心を開いた瞬間だった。
激しい吠え声の裏に隠された「人への渇望」
茶色い毛並みから「茶々」と名付けられたその犬は、驚くほどすぐに懐いた。その様子を見て、ヨシモフ郎さんは「絶対人間に飼われていた子だ」と確信したという。吠え続けていたのは、本当は人間に甘えたくて、助けてほしくて仕方がなかったから。そんな茶々の健気な姿に、「そんなにちょろくていいの?」と拍子抜けしつつも、温かな感情が芽生えていった。
だが、茶々は「捨てられた」ことによる深いトラウマを抱えていた。ヨシモフ郎さんの姿が見えなくなると激しく鳴き叫び、吐き戻してしまうほどの分離不安を見せたのだ。
保護犬が新しい家族を見つけるまでの「空白の期間」を知ってほしい
ヨシモフ郎さんは、保護活動の苦労を「お金も手間もかかるので正直面倒」と率直に語りつつ、自分にできる範囲で無理なく手伝いたいというスタンスを貫いている。本作を描いたきっかけについては、「保護犬が新しい家族を見つけるまでにどう過ごしているのか、意外と知られていないのではないかと思った」と明かす。
取材協力:ヨシモフ郎(@yosimofurou)
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