「危害は加えないから純愛」と豪語するストーカー。彼が知ってしまった推しの“致命的な秘密”【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
クラスメイト・天川美空のことが好きすぎて、誕生日や血液型はもちろん、SNSの更新頻度から「体を洗う順番」まで調べ上げた男、和見正。周囲が「ストーカー」と呼ぶその行為を、彼は「危害を加えていないから純愛だ」と言い切る。
ホンノシオリ(@honn_noshiori)が描く『
ストーカー男が好きな女の子の秘密を知る話
』は、そんな重すぎる愛を抱えた少年が、意中の少女の「地球外生命体(宇宙人)」という衝撃の正体を知ってしまうことから始まる、異色のすれ違いラブコメディだ。
「純愛」vs「未知の生命体」。ストーカーですら霞むヒロインの正体
和見は自分なりのルールに基づき、影から彼女を見守る(つきまとう)日々を楽しんでいた。しかしある放課後、ついに美空から「なんで私のあとをつけてきてるの」と問い詰められ、隠密行動が露呈してしまう。
絶体絶命の瞬間、美空が明かしたのは「自分は人間ではない」という秘密だった。普通なら恐怖や困惑を感じる場面だが、和見の愛はそれすらも凌駕する。「どんな彼女でも愛し抜く」という彼の歪みつつも強固な信念が、異星人である美空の心をしだいに動かしていく(あるいは感化させていく)プロセスが、本作の大きな魅力となっている。
「宇宙人のテンプレート」×「笑いのこだわり」
作者のホンノシオリは、本作の着想について「ストーカー主人公が好意を抱くヒロインが人ならざる者で、すれ違いコントみたいになったらおもしろそう」という発想からスタートしたと語る。
制作において特にこだわったのは、徹底してシリアスな展開を拒む姿勢だ。たとえば、ヒロインをかばってトラックに撥ねられたと思わせるシーンでも、実はただの「寝不足で倒れただけ」というオチをつけるなど、読者が最初から最後まで笑える工夫を凝らしている。インタビューにおいて、作者は以下のように語っている。
「こだわったところは、シリアスにさせないようにするという点です。最後の、トラックにひかれそうなヒロインをかばった主人公は死んでしまったのかと思わせて、次のページではただの寝不足が原因だったというような、最初から最後まで笑えるようにしたのは本作を作るうえのこだわりだったと思います」
また、読者から「某コーヒーメーカーの宇宙人CMを彷彿とさせる」という指摘があることについても、王道なテンプレートを意識しつつ、キャラクター同士の会話劇で差別化を図っているという。
ブチギレる宇宙人と、それに萌える男。デートシーンの妙
本作のハイライトの一つが、二人のデートシーンだ。宇宙人である美空が、デートに遅刻した和見に対して「あんたマジで殺すわよ」と本気でブチギレる場面は、作者自身もお気に入りのポイントだ。
「個人的にはデートの約束をして『精々私の機嫌を取ることね』と言ったそばから遅刻してヒロインが『あんたマジで殺すわよ』とブチギレているシーンが特にお気に入りです」
SF的な舞台装置を使いつつも、本質はテンポの良い会話とキャラクターの「デレ」を楽しむラブコメ。ストーカーという本来なら忌避される属性が、宇宙人というさらに大きな非日常とぶつかることで、奇跡的な「尊さ」へと昇華されている。
取材協力:ホンノシオリ(@honn_noshiori)
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