「ニコニコバスツアー」で行った気になるリモート観光!群馬県を巡ってきた〜みなかみ・沼田編、太田・館林編〜
東京ウォーカー(全国版)
2日目:ニコニコバスツアー 群馬県太田・館林編
続いて2日目は、群馬県の東部に位置する「館林」から「太田」エリアへ。昔話でおなじみの古刹や、最新の工場見学、そしてちょっと不思議なヘビの楽園まで。歴史と新しさが絶妙にミックスされた、大人の好奇心をくすぐる冒険のような1日を、ゆっくりと辿ってみよう。
①分福茶釜の伝説が息づく、たぬきと里沼のお寺「曹洞宗 茂林寺」
群馬県館林市にある茂林寺(もりんじ)は、お伽話「分福茶釜」の舞台として知られる曹洞宗の古刹だ。1426年の開山から続く長い歴史を持ち、日本遺産にも認定された「里沼(さとぬま)」文化を今に伝える大切な場所でもある。一歩足を踏み入れれば、伝説の世界と静かな禅寺の空気が溶け合う、どこか不思議で温かな空間が広がっている。
山門へと続く参道で迎えてくれるのは、一列にずらりと並んだ21体のたぬきの像。よく見ると一体ごとに表情が異なり、笑っているもの、少しとぼけた顔をしたもの、時には季節に合わせてサンタクロースや浴衣の衣装を着せられたものまでいて、参拝客の目を楽しませてくれる。この愛嬌たっぷりのたぬきたちは、厳かなお寺の入り口で、訪れる人の緊張をふんわりと解きほぐしてくれるような存在だ。
茂林寺に伝わる「分福茶釜」の物語は、私たちがよく知る昔話とは少し趣が異なっている。お寺の伝承では、かつてこの寺に仕えた「守鶴(しゅかく)」という老僧が物語の主人公。守鶴がどこからか持ってきた茶釜は、いくらお湯を汲んでも尽きることがない不思議なものだったという。実は守鶴の正体は数千年も生きた狸であり、彼が人々に福を分け与えるためにこの茶釜を愛用したことから、「福を分ける」という意味で「分福」の名がついたと伝えられている。
この茶釜の湯を飲む者には、開運出世や寿命長久など「八つの功徳」が授かるとされており、古くから多くの信仰を集めてきた。宝物館には今もそのモデルとなった茶釜が安置されており、その重厚な質感からは伝説が単なる作り話ではないようなリアリティが伝わってくる。館内には、守鶴の正体にちなんだ狸の剥製やゆかりの品々も展示されている。
お寺の建物を守る茅葺き屋根も、この地ならではの景色を作っている。この屋根に使われている「葦(あし)」は、境内の裏手に広がる天然記念物の「茂林寺沼」で採れたもの。沼の環境を守り、その恵みを建物に活かす。そんな自然と共生する暮らしが何百年も前から続けられている。本堂を囲む静かな湿原を散策していると、伝説に登場する狸たちが今もどこかで見守ってくれているような、穏やかな心地よさを感じることができるはず。
参拝の記念には、茶釜のデザインがあしらわれた御朱印や、「他を抜く」という言葉にかけた「他抜守(たぬきまもり)」が人気。お寺の周りにはたぬきの形をしたお菓子を売る店もあり、まさに町全体が伝説を大切に育んでいる。福を独り占めせず、周りの人にも分け与える。守鶴が茶釜に込めたそんな優しい願いが、時代を超えて今もこの静かな境内に息づいている。
▪️曹洞宗 茂林寺
住所:群馬県館林市堀工町1570
拝観時間:9時~16時
定休日:火曜日・水曜日・木曜日(宝物館・授与所)
アクセス:東武伊勢崎線「茂林寺前駅」より徒歩約7分、東北自動車道「館林IC」より車で約10分
②麦の聖地にそびえる伝統の「食事処 うどん本丸」。館林うどんの真髄を味わう
群馬県館林市。古くから「麦都(ばくと)」と称されるこの街が、麦の聖地となった背景には500年前の壮大な歴史がある。室町時代の開拓者・大谷休泊(おおやきゅうはく)が整備した用水路が、それまで困難だった「米と麦の二毛作」を可能にした。日本遺産にも認定された多々良沼の水を大地へと導き、豊かな実りをもたらした農業変革。その結果、館林は将軍家へ小麦粉を献上し、明治期には近代製粉業の先駆けである日清製粉が産声を上げるほどの場所へと成長を遂げた。
そんな館林のうどん文化の中心的存在が、製麺メーカー「株式会社館林うどん」の直営拠点。本社ビルの1階にある旗艦店は、職人が茹で上げる麺をその場で味わえる食事処と、贈答用のうどんが並ぶ販売所が併設された、まさに美食のゲートウェイ。茹で上がりを待つ間にサービスされる、麦を使ったお菓子「落雁(らくがん)」の素朴な甘味も、麦の街ならではの温かなもてなしの形だ。
ここで提供されるのは、地元産のブランド小麦「百年小麦」を贅沢に使用した、土地の記憶を宿した一杯。日清製粉創業の地である歴史と、地域の農業を次世代へつなぐ意志が、この一椀には凝縮されている。運ばれてきた瞬間に目を奪われるのは、瑞々しく光を反射する麺の美しさ。箸で持ち上げれば、絹のようにしなやかで、唇を滑り落ちるような滑らかさが伝わってくる。口に含んだ瞬間の優しい口当たりと、噛み締めるほどに奥歯を押し返すような力強い弾力。この「柔らかさとコシ」が完璧なバランスで共存する食感こそ、熟練の加水と熟成が生み出した職人技の結晶といえる。
お品書きの中でも、館林の伝統的な食文化を象徴するのが「なまずセット」だ。かつて里沼(さとぬま)の恵みとして親しまれてきたなまずの天ぷらは、驚くほどクセがなく、上品な白身魚そのもの。サクサクと軽やかな音を立てる衣の中に、驚くほどフワフワでジューシーな身が隠れている。ここに地元館林の老舗・正田醤油の「土佐しょうゆ」をひと回し。かつおの出汁が効いた芳醇な醤油の香りが、なまずの淡白な旨味を鮮やかに引き立て、うどんを啜る手が止らなくなる。
四季折々の旬を大切にする姿勢も、本丸の魅力のひとつ。春にはふきのとうの天ぷらで雪解けの苦味を楽しみ、夏には涼やかな薬味が食欲をそそる「冷や汁うどん」、秋には濃密な香りのきのこ、そして冬には心まで解きほぐす熱々の煮込みうどん。季節ごとに装いを変えるメニューは、訪れるたびに異なる館林の豊かさを教えてくれる。食事のあとに立ち寄りたい販売所では、22時間かけてじっくり乾燥させた最高級の乾麺「玉練(たまねり)」も手に取れる。
多々良沼の恵みが用水を通じて大地を潤し、二毛作という知恵が麦を生み、それが製粉やうどんという産業へ昇華された。うどん本丸でのひとときは、そんな500年にわたる歴史の帰結を、一椀の中に再現するプロセスそのもの。麦都の誇りと、里沼が紡いできた壮大な物語。一度暖簾をくぐれば、館林という土地が磨き上げてきた「もてなしの心」の深さを、その喉越しとともに実感できる。
▪️食事処 うどん本丸(館林うどん直営)
住所:群馬県館林市本町3-8-1
営業時間:食事処:11時~14時、お土産売店:9時~18時
定休日:年中無休(年末年始等を除く)
アクセス:東武伊勢崎線「館林駅」東口より徒歩約11分、東北自動車道「館林IC」より車で約11分
③120年の伝統を次世代へ。ソースの未来が生まれる場所「ブルドックソース TATEBAYASHIクリエイションセンター」
群馬県館林市に、私たちの食卓でおなじみの「ブルドックソース」の新しい拠点が誕生した。その名も「TATEBAYASHIクリエイションセンター(TCC)」。創業120周年という大きな節目に、従来の工場の枠を飛び越え、研究開発から生産、物流までをひとつに統合した「価値を創り出す拠点」として生まれ変わった場所だ。次の100年もおいしいソースを届け続けるための、同社の強い思いが込められた象徴といえる。
2024年4月から始まった工場見学「館林ファクトリー」は、大人から子供まで楽しめる体験型スポットとして早くも話題を集めている。見学コースの入り口は、50年以上親しまれてきた角型ボトル「ブルパック」の内部をイメージしたデザイン。まるで自分が巨大なソースボトルの中に迷い込んだような感覚で、120年の歩みをマンガ風の壁画で楽しく辿ることができる。注目したいのは、第二次世界大戦中のエピソード。外来語が禁止された時代に、社名を「三澤工業」に変えてまでソース作りを守り抜いたという。そんなブランドの底流にある不屈の精神に触れると、いつものソースの味が少し違って感じられるかもしれない。
特に五感を刺激するのが、ソースの香りの決め手となる「スパイス体験」のコーナー。シナモンやクローブ、タイムといった数種類のスパイスが並ぶゾーンでは、実際にその豊かな香りを直接確かめることができる。
さらには、輸入トマトがぎっしり詰まった巨大なドラム缶に触れる体験もあり、素材選びへの並々ならぬこだわりが肌で伝わってくる。「なぜソースは黒いの?」といった素朴な疑問も、ここでの体験を通して楽しく解き明かされていく。
見学のハイライトは、最新鋭の充填ラインだ。1日になんと約11万リットル、本数にして約27万本ものソースが、高速回転する機械によって瞬く間にボトリングされていく様子はまさに圧巻。既存の設備を稼働させながらミリ単位の精度で新設したというこのラインには、最新のオートメーション技術が詰め込まれている。また、環境への配慮も徹底しており、屋根に敷き詰められた太陽光パネルや高効率なボイラーなど、サステナブルなモノづくりの姿勢が随所に見られるのも、次世代拠点ならではの特徴といえる。
見学の締めくくりには、クイズに挑戦してプレゼントを狙ったり、ここでしか手に入らない限定アイテムが当たるガチャガチャ「ぶるガチャ ポン!」を楽しんだりと、最後まで遊び心が満載。館林の地から世界へと発信される新しいソースの歴史を、その目で、鼻で、そして心で体感できる特別な場所だ。
▪️ブルドックソース TATEBAYASHIクリエイションセンター(館林ファクトリー)
住所:群馬県館林市大新田町61-5
アクセス:東武伊勢崎線「館林駅」よりタクシーで約10分、東北自動車道「館林IC」より車で約20分
※見学希望者は公式サイトから予約が必要
④過去を流し、新しい一歩を。女性の心に寄り添う「縁切寺満徳寺資料館」
江戸時代、法的に離婚が認められず、夫からの理不尽な扱いに苦しむ女性たちが、命がけで駆け込んだ場所がある。現在の群馬県太田市に位置する「徳川満徳寺」だ。幕府から公式に「縁切寺」として認められていたのは、鎌倉の東慶寺と、ここ満徳寺のわずか2カ所のみ。単なる慈悲の場ではなく、国家権力が守った「女性の再出発を助けるための特別な聖域」であった。
満徳寺がこれほど強い権威を持ち得たのは、徳川将軍家と分かちがたい縁があったから。徳川家康は自らのルーツであるこの地を特別に扱い、寺を復興。さらに、家康の孫娘である千姫が再婚する際に、身代わりをこの寺に入らせて離婚を成立させたという由緒が、縁切寺としての特権をゆるぎないものにした。江戸幕府の庇護を受けた「尼寺御所」としての高い格式は、不当な夫の手を振り切って門へ到達した女性たちにとって、この上ない安心感だったに違いない。
満徳寺の門前には、女性を確実に保護するための厳格な仕組みがあった。身体の一部が入ることはもちろん、脱ぎ捨てた草履や簪(かんざし)が門の内側に投げ込まれるだけで、寺の保護下に入ると見なされた。追いすがろうとする夫の手を逃れ、文字通り「決死の越境」を果たしたあとのプロセスも実に戦略的だ。寺の権威をもって夫に離縁状を書かせるよう促し、もし解決しなければ足掛け3年の奉公を経て強制的に離婚を成立させる。一方的に突きつけられるものだった「三くだり半」を、女性が自らの意志で奪い取り、未来を切り拓くための頼もしいシステム。
明治期に廃寺となったが、現在は「縁切寺満徳寺資料館」としてその歴史を伝えている。本堂や駆け込み門が復元された敷地内は、凛とした空気が漂う。ここで多くの現代人が体験するのが、ユニークな「御流し」の儀式だ。受付で授与される白い「縁切札」に断ち切りたい未練や悪縁を、赤い「縁結札」にこれからの良縁を書き込み、資料館内にある専用の厠(かわや)へ向かう。
白い便器は「縁切用」、黒い便器は「縁結用」。そこに札を入れ、水で流すと、特殊な紙でできたお札は瞬く間に溶けて消えていく。目の前でわだかまりが吸い込まれていく光景は、心のデトックスとも呼べるスッキリとした解放感。それは単なる清算ではなく、かつてこの地から新しい人生へ踏み出した女性たちのように、自分らしい縁を結び直すための大切な出発点。
困難な時代に自立を求めて駆け込んだ女性たちの歴史が、今に伝えられている満徳寺。不要なしがらみを水に流し、新しい一歩を踏み出す勇気を与えてくれるような場所だ。
▪️縁切寺満徳寺資料館
住所:群馬県太田市徳川町385-1
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
アクセス:東武伊勢崎線「世良田駅」より徒歩約35分、北関東自動車道「伊勢崎IC」より車で約20分
⑤日本唯一のヘビ専門研究・展示施設。知の迷宮「ジャパンスネークセンター」
群馬県太田市の藪塚温泉郷、その山あいにある「ジャパンスネークセンター(JSC)」は、1968年に設立された日本で唯一のヘビ専門の展示・研究施設だ。ここは文部科学省が所管する学術研究所を母体としており、世界中から集められた数百種、数万匹のヘビが飼育されている。国内の毒蛇対策に関する専門的な知見が集まる場所としても知られている。
園内には、ヘビの生態を間近に観察できる複数の温室が点在。「大蛇温室」ではビルマニシキヘビやオオアナコンダといった世界最大級の巨体に出合える一方、「毒蛇温室」ではキングコブラやブラックマンバといった世界的な猛毒蛇が網羅されている。2008年に原宿で起きたグリーンマンバ事件の個体など、過去のニュースに関連したヘビが展示されているのも、ここならではの光景。資料館には骨格標本や透明標本のほか、未確認生物「ツチノコ」に関する貴重な資料も収蔵されており、学術的な価値とミステリアスな魅力が同居している。
体験イベントも充実しており、特に日曜・祝日に開催される「ハブの採毒実演」は必見。ハブの鋭い牙から毒液が採取される様子を間近で見学でき、身近なマムシやヤマカガシへの対策についても詳しく学べる。また、ヘビに触れる「ふれあい体験」や、幸運をもたらすとされる白ヘビや大蛇を首に巻いての記念撮影も人気。かつての本能的な恐怖が、正しい知識と接触を通じて不思議な敬意へと変わっていくような体験が待っている。
敷地内には、実験や飼育で命を落としたヘビたちを供養する「白蛇観音」や巨大なコブラ像が立ち、独特のレトロな雰囲気を醸し出している。かつての名物だったヘビ料理は技術継承の問題で終了したが、週末には旧食堂が休憩所として開放され、飲食物の持ち込みも可能だ。昭和の面影を残すこの場所は、訪れる人の好奇心を満たしてくれる。
実はこの施設、単なるレジャースポットにとどまらない、社会的にとても重要な役割を担っている場所でもある。例えば、かつては無毒だと思われていたヤマカガシの毒性を解明し、現在も日本で唯一、その血清を製造・保管している。咬傷事故が起きた際の医療現場を支える「毒蛇110番」を24時間体制で運営したり、密輸や違法飼育で警察に押収された外来種を引き受けたりと、いわば日本の安全を守る「最後の砦」としての顔も持っているのだ。
そんな意外な一面を知ると、いつものおでかけも少し特別なものに感じられそうだ。すぐ隣にある江戸時代の町並みを再現した「三日月村」や、のんびり癒やされる藪塚温泉と一緒に巡って、歴史や科学、そして生命の不思議をまるごと体感する旅を楽しんでみてほしい。
▪️ジャパン・スネークセンター
住所:群馬県太田市藪塚町3318
開園時間:【3月〜10月】9時〜17時、【11月〜2月】9時〜16時30分
休園日:毎週金曜日(祝日の場合は営業)
アクセス:東武桐生線「藪塚駅」より徒歩約10分、北関東自動車道「太田藪塚IC」より車で約10分
⑥地平線まで見渡す、邑楽の「空の特等席」。「シンボルタワー未来MiRAi」
群馬県邑楽町(おうらまち)の平坦な田園風景の中に、突如として現れる高さ約60メートルのタワー。それが町のランドマーク「シンボルタワー未来MiRAi」だ。1993年、政府の「ふるさと創生一億円事業」をきっかけに建設されたこのタワーには、大空へ羽ばたく町のビジョンが込められている。周囲に高い建物のないこの地において、タワーは単なる展望施設という以上に、自分たちが住む町を高い場所から一望したいという、町民の長年の願いを形にした場所でもある。
最大の見どころは、地上36メートルにある変形九角形の展望室から眺める360度の大パノラマ。関東平野のど真ん中という立地を活かし、赤城・榛名・妙義の上毛三山はもちろん、天気のよい日には雄大な富士山や筑波山、そして約100キロ離れた東京スカイツリーまでをはっきりと捉えることができる。さらに地上40メートル地点には、ガラス越しではない「生」の空気に触れられる屋上展望台が。平野を吹き抜ける風を全身で受け止めながら、見渡す限り広がる碁盤の目の田園風景を眺めていると、まるで空に浮かんでいるような贅沢な開放感に包まれる。
建物の随所に見られる「三角形」のモチーフにも、深い意味が隠されている。これは1968年に3つの村が合併して邑楽町が誕生した歴史を象徴するもの。タワーの形状だけでなく、館内の時計やテーブル、細かな装飾にいたるまで三角形のデザインが貫かれている徹底ぶりだ。また、エレベーターの音声ガイドを担当するのは、町出身のお笑い芸人・ロバートの山本博さん。展望窓には山本さんの実家を示す「山本邸」の矢印が掲示されているなど、地域に根ざしたアットホームな遊び心も、訪れる人を笑顔にしてくれる。
ユニークな取り組みとして知られるのが、階段を使った「健康ウォーキング」。1階から展望室までの189段を105回登ると、ちょうど富士山の標高(3776メートル)に到達する計算だ。達成度に合わせてスタンプがもらえるこのプログラムは、雨の日でも体を動かせる「全天候型のトレーニング場」として、多くの町民に親しまれている。これほど充実した施設でありながら、展望料金が小学生以上100円という驚きの安さも、地域の人々に愛され続ける理由のひとつ。
冬(11月中旬〜1月下旬)には、タワー周辺が「光のページェント HiKARi MiRAi」の輝きに包まれる。この時期の楽しみは、展望室から見下ろす巨大な「光の地上絵」。町のマスコットキャラクター「オーランドさん」が約3万球のLEDで描き出され、高さがあるからこそ完成する光のアートを楽しめる。10分ごとにオーランドさんの表情が変わる仕掛けもあり、夜のパノラマ夜景に温かな彩りを添えてくれる。地上からは決して見ることができない、展望台という視点があるからこそ成立する冬のギフトだ。
タワーを拠点として役場や図書館、公園が集まった「シティコア」構想により、周辺の利便性も抜群だ。 直売所で地元のブランド白菜を手に取り、公園を散策したあとに、最後にタワーからそれらを育む大地を眺める。行政や文化、自然が一点に集約されているからこそ、一連の流れで町の魅力を丸ごと体感できる。かつて平坦な土地で「高い場所から町を眺めたい」と願った人々の想いから生まれたこの場所は、今も昔も変わらず、邑楽町の未来を静かに見守り続けている。
▪️邑楽町シンボルタワー未来MiRAi
住所:群馬県邑楽郡邑楽町大字中野2639-1
開館時間:【4月~9月】10時~18時、【10月~3月】10時~16時
休館日:毎週月曜日・火曜日(祝日除く)、年末年始
展望料金:小学生以上 100円
アクセス:東武小泉線「本中野駅」より徒歩約20分、東北自動車道「館林IC」より車で約25分
⑦140年の時を味わう、老舗の革新。歴史と美食が交差する「割烹 明養軒」
群馬県太田市尾島町、明治18年の創業から140年以上もの間、この地で暖簾を守り続けてきた「割烹 明養軒」。ここは単なる老舗の料理店ではない。かつて中島飛行機(現SUBARU)を創設した中島知久平や、詩人の北原白秋といった名士たちが愛した、太田の産業と文化の発展を静かに見守ってきた特別な場所だ。一歩足を踏み入れれば、アールヌーヴォーのランプが灯る大正ロマンの風情漂う空間が、訪れる人を日常から切り離された贅沢な時間へと誘ってくれる。
おすすめは、看板メニューのひとつ「明養軒五代目うな重」だ。伝統的な関東風のうなぎは、通常15分ほど蒸してから焼き上げる。しかしここでは、あえて最新の技術を取り入れた調理法を採用し、約1時間という長い時間をかけてじっくりと熱を入れる。この「伝統の進化」によって生まれるのは、これまでのうなぎの概念を覆すような、ふっくらとろける極上の食感。明治から代々一子相伝で受け継がれてきた秘伝のタレが、その繊細な身の旨みをさらに引き立て、一口ごとに歴史の深みが口いっぱいに広がる。
地元名産を大切にするこだわりも、この店が愛される理由のひとつ。太田市尾島町特産の大和芋は、まろやかな風味と力強い粘りが特徴だ。明養軒ではこの大和芋を、とろろ飯のような伝統的なスタイルだけでなく、意外なスイーツとしても提供している。特に人気の「大和芋のプリン」は、芋ならではの独特な風味が活きた名物として、テイクアウトするファンも多いほど。他にもシフォンケーキなど、老舗ならではの創意工夫が凝らされた一皿は、食後の楽しみとして欠かせない。
歴史ファンなら見逃せないのが、中島知久平にちなんだ「知久平御膳」だ。料理の下に敷かれたランチョンマットは、知久平から贈られたという「飛行機のエンジンの設計図」を模したもの。かつて「飛行機王」と呼ばれた巨人がここで何を語り、どんな未来を描いたのか。そんな物語の残響を感じながら食事を愉しむ体験は、まさにこの場所でしか味わえない贅沢。北原白秋が滞在中に書き上げた「尾島小唄」ゆかりの御膳もあり、食事のひとときがそのまま文化の旅へとつながっていく。
壮麗な大広間から、プライベートな時間を過ごせる静かな個室まで、あらゆるシーンを受け入れる懐の深さも魅力だ。敷居の高さを感じさせない落ち着いた空間と、アットホームなおもてなしは、多くの人々に寄り添ってきた老舗ならではのもの。歴史観光の拠点としても最適で、近隣にある渋沢栄一記念館を巡ったあとに立ち寄れば、明治から現代へと続く時代の流れを五感で堪能できるだろう。一期一会の精神で整えられた空間と、伝統に新しい息吹を加えた美食。かつての偉人たちが愛した味に現代の感性を感じながら、太田が誇る豊かな食文化をぜひその舌で確かめてみてほしい。
▪️割烹 明養軒
住所:群馬県太田市尾島町62-1
営業時間:11時30分~14時30分(LO14時)、17:30~21時LO20時30分)
定休日:月曜日
アクセス:東武伊勢崎線「木崎駅」より車で約5分、JR高崎線「深谷駅」より車で約20分、北関東自動車道「伊勢崎IC」または「太田藪塚IC」より車で約20分
今回紹介した群馬県の旅。どのスポットも、現地でしか得られない発見と、地域の人々が大切に守ってきた物語に満ちている。この記事を読んで気になった方は、ぜひニコニコ生放送のアーカイブをチェックしてみてほしい。ガイドの軽妙なトークと共に、動画ならではの臨場感でさらに深く群馬の魅力を楽しめるはず。これからの旅の参考に、ぜひ役立ててもらいたい。
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
この記事の画像一覧(全59枚)
キーワード
- カテゴリ:
- タグ:
- 地域名:
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国1400カ所のお花見スポットの人気ランキングから桜祭りや夜桜ライトアップイベントまで、お花見に役立つ情報が満載!
ゴールデンウィーク期間中に開催する全国のイベントを大紹介!エリアや日付、カテゴリ別で探せる!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介







