「俺の部下は無能ばかり」イライラ男が「説教してやる!」と息巻いて入ったメンズエステ…グレーな世界を描いた漫画が話題【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
メンズエステとは、マッサージを中心とした施術で心身の癒やしを提供する男性向けの店である。蒼乃シュウさん(
@pinokodoaonoshu
)が描く「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」は、そのメンズエステを舞台にした創作漫画だ。美しくもミステリアスな主人公・加恋が、店を訪れる“訳アリ”の客たちの心に静かに寄り添いながら、自分自身と向き合うきっかけを与えていく人間ドラマである。今回登場するのは、常にイライラを抱え「この店で一番人気ある子を出してくれ!」と強気に要求する男。新入社員への苛立ちや仕事のストレスで肩も背中も固まりきった彼の前に、静かに加恋が現れる。
セルフラブを描くために生まれた“メンエス嬢”という存在
『ぴのこ堂』というペンネームを使い、呑み歩きのコミックエッセイやさまざまな土地のグルメ探訪を趣味で描いたりもしている蒼乃シュウさん。今回紹介するのは『蒼乃シュウ』のペンネームで描く創作漫画だ。
メンエス嬢を主人公にした理由については、「noteで現役メンエス嬢さんの日記を読んで興味がわき、『メンエス嬢』が主人公の漫画を描いたらおもしろいんじゃないかと思いました。いわゆる風俗とはちょっと違うグレーな世界観で、新しい人間ドラマを生み出せそうな予感がしたんです」と明かした。曖昧な境界線のうえで揺れる人間模様こそが、本作の出発点になっているのである。
恋愛ではなく“自分を愛する”物語
本作のテーマは一見すると恋愛だが、蒼乃さんは「テーマは『恋愛』です。でも一般的な男女の恋愛ではなく、『セルフラブ』を描いていくつもりです」とのこと。好きな人に愛してもらうのではなく、自分で自分を愛することができるようになるきっかけを、加恋は客に提供しています」と加恋の存在意義を語る。
加恋が行う施術は単なる癒やしではない。心の奥にしまい込んだ葛藤やトラウマをそっと解きほぐし、客自身が自分の価値を見つめ直す時間を与える。その静かな変化こそが、この物語の核になのだ。
"一瞬で恋に落ちるビジュアル"に込めたこだわり
キャラクターデザインにも強い意識が込められている。「男女問わず、誰でも一瞬で恋に落ちるようなビジュアルを心がけています。かわいいだけではなく、凛々しさが表現できたらいいなと頑張って描いています」という言葉どおり、加恋の佇まいからは優しさと強さがにじみ出ている。
あたたかく柔らかな手で凝り固まった背中をほぐされるうちに、苛立ちを抱えていた男の表情は少しずつ変化していく。パワハラ気質の彼は、自分を愛するという新たな感覚にたどり着けるのだろうか——。物語はまだ始まったばかりであり、今後の展開にも注目していきたい。
取材協力:蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)
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