父が全裸で倒れた!ICUで目にした大量の管に繋がれた父の姿…自責に沈む娘を救ったのは父の「生きる力」だった!【作者に訊く】

東京ウォーカー(全国版)

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ICUで大量の管に繋がれながらも、必死に自身のスマホの暗証番号を娘に伝えようとする父。 作=キクチ

右耳難聴や子宮内膜症など自身の体験を描いてきたキクチさん( kkc_ayn )が綴るコミックエッセイ「父が全裸で倒れてた。」は、母を看取って約2年後、今度は父が倒れる物語である。母の介護を経験したことで冷静に動ける部分は増えたが、一人っ子として決断を迫られる重圧は変わらない。誰もが向き合う“親の老いと死”を静かに、しかし生々しく描いていく。

ICUで目にした現実 「なんとか生きられている」父

「父が全裸で倒れてた。」カバー 作=キクチ

第1話1-1 作=キクチ

第1話1-2 作=キクチ

緊急搬送された父はICUに入院。数時間ぶりに再会した父は、想像を超える姿だった。高度な医療機器に囲まれ、無数の管に繋がれ、絶えず鳴る警報音。病室というよりも、生命維持の現場そのものだった。

キクチさんは当時をこう振り返る。「入室前に手を入念に洗って、防護服と手袋を身につけるまでは『ICUのイメージ通り』だったのですが、いざ病床を目の前にすると診療機器の多さと絶えず鳴り響く警報音に圧倒されました」。さらに「その中にいる父はまさに、『生きている』というよりも『なんとか生きられている』状態でした」と語る。その管が1本でも抜けたら終わってしまうのではないか。そう思うほど深刻に見えたという。

震える手と暗証番号 父が振り絞った力

スマホの暗証番号を確認しようとしたが、手が震えて自分では打てなかった。それでも父は諦めなかった。言葉にならない声で、必死に伝えようとした。「おそらく、この時の父は投薬で意識が朦朧としていたと思うのですが、私のために、自分のためにも、力を振り絞ってくれました」。

水も飲めず口も乾き、うまく動かせない。それでも両手で口元を押さえ、懸命に伝えようとする姿に胸を打たれたという。「両手で口周りを必死にマッサージして伝えてくれた姿が嬉しかったです」。その姿を見たとき、自責の念に沈んでいた心に、かすかな灯がともった。生きようとする父の力が、逆に娘を支えた瞬間だった。

父のスマホが開き、薬の情報を確認し、親戚へ連絡を入れる。ひとつずつ課題を乗り越えていくなかで、母の三回忌をキャンセルする現実も突きつけられる。「父は70代ですが多くの情報をデジタルで管理しています。お薬手帳だって、紙の手帳だったらすぐに病院に共有できたのにと思いましたが…」。マイナ保険証での情報共有に期待しつつも、現場では手探りの連続だという。「今年こそはゆっくり年末を過ごせそう!と思ったのに、父が倒れちゃって…やっぱり冬は油断できない季節だと感じます」。

ICUという極限の場所でも、父は確かに生きようとしていた。重い現実を前にしながらも、淡々と、時にユーモアを交えながら描く筆致が、読者の胸に静かに刺さる。

取材協力:キクチ(@kkc_ayn)

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